鎧、前編
マンティネイアさんたちとのお茶会を楽しんでから、装備品を揃えるために、店を後にした。
「待って下さい。 コレは、少ないですが、当座の生活資金の足しにして下さい」
「装備品や彼女までいただいたのに、資金援助までは流石に」 と断ったが、強引に渡されてしまった。
まあ、有って困る物でもないし、有り難くもらっておく事にした。
キンキスタドールをでて、紹介された店へと向かう。
「そう言えば、何って名前でしたけ?」 紹介されたのだが忘れてしまった。
「ラクシュミー・バーイーでございます」
う、やっぱり難しい名前だ「難しい名前だね。 仲間からは、何て呼ばれてたの?」
「ミーアと呼ばれてました」
「お! それ呼びやすくていいね。 それじゃミーアちゃんよろしくね」
「はい、つばさ様よろしくお願いします」
「あと、友達と話すみたいに、普通に話してくれるかな? 堅苦しいのが苦手でさ」頭をかきながミーアちゃんに言うと
「よろしいのですか?」
「お願いするよ」
「私も本当は、苦手なんだ、つばさ様みたいな人でよかったよ」
「様とかもなくていいよ」と言ったのだが
「流石にそこまでは、言えないな、やはりつばさ様と呼ばせてもらいたい」と否定された。
ミーアちゃんは、狼の獣人らしく、犬耳と短いがフサフサの尾がある、凛とした美人だ。
普段なら女性の胸しか見ない俺だが、犬耳やフサフサの尾は非常に魅力的だし、地球にいれば、トップモデルと言われても素直に信じてしまうほどの美人だ。
助けた時は、見えそうで見えない、絶妙な破れ具合の服しか見てなかった。
「私の顔に付いますか?」
「あ、ごめんごめん。 獣人をあんまり見た事がなかったらから。」
「獣人は、この町にも多いはずですが?」
「まだ来たばっかりなんだよ、町を歩いたのも昨日が初めてだし」
彼女の事を色々聞きながら歩いていたら、 マンティネイアさんが注文したと言う店にやってきた。
なかに入ると「いらっしゃい、うちの店は初めてかい?」
そう声をかけて来たのは、クマのぬいぐるみの様な姿の獣人でドワーフと呼ばれる種族だ。
「マンティネイアさんに言われて来た、つばさです」
「あぁ、マンティネイア様から話しは聞いてるよ、ちょいとまってな」
そう言うと、コミカルな歩き方で奥へと行くと、奥からもう1人のドワーフを連れてきた。
「話しは聞いている。 お前たちは、どんな戦い方をするんだ?」
「俺は、魔法と剣で戦います」
「私は、剣か槍を使い、獣人特有の戦いをするつもりです」
「女の方は、狼の獣人らしい戦いがしたいわけだな。 男の方は、剣の魔法とは珍しいな」
「今まで使ってた、装備があれば見せてくれ」
「はい、コレです」
装備を出してみて貰った。
「剣もちゃんと使える様だな、盾は小楯だけか?」
「女の方は、今までの装備が無いんだな」
「お前たちには、初心者から中級者まで長く使える防具を作ってやる」
そう言って俺達の体の型を作ると、皮をいくつか選んで合わせてゆく。
財布やカバンなどと違い、皮をモンスターの脂と魔石の粉、それに薬草などで煮込み、硬化処理処理をする。
硬化処理したモンスターの皮は、金属以上に硬くて丈夫だ。
そして、モンスターがもつ魔法への防御耐性を、多少なりともも得る事が出来るのだとか。
「型も出来たし、お前たちは帰っていいぞ。 そうだな~ 3日後には完成させるから、とりに来てくる」
このドワーフさんは、仕事が大好きなみたいで、そう言うと、黙々と作業を始めだした。
「うちの父ちゃんは、仕事の虫だから、此処にいても楽しくないよ」と店に居たドワーフが言うので任せて帰る事にした。
と言うか、おばさんとおじさんだったのか……… いまいち見た目で判断し辛いな。
「お客さん、何か失礼な事考えてませんか?」と、おそらくおばさんドワーフぽい人が顔を覗いてきた。
そっと目をそらしておく。
「では、3日後にまた来ます」
一度宿に帰り、追加料金を支払うと、2人部屋に移った。
前より少し部屋が広くなり、ベッドが2つになっただけで、余り部屋が変わった気がしない。




