2024/4/4
私は玄関で寝ていた。
謎の大量の荷物を隣に置いて。
帰り際、天美に言われたことを思い出す。
「明日頑張ったらもう楽になれる。荷物まとめとけよ。」
意味はよく分からない。
分からないほうがいいのかもしれない。
パンを焼き、口に詰める。
制服はもう着たいと思えない。
メンヘラをこじらせすぎだ。
だが、今日でなにかが変わる。
今日さえ頑張ればなにかが終わる。
6時間の授業はとても長く気が重かったが、耐え抜いた。
入部届も手渡されたが破いて捨てた。
私には要らないものだから。
制服をハンガーにかける。
一番好きな白いワンピースを着て、夜になるのを待つ。
薄暗くなってきた頃、インターホンが鳴った。
出てみると、そこに居たのは天美だった。
「やっほ、行けそう?」
天美、海の近くに居なくていいの?というか足…。
「海奈の人生と引き換えに足をもらったの。」
え?それはどういう…。
頭は混乱している。私の人生が天美の足になった?じゃあ私の人生は。
「あんたの人生はね、私にあるの。命がなくなるわけじゃない。私の隣にずっと居られるの。」
それじゃまるで操り人形ではないか。
恐怖とともに天美の歌声が押し寄せてきた。