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プロローグ
ある日、海に訪れた私。
海辺に座る綺麗な人を見かけた。
透き通るような白い肌に、金色の長い髪を揺らしている。
近付いてみると、彼女は振り返った。
優しい眼差しに心を奪われる。
「ずっとあなたを待っていたの。」
そう彼女は言った。
足元を見ると海に浸かった綺麗な尾があった。
なぜ私を待っていたのか。
なぜ彼女はこの海に居るのか。
とても不思議な時間が流れゆく。
私と人魚の秘められた青春時代。
まだあなたと一緒に居られたら。
またあなたとこの海で出会えるのなら―