①プロローグ
俺は、エリートニートであるイヤ!! あったと言うべきか。
東大医学部を目指して理科Ⅲの受験を毎年受け続けてる事30回、遂に合格する事が出来た。
2013年は二次試験が簡単だったのに、他の学生たちの点が例年より低くかったおかげではあるのだが、例えまぐれだとしても嬉しいのだ。
因みに理科Ⅲと理科Ⅰでは将来医学部に行くに当たり、理科Ⅲからだと65点あれば何とかなるがのだが、理科Ⅰからだと95点は無いと行け無いのだ。
合格通知を見た俺は舞上がった。
昔はまだ浪人生と呼ばれていたのに、最近はニート呼ばわりだ。
まあ、オンラインゲームと筋トレしかして無い様に周りからは見られていたのかも知れないが、一応勉強をしていたのだ。
合格通知も来た事だし、久しぶりにゲームを解禁しよう。
せっかくなのでコスプレしてからゲームをする事にした。
リアルゴリマッチョの体に合うように特別に自作したコスプレ衣装に着替えて風呂場の鏡でポージングをしていたらインターホンがなった。
普段なら完全無視をするところだが、コスプレして強気になった俺は、押し売りの相手をしてやろうと思って玄関へと急いだ。
玄関を開けると驚くほど際どい衣装を着た女性が立っていた。
ギリシャ神話から抜け出してきた様な金髪碧眼の女性で、やや大きめの胸が薄い布切れだけで申し訳程度に隠されているばかりだ。
余りの美しさと、見えそうで見え無い胸に意識を集中し過ぎてしまった。
ふと気がつくと、玄関に居たはずなのに、どこか神秘的な宮殿の様な場所に立っていた、もちろん2つの意味でだ。
女神様らしき人が話しだした。
「あなたの願いは聴き届けられました、あなたを異世界へとお連れします」
へェ何おかしなことを言っているのだろう?? 思考が追いついていか無い。
「異世界に行きたいなどと祈った事は無いですけど」
「あなたの名前は、太郎では無いのですか?」
確かに俺の名前は太郎で有るので山田 太郎ですとこたえた。
「山田さんですか、桃田 太郎では無くて?」
「ハイ、山田 太郎です」
しばらくの静寂が続いた。女神様はどうやら人違いをされたようだ。
「あの~女神様そろそろ帰りたいのですが」
「それは困ります。それと、誰か死んで頂ける人って、この当たりに居ないかしら?」
この女神、どうやら自分のミスを無くすため俺を殺す気でいるようだ。
「そんな人は居ません、帰らせて下さい」
「そうですよね。 異世界で勇者か英雄に成ってハーレムを作る様な人生なんて嫌ですよね」
「あの~僕の命を使って下さい」
「良いのですか、何とお優しい方でしょうか」
「あなたの世界にあった、リアルワールドに似た世界へとあなたは行く事になります。特別に力を3つ差し上げるので、どんなスキルが良いですか?」
有名なオンラインゲームではあるが、俺はやったことの無いゲームだった。
しかし有名な最強スキルの組み合わせぐらいは知っている。
高速思考と高速詠唱の組み合わせで、無詠唱以上の速度になるらしい。
それに思考分離を組み合わせるとネットに上がっていた。
前衛職の方は覚えて居ないので仕方無い。
「女神様、決めました。高速思考と高速詠唱と思考分離でお願いします」
「出来たわよ、ステータスを出して確認してみて」
ステータスと試しに呟くと目の前に文字が浮かんできた。
太郎
レベル1
生命力15
魔力量30
力5
物理防御3
速さ3
魔力圧6
知力3
魔法攻撃力15
魔法防御力5
スキル
高速思考レベル1
高速詠唱レベル1
思考分離レベル1
出た、しっかりとスキルが付いている。
「読み書きと基本的な常識は向こうに着くと同時に分かるから心配しなくても良いわよ。ソレと基本の25スキルポイントを上げるわね」
「普通はポイントを貯めてスキルを取るか、修行してスキルを取るのよ」
どんなスキルを取るか初期スキルを見ようとしたらオススメを教えてくれた。
生活魔法で有る。 魔力消費も少ないし食べ物を浄化したら、食中毒を防げるし、アイテムボックスも使えるように成るらしい。
生活魔法レベル3は消費30ポイントだが特別に25ポイントで良いと言うのでこれにした。
スキルと唱えると
太郎
レベル1
生命力15
魔力量30
力5
物理防御3
速さ3
魔力圧6
知力3
魔法攻撃力15
魔法防御力5
スキル
生活魔法レベル3
高速思考レベル1
高速詠唱レベル1
思考分離レベル1
「それでは異世界へ飛ばすわね。 私の管理する世界では無いから二度と合う事も無いと思うけどさようなら」