表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/77

3.医学の研究者として、息子の父親として

(医学の研究者として、息子の父親として)


「江崎……、本当に行くのか?」

 そう言って声を掛けてくれたのは、この大学病院の医局長、そして私の尊敬する大先輩の湯川だった。


「もちろんです! アメリカの最先端の技術で、あと一歩の所の遺伝子レベルの研究ができるというのですから、こんなチャンスを逃すわけにはいきません。今すぐにでも飛んで行きたいくらいですよっ!」


 鉱之の声は喜びに興奮していた。


「お前さんはいいかもしれないが、良一君が慣れないアメリカで一人苦労をするんじゃないかと思って心配しているんだ。難しい年頃だからな。家にも良一君と同じ年の娘がいるが最近は会話らしい会話などした覚えがないよ。同じ子を持つ親として、ちょっと気にかかっているんだが……」


 アメリカに送り出す張本人だからこそ、鉱之の家のこと、息子のことが気にかかっていた。


「良一は置いて行きます。多分、日本と同じで、ほとんど家には帰らないと思いますから、慣れないアメリカで一人よりも、今のまま日本で、一人で暮らす方がいいと思いまして……。それに、今でも良一は一人で自活していますから、私が返って女房の代わりにして面倒を見てもらっているくらいですよ……」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ