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建国のアルトラ ~魔界の天使 (?)の国造り奮闘譚~  作者: ヒロノF
第3章 水の国アクアリヴィア探訪編
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第82話 再びウォルタ邸に泊まらせてもらうことに

「さて、じゃあこれで契約成立ってことで良いな」

「願ってもないです」

「じゃあ、明日一日でそちらへ行く準備を整える。荷物もあるから二日後にここへ来てくれ」

「わかりました」


 ドワーフ商会を後にした。もう大分暗い時間になっている。

 少し離れたところまで歩き――


「よっしゃーーー!! これで川は出来たも同然だーーー!!」

「良かったですね! アルトラ様!」

「アルトラが嬉しいならリディアも嬉しいゾ!」

「ドワーフは種族自体が気難しいって聞いてたから話を取り付けるのも大変かと思ったけど、全部リナさんのお蔭だよ!」

「そんなことは……私はほんの少しサポートしただけですので……」

「いや、影響力のある言葉が無ければ、今回は聞く耳も持ってもらえなくて相談すらできなかったかもしれない」

「しかし、昨日助けた子がドワーフ商会のお孫さんだったってところも大きかったですね」

「ホント人助けはしておくものだと思ったよ」


 リナさんには何から何までお世話になりっ放しだ。


「明後日までどうしますか?」

「う~ん……魔界に来て休みという休みを取ったことがなかったから、一日ホテルで休もうかな……と思ったけどリディアがいるからそうもいかないか。リディア、明日何しようか?」

「リディア、水族館ってのを見に行ってみたイ!」


 普段から海の中にいるのに、水族館に興味があるのか……

 まあ、自分が水の中にいるのと、外から水の中を見るのじゃ大分違うか。あと、水槽の中から見るのと外から見るのも違うかもしれないな。


「リナさん、この街に水族館ってあるの?」

「もちろんありますよ! 水の国ですから!」


 『もちろん』なのね。まあこれだけ発展してる街だ、絶対あるだろうとは思ってたけど。


「明日は水族館へ行ってみようか。じゃあ、今日はどうしよう、ホテルって二人分部屋取ってもらえるかな?」


 ただでさえ、高級ホテルに無料で予約取っているのに、これでリディアまで宿泊させてもらえるだろうか?

 部屋が大きいから、同じ部屋なら問題無いのかな?

 いや、それもモラル的にどうなんだ? 一人で宿泊してるはずなのに、もう一人引き入れるって、ホテルのこと良く知らないけど、賃貸なら完全に契約違反に当たるし、多分やっちゃいけない行為だろう。魔界だからルールは違うかもしれないが。


 ホテル側に聞いてみるか? いや、聞いたところで拒否されるのが普通だろう、一人分の宿泊料で二人泊めるのがもう既におかしいし……しかも相手は高級ホテルだぞ?

 かと言って、ルーファスさんに「もう一部屋宿泊できるように手配してもらう」ってのは何か厚かましい気がする。と言うか、高級ホテル二部屋は流石に怒られそうだ……

 私が同行させたリディアをリナさんの別邸に押し付けるのも何か違う気がするし……

 だとしたら……今日はリディアと一緒に野宿かな。幸いにも私は土魔法で家も作れるからこの街から少し遠い所にでも家を作って、明朝に壊して前日と同じ状態にしておけば済むでしょう。

 よし、野宿 (簡易家付き)に決定!


「アルトラ様、どうかしましたか?」

「ん? いや今日どこへ泊まろうかと思って……人数増えちゃったからホテルには泊まれないなと」

「そんなこと考えてたんですか? 今日も私の別邸に来れば良いじゃないですか!」

「いや、二日続けてってのも、なんか悪いかなと……」

「遠慮しなくても良いですよ!」

「でもルーファスさんの顔を潰すことに……」

「ああ、それなら昨日の時点で、任務の結果泥だらけでホテルには宿泊できなくなった旨を、ルーファス様と話し合った結果、キャンセルすることを了承いただいたので大丈夫です」

「えっ? そうなの? ってことは今日も自動的にリナさんの邸宅に?」

「そうなりますね」

「じゃあ、今日もお世話になります!」


 良かった! いつの間にかそんな話になってたのか。


   ◇


 と言うわけで、ウォルタ邸別邸に帰って来た。


「リナ様、アルトラ様お帰りなさいませ、あら、今日はもう一人おられるのですね」


 ルイーズさんがお出迎えしてくれる。


「この子はクラーケンのリディア」

「クラーケンって……ときおり海を騒がせている? どう見ても亜人に見えますが……」

「この子たち人型に変身できるらしくて、今人の形に変身してる状態なの」


 それって普通に言っちゃって良いことなのかな?

 私はフレアハルトのことを村民にひた隠しにしてたんだけど……と言うか、ルイーズさんあまり驚かないのね。

 ああそうか、その理由がちょっと分かった。

 人魚も水の中と陸上で姿が変わるから、この国のヒトにとって、『変身』はそれほど特別なことではないのかもしれない。


「…………危険は……無いのですよね?」

「この子優しいから大丈夫! もう一人増えたからもう一つ部屋の鍵を解放してもらえる?」


 もう一つ部屋を用意してくれるというリナさんの言葉に、流石に悪いと思い断りを入れる。


「いや、私とリディアで使うから、昨日泊まらせてもらったひと部屋だけで良いよ」

「そうですか? ルイーズさん、じゃあそのようにお願いね」

「かしこまりました。アルトラ様、では昨日と同じ部屋でよろしいですか?」

「はい、よろしくお願いします」

「かしこまりました」


   ◇


 昨日と同じ部屋を貸してもらえた。

 ベッドは一つしかないが、サイズは大きいし、子供体型の二人が寝るには十分な広さだろう。


「これなんダ?」

「ベッドって言うのよ」

「リディア、ベッドで寝るの初めてだから楽しミ! ふかふかダ! リディア、海の中にいるとき泳ぎながら寝てたからナ」


 上に乗って飛び跳ねる。私も子供の頃旅行に連れてってもらった時に、同じようなことやったなぁ……


「下にあるこれハ?」

「絨毯って言うのよ」

「これもふかふかダ!」


 寝っ転がってゴロゴロする。これは私も昨日ホテルでやったっけ……


 少ししてからリナさんが迎えに来る。

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