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人魚と過ごした青春時代  作者: 雨宮雨霧


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8/19

人間になれない人魚

美海の記憶と人生と引き換えに手に入れた足。

え?美海自身も手に入れてるじゃないかって?

あの子は私の人形になる運命だったんだ。


足があっても上手く歩けない。

練習して少しは歩けるようになったけれど、まだ難しい。

もう人魚ではない。人間だ。

歩くのも走るのも、もっと上手にならなくては。

美海みたいに歩きたい。


靴、というものを初めて履いてみた。

すごく歩きづらい。

人間はこんなものを履いて生活しているのか。

裸足とはまた違う感覚だから気を抜くと転けてしまいそうだ。


美海と一緒にお風呂に入る時、どうも泳いでしまう。

広めに作った風呂は泳げるサイズ感だ。

水中でずっと息を止めるのはもちろん、ノンストップで泳げる。

人間の足があっても、人魚じゃなくなったわけではない。

私がなりたい姿はこんなものだったのだろうか。


美海には空を見るな、と言いつけてある。

理由は「空」は「水面」だからだ。

ここは地上ではない。海中だ。

美海には水中でも生きれるように呪い(まじない)をかけておいた。

その呪いは、水面を見てしまうと解けてしまう。

つまり溺れて死ぬ。

そんなことはあってはならない。

私の手で(あや)めるまでは。

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