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亢龍、悔いあり(バイオ・サイボーグより改題)  作者: 詩歴せちる
Heart Of A Dragon
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THE ROAD WARRIOR

                鉄     志



 休日であるとはいえもう夜間と言ってもいい時間帯ではあるし、さらに言えば下り方面あるため走っている自動車はそんなに多くはなかった。そしてこの辺りのこの時間帯であればパトカーは殆ど通らないだろう。なので私は遠慮なくアクセルを最大限にまで回し、限界のスピードに近づけた。

 「鉄志君!!!どこに向かってるんですか!!??」

 「別にどこに向かうとか決めてねぇ!!!とにかく今は奴らから離れるんだよ!!!」

 「離れるって言ったって、別に高速にまで入る必要ないでしょう!!!」

 やれやれ。ここまで来てまだそんな甘いことを言っているのか。平和ボケが過ぎているな。

 奴らは燈和を連れ去るために銃器や薬品まで使用したのだ。私を殺すのに一切躊躇いのない奴らがそう易々と見逃してくれるはずがない。私一人で戦うのならまだしも、甘い考えを捨てきれない燈和を守りながらは流石に限界がある。実際、一度失敗して捕らえられている。そして市街地では障害物が多すぎるうえ、人目がありすぎる。先ほどのように自身の体を変化させ戦うのは流石に避けるべきではあるし、あれらが相手では巻き添えを食らう者も出てきてしまう可能性も捨てきれない。

もっとも、高速に入ったからと言ってその可能性がゼロになるわけではないだろうが、市街地でそれを行うよりは少なくなるだろう。

 「そんなこと言っているうちに、ほら、来やがったぜ!!!」

 サイドミラーに見覚えのあるボックスカーが小さく映り始め、段々と大きくなってきた。にしても、こんなにも簡単に位置を特定するとは…。燈和に何か細工でも施したのか?

 「鉄志君!!!どうするんですか!!!???」

 「遅かれ早かれ追い付かれる!!!だったらここで迎撃してやるところだ!!」

 「どうやって!!!???」

 「あーもう!!うるせぇなぁ!!黙ってしがみ付いとけ!!振り落とされるなよ!!!」

 そう言い捨てると、私は速度を維持したまま単車を右側に寄せた。あの手下どもと戦って分かったが、奴らは攻撃に躊躇いが無い反面その方法が非常に単純だ。ま、あれらはただ操られているだけなのだから当然か。そしてこの状況下であればその方法もさらに絞られてくるし、奴らはこちらの手の内は分かっていない。考えようによっては今が一番迎撃に適しているのかもしれないな。

 と、ボックスカーが単車の左側にやってきた。やはり単純極まる。わざわざ私が空けてやったスペースにやってくるとは。

 燈和を拉致することが目的なら、こちらに車をぶつけてくる可能性は低い。そんなことをすれば私だけではなく燈和も巻き添えだ。そしてこの速度。単車から落ちればひとたまりもない。必然的に、燈和が死ぬような事故を起こされなければ私がやられることもない。

 私はサイドミラーを確認し、後続車がいないことを確認するとボックスカーの運転席に近づこうとした。その時だった。

 バァンッ!!!!

 突如、後ろで何かが破壊される音が鳴った。サイドミラーで見てみると、ボックスカーの後部座席の窓ガラスが割れ、そこから毛むくじゃらで丸太ほどの太さがあり、6本の細長い指を持つ、どう見ても人間のものではない腕が伸びていた。あれは確か…。

 「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああっっっっっっ!!!!!!」

 その腕は燈和の方へと伸び、そのまま彼女の腕を掴んだ。

 「くっ!!!」

 左手で腰に付けていたナイフを取り、右手はアクセルを握ったまま両方の腕を伸ばし、燈和を掴むその腕に突き刺すとそのままこちら側へと引き寄せるようにその肉を引き裂いた。

 「オォォォォオオっ!!!!!!!」

 激痛が走ったのか車内から獣の雄叫びのような声が聞こえ、毛むくじゃらの腕は燈和の腕を離すと車内へ引っ込んだ。ふんっ。この程度で引っ込めるとは。根性のない奴だ。

 「燈和!!持ってろ!!今はできる限り自分の身は自分で守れ!!!」

 前を向いたまま燈和にナイフを差し出すと、掌からその感触が消えた。どうやら燈和は何も言わず受け取ってくれたらしい。そうだ。それでいい。今は自分を守ることだけを考えておけ。

 さてと。やってくれたな。次はこちらから行くぞ。

 私は再びバックミラーを確認した。先ほどと同じように後続車はなく、そこには暗闇に浮かぶ街灯が見えるだけだ。

 私はボックスカーの運転席に単車を近づけると、腰に付けていたバッグに左手を突っ込むと手探りし、中から三段階伸縮式の警棒を取り出した。警棒は畳まれているが、わざわざ伸ばす必要はない。

 警棒の柄の先端付近を持ち、ボックスカーの運転席の窓ガラスに思い切り叩きつけた

 ビシィっ!!

 一度目の攻撃でガラスにヒビが入った。そして間髪入れずにもう一度打撃を与える。

 ガシャァァンッ!!!!!

 音を立てて窓ガラスが割れ、そのまま左手を突っ込むと車内に警棒を捨て、ハンドルを掴んだ。

 単車を寄せつつ、ボックスカーのハンドルを左に切ると、運転席の男は負けまいとハンドルを右に切ろうとしたが、その程度の力で動かせるものか。私は人間が普段出すことのない余力を自由に引き出すことができる。お前ごときに力比べでは負けん。

 ボックスカーは左側を向き始め、外壁へと近づいていく。

 タイミングを間違えるなよ。間違えれば、私と燈和も吹き飛ぶことになりかねない。

 外壁スレスレに近づいた時、最後に一気にハンドルを傾け、ボックスカーが外壁へとぶつかる直前に左腕を出し、可能な限り単車を右側に傾けた。

 ドゴォォォォォォォォォォォォオオオオオオンッッッッッ!!!!!!!!

 左側後方で轟音が鳴り響いた。バックミラーで確認すると、ボックスカーはひっくり返っているのが目に入った。

 私は単車の姿勢を直すとそのまま走り続け、バックミラーに映っていたボックスカーは瞬く間に小さくなり、やがて完全に見えなくなってしまった。


 「鉄志君…、なんてことを…」

 しばらく単車を走らせていると、燈和が震える声で話しかけてきた。ま、無理もないか。あれほどの事故なら普通の人間であれば死んでいてもおかしくはない。そう、()()()()()ならな。

 「大丈夫だよ。あれくらいで死にゃしねぇ。それに、後続車が来ていないことは確認していた。巻き込みはしていないよ。」

 「…!!!あれだけの事故で死なないって…!!!」

 ま、それが普通の反応だろうな。だが燈和にはもう少し考えてみてもらいたいのだが、今は決して普通の状況とは言えないだろう。ボックスカーから未知の生物の腕が出てきたのだ。なぜここまでのことが起こっていてもなお車内の人間の心配ができるのだ。全く、理解に苦しむ。

 それに、何も俺は楽観してこれを言っているのではない。()()の眷属となっている間はどんな生物であろうと生命力は桁違いとなるのだ。不死身といってもいい。心臓に穴が開いたり首の骨が折れる程度では死にはしない。

 だからと言って、こんなことを今燈和に言ったところで理解はされないのだろうが、まぁいずれ分かるだろう。奴らは必ず再起して燈和への追跡を開始することになるだろうからな。そう、今すぐにでも。

 「燈和。言いたいことは山ほどあるだろうが、それは後でまとめて聞く。俺自身も説明しなきゃならんことがたくさんあるしな。とりあえず、次の出口を出て…ん?」

 「今度は何ですかっ!!!!!!」

 「なんだぁ?ありゃあ…」

 単車のバックミラーに、まだ小さいが、だが確かに何か異質なものが映った。

 大きさは恐らく中型トラック程度で色は白い。異様なのはその動きだ。自動車であれば凹凸のある路面を走行しない限り普通に走行している状態では大きく上下に動くことはまずない。だが、今近づいてきているそれは明らかに上下に激しく動いている。

 さらに、それが近づいてくるたびに段々と音が聞こえ始めた。自動車のエンジン音ではない。一定のリズムを刻みながら地面に何かを打ち付けるような音だ。

 機械ではない。生物だ。何かしらの巨大な生物が、私と燈和を…いや、燈和を狙ってこの単車を目掛けて走ってきている。

 後ろからやってきたそれはあっという間に追いつくと、私の乗る単車の左側へとやってきて、速度を合わし、真横にぴたりと張り付いた。

 見た目は馬に近いが異なる点がいくつかある。大きさはこの世界の一般的な馬の2倍程度。体毛は無く全身がなめし皮のようになっており、また鬣の代わりに魚類の背びれのような皮膚が進化したものが首筋から背部の真ん中付近にまで形成されている。口から見える歯は一般的な草食動物の持つ臼歯はなく肉食動物の犬歯が見え隠れし、そして最大の特徴はその足、上半身に2対、下半身に2対の計8本が生えている。こんな生物、この世界には存在しえない。だが私はこれを知ってはいる。

 「鉄志君!!!何なんですかこれは!!!!」

 スレイプニル…。前世の世界においては最も速いとされ、「神速」の異名を持つ希少生物だ。個体数は極小であり、存在そのものがもはや伝説とされており、私自身も二度くらいしか見たことが無かったが…。まさかこの世界でお目に掛かれるとは。

 いや、今までのことから考えればこいつも恐らくは偽物ではあろうが、いずれにせよその足の速さはオリジナルに劣らない。現に今150km/hで走行しているにもかかわらずぴたりと張り付いてる上、まだまだ余裕そうな様子を見せている。単純に最高速度だけを考えれば振り切ることは不可能か。

 と、その時、隣を走るスレイプニルの顔がこちらを向いた。

 …この表情、攻撃態勢に入るつもりだ。最早燈和を無傷のまま拉致するのは諦めたようだな。

スレイプニルは自身の持つ魔力は速度にしか適用することができない。ゆえに攻撃方法は単純な物理攻撃に限られる。回避はそう難しくはないはずだ。

 右手のフロントブレーキと左手のクラッチ、そして右足のリアブレーキを可能な限りの力で握りしめ、単車が前転してしまわないようハンドルを切り体重を右側にかけて傾け車体を90度方向転換させると滑らせるようにして速度を一気に落とし、スレイプニルとの間に距離を開けた。

 目の前のスレイプニルもこちらに合わせて速度を落とそうとした。が、急激に速度を落とそうとした影響で八本の脚はもつれ、轟音を立てながら派手に転倒した。

 体の使い方を分かっていない。所詮偽物は偽物か。そして今ので少しは時間が稼げる。

 ある程度速度が落ちたのを確認すると、リアブレーキを離し、車体をさらに90度方向転換させ、完全に逆方向を向かせた。

 そして最低限、前方向に発進できる程度にまで速度を落とすとギアを1速にまで落とし、再び走行を始め、中央分離帯に乗り上げると反対車線へと入り、再び速度を上げていった。

 いきなり急な動きをいくつも行ったが、私の体を掴む力は緩んでいない。燈和は無事なようだ。

さて、ここからは私の番だ。逃げ続けているだけはないことを分からせてやる。あれを倒す方法は既に考えてある。

だがこの方法を使うにはあれの右側にいる限りは難しい。なので今度は左側を走行し私の右側へと誘導する。

 速度を上げつつ、ギアを最大の5速にまで変えた。これで後はアクセルを回し続けるだけでいい。

 左手をハンドルから離し、左肘から先の細胞を変動させた。これを武器に変える。

 左腕の骨、尭骨と尺骨を融解させ一つにし、薄く広げ空洞を作った後、周りには筋肉を寄せ集めて固める。手首から先は5本の指を全て付け、先端が尖った一つの塊とし、内部の指の骨は円を描くように配置する。また手首は動くと狙いが外れる可能性があるため固定し動かないようにする。そして塊とした左手の先端に直径5センチほどの穴を空け、それを先ほど作った骨の内部の空洞と繋げる。これで通り道ができた。

 次に左の肋骨二本を部分的に外し、左腕へと送る。送った肋骨を融解して一つにし、先端を鋭く尖らせかつ空洞のある形状に作り変え、さらに先端に小さな穴を空けその空洞と繋げたうえで左腕内に配置した。これで弾丸の完成だ。

 肋骨を二本も失うとなると、もし今事故を起こせば左肺の損傷は免れないだろうな。だが最低限のリスクとして割り切るしかない。それに私は瞬時に回復させる手段を持っている。

 この世界において何かを射出させるには相応のエネルギーが必要となる。ボウガンならワイヤーによる弾性力、銃火器なら火薬による爆発であるが、これらは当然人間の体内には存在しないし、原子レベルで体内の物質を分解し作り上げるには時間がかかるため、ここでは別の形でエネルギーを作る。

 まずは左腕の肘周囲の筋肉を変質させて射出装置を作り出し、続いて細胞内のミトコンドリアのクエン酸回路及び電子伝達系を亢進させ、生物のエネルギーの基本たるATPを大量に産生、それを作った射出装置に送り込む。これで大まかな準備は完了した。

 だが、ただ単に尖った骨を奴に向けて撃ったところで動きを止めるまでに至らせることはできない。なので最後に、射出する骨に細工を施す。

 この世界の自然界の毒を持つ生物は大きく分けて二種類。自身の体内で作り出したものか、外から取り入れたものかだ。そして私の持つ毒は後者である。

 私が喫煙を行うのは嗜好のためではない。喫煙から得られるニコチンを代謝させず、細胞を変質させ体内に作った嚢胞の中に水溶液として蓄えるためだ。ニコチンは神経毒。喫煙を行うたび濃縮していったその液はあれの命を奪うまではできないとしても、しばらくの間動けなくさせることくらいはできるだろう。

嚢胞から通路を作り、作っておいた骨の弾丸の中に流し込み充填させる。これで全ての準備が整った。

 と、その時、後方からどかどかと音が聞こえ始めたかと思うと、今度は私の右側に奴が現れた。

 全て私が思い描いたとおりだ。馬鹿な奴め。ま、本来なら腕から骨の弾丸を射出するような人間がこの世に存在することはないのだから予想しろという方が無理な話なのではあるのだがな。

 さて、攻撃態勢に入られると厄介だ。その前にケリをつけてやる。

 毒を注入するとは言っても、その部位によって効果の出は大きく変わってくる。例えば足の先端から注入したとしても全身に回るのには時間がかかるため早急に効果が欲しいのであればこれは得策ではない。すぐにでも命を奪いたいのであれば頭部、全身の動きを抑制させるのであれば心臓付近が最も有効であろう。頭部は的が小さいうえ、あの首の長さなら頭部はかなり自由に動き回るため単車に乗っているというこの不安定な状況下では命中させるのは非常に難しい。また、万が一命中したとしても脳を守る頭骨により骨の弾丸程度では弾かれてしまうのがオチだ。できればすぐにでも殺してしまいたいところではあるが、作り出せる弾丸には限りがある。ゆえにここでは第二の選択肢を用いる。

 スレイプニルの心臓はこの世界の人間同様、左側に偏っている。そして走行する際には下半身4本の脚による蹴りを重視しているため血流が下半身に重点的にいきわたるよう心臓は配置されている。その位置とは、前側の2対の脚の内、後方の左脚の右下付近。人間でいえば膵臓のある位置だ。

まさか前世の記憶がこんなところで役に立つとはな。輪廻転生も馬鹿にはできん。

 少しだけ単車を寄せ、左腕を構え奴の心臓に狙いを定めた。チャンスは一発だけ。体内のニコチンはもう残ってはいないし、弾丸を作るのに必要な骨も無駄遣いはできない。

 

 ボシュ…!!!

 ドズッ…!!!


 単車のエンジン音と奴の足音に紛れたものの、一瞬の間に異音が二つ鳴ったのを確かに確認した。

 結果として弾丸は私が意図したところに命中した。

が、浅い…。

半分程度しか刺さっていない。あれでは中の毒が体内に入る前に落ちてしまいそうだ。もっと奥深くまで押し込まなければならない。

 単車を奴の間近に寄せ、右足を極限の高さにまで上げると、奴に刺さった弾丸を足の裏で思い切り押し込んだ。

 今度は音は鳴らなかったが、伝わってくる感触から確かに体内へと弾丸が押し入っていくのが分かった。

 右足を戻し確認してみると、先ほどよりは弾丸が埋まっていた。が、それでもまだ浅く感じる。もう少し押し込んでおきたいところだな。

 だがその時。

 ドガァッ!!!!!!

 奴が単車に向かって体当たりを食らわせ、単車が少し宙に浮いた後、左側に大きく傾いた。

くそっ!!攻撃に集中しすぎた!!このままではまずい!!!

 体を可能な限り地面と垂直に保ち右手足のブレーキを全身の力を込め握りしめた。そして左腕を元に戻していなかったためクラッチを握ることができず速度が落ちた単車はエンジンを停止した。

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!」

 「燈和ぁ!!!!体を地面と垂直に保て!!!!倒れちまう!!!」

 が、燈和には聞こえず、単車は反時計周りに激しく回転を始め、その遠心力に負け、燈和の腕の感触が体から離れたのを感じた。

 「くっ…!!!!燈和ぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」

 単車から離れ、残る右手で燈和の左足を掴むと、一気に引き寄せ全身を包み込むように抱きしめた。


 ががががががががっ…!!!!ががががががががっ…!!!ががっ…!!

 

 単車が地面と擦れる音が鳴り響く中、燈和を抱えた私の体は地面に打ち付けられると、ボールのように跳ね上がり、再び地面に打ち付けられた後ゴロゴロと転がった。

 「はぁ…はぁ…、燈和…無事か…?」

 「え、えぇ…。鉄志君が受け止めてくれましたので。鉄志君こそ無事ですか?」

 無事ですか…か。痛感覚は麻痺させいるから自覚はないが、内部の損傷は免れてはいないだろうな。

 「かっ…ごほぉ…ごほ…」

 「鉄志君!!大丈夫ですか!?」

 呼吸がしづらい。それに、咳をするたび血の混じった唾液が出される。今ので肺を損傷したようだ。すぐに修復しないと。

 ドガァ…!!ドガァ…!!ドガァ…!!ドガァ…!!ドガァ…!!

 先ほどは単車の音で分からなかったが、その足音からそいつの体はかなりの重量があることを私に分からせた。

 顔を上げると、息を荒立てたスレイプニルが私たちの前に立ちはだかっていた。低い位置からから見上げているというのもあるとは思うが、その大きさはまるで空をも覆いつくすような錯覚を私にもたらした。


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