せんとう
正義のヒーロー!オフロマン参上!
ごく普通の商店街にあるごく普通の銭湯。そこに突如女性の悲鳴が響き渡った。
「キャー!誰かー!」
番頭のおばあちゃんがすぐさま駆け付けに行く。するとそこには怪人と言っていいだろう、人間とは思えない見た目の化け物が立っていた。おばあちゃんはその場で腰を抜かす。お母さんに抱き着きながら小さい少女が泣き叫ぶ。すると中学生くらいだろうか。一人の少女が大声で叫んだ。
「誰か助けて!」
その声が届いたかのように、一人の青年が走ってきた。
「そこまでだ!」
その青年はポーズをし始めた。
「変身!」
青年が光を纏う、水しぶきが上がる。
「銭湯の平和はこの俺が守る!オフロマン参上!みなさん、早く安全な所へ!」
それを聞いた客たちは銭湯から避難していった。
「よくここまでたどり着いたな、オフロマン。だがお前もここまでだ!」
「怪人ブーロ!お前こそ怪人達の先頭に立って悪さしやがって!今日という今日は絶対に倒してやる!」
どうやらこの怪人はボス的存在で、オフロマンと怪人たちの最終決着のようだ。
「行くぞ!」
オフロマンが怪人に突っ込んでいく、銭湯で戦闘が始まった。富士山の絵をバックに1対1。格ゲーのステージのようで設定は日曜の朝。良く分からない。
オフロマンがパンチを繰り出す、ブーロがそれをよける、今度はブーロが持っていた杖でオフロマンを殴る、オフロマンはそれをガードし、キックを放つ。それを食らったブーロは後ろに吹き飛んだ。その瞬間、ブーロの杖からビームが放たれる。ギリギリのところで避けたオフロマンだったが、すぐに二発目が来た。避けることが出来ないと察したのか、オフロマンは床にあった洗面器でガードする。忘れていたがここは銭湯だった。
「やるなオフロマン、だがこれはどうかな」
そう言うとブーロは杖をその場で振り回した。すると、炎を纏った小型のヤギが3体出てきた。
「このヤギを俺は千頭出せる!お前に対処できるかな?行け!」
ブーロの命令でヤギがオフロマンに向かって走り出す。それをオフロマンは華麗に避けた。だがすぐにヤギがオフロマンに向け戻ってくる、だが彼は冷静にシャワーを手に取り向かってくるヤギ達に水をかけた。ヤギの纏っていた炎が消え、ヤギも消えていった。
「なに!?」
ブーロは驚いている様子だった。
「これだったら、千頭居ても大丈夫そうだなっ!」
オフロマンはそう言い放った瞬間、ブーロに洗面器を投げた。咄嗟のことでブーロは反応が遅れたが何とか避けようとした。しかし、何度も言っているようにここは銭湯。しかも先ほどまでお客が使っていたのだ。床が水で濡れており、ブーロは足を滑らせ転んでしまった。天井だけが見えるブーロの司会。だがその視界に現れたのは、なんとオフロマンだった。
「オフロマンセントーン!」
オフロマンがプロレスの技、セントーンをブーロに向けて繰り出した。全体重がブーロに降り注ぐ。
「うっっ!」
ブーロはうずくまり動けなくなる。そこにオフロマンの必殺技が炸裂した。
「必殺!千十銭湯ビーム!」
「やっやめろー!」
オフロマンの腕から大量の水のようなビームが放たれ、ブーロに当たった。ブーロは水に溶けていきその場から消え去った。この銭湯での戦闘はオフロマンの勝利となった。
「これでこの町の平和は保たれた」
そしてオフロマンは普通の青年に戻った。明日もオフロマンは正義の為に戦う!銭湯で!それは男湯でも女湯でも変わらない!そういえば今回は...
「変態!」
オフロマンは一発ビンタを食らった。
過去一の問題作でした。せんとう言いたいだけです。ここまで読んでくださりありがとうございます。
きんたつ。