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粘る美青年(神)と断り続ける志嶺

「死んじゃったものは仕方ないので、このままあの世へ旅立つのもいいかもしれないですね」


『え!? こちらの不手際で命を落としてしまったので、あなたのいい条件で別の世界へ旅立たせることも・・・』


「いえ、もうブラックとかあるような会社?国に仕える気はないのでお構いなく」


『そ、そんなぁ~・・・』



普通に転移・・・この場合は転生かな。

第二の人生を歩んでもいいことなさそうなんだもの。

ブラック企業で染まり過ぎた所為かもしれないけど、諦めるの早くなったしね。

例え、天寿を全うしてもしなくても それも運命(さだめ)だと思うし気にもしないわ。


それにしても、イケメン?いや、美青年な神様って本当にいるのね。

眼福眼福。



『あのぅ~・・・』


「はい?」


『僕の世界に転生して頂くことは出来ないでしょうか・・・?』



控えめに、申し訳なさそうに提案してくる神様。

眼福だけど、そこは断らせてほしいかな。面倒だし。



「すみません。お断りさせていただきます。」



私の返答にズガーーーン!という効果音が聞こえてきそうなほどショックを受け固まった美青年。

そもそも、神様同士のランク付けに巻き込まれて死んだってことだけど それがなくても過労に熱中・脱水で遅かれ早かれ死んでたと思うしね。



『そんなに転生するの嫌ですか・・・?』


「今生が地獄に等しかったし、来世も期待できないというのが本音なの」


『そうならないように僕が責任を持って対応しますので!どうか、僕の世界に転生してください!!』



やけに粘るわね・・・。

そこまで粘る理由は何かしら?



「ねぇ?何故そこまで粘るの?神様達の貰い事故死なのは解ったけど、責任とれなんて言ってないでしょ」


『僕の自己満足に過ぎません。ですが、どうしてもあなたに幸せになってもらいたいんです!』


「そう思ってくれてるだけで幸せよ?だから、気にしないで、あの世へ逝かせてくれないかしら」


『だ、ダメです!僕の世界で幸せになってほしいんです!お願いします!』



また、白い床に額を擦りつけるように頭を下げ懇願してくる美青年。


どうしよう・・・。

本当に気にしなくていいのに・・・。



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