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毒親

作者: 三田 元

小学生の時父は僕に期待をしていた。勉強もできるし、運動もそこそこできるからだ。

僕には兄もいたけれど、そんな兄は勉強とか運動に関しては人並みにはできたけれど、

僕よりかはできていないんじゃないかな。

だからこそ、僕は父と母に好かれるようたくさん頑張った。

だからこそ

「お人よし」

なんて言う風に言われることも多々あった。


兄との思い出といえば

小学生の時に父の実家である長崎にいったんだ。

珍しく兄と二人で山奥にある公園まで行ったんだが、

昼でも薄暗い山道だった。


僕は兄を驚かそうと、前を歩いている兄にむかって

「わ!」

っと叫んでみたんだ。


そしたら日頃のちょっかいにしびれを切らしたのか

その日は振り向くや否や、思いっきり鼻に拳が飛んできた。

鼻血がたくさん出たよ。


でもまあ普段からそう言う嫌がらせに近いちょっかいを出されていたら

そう言う制裁もたまには来るのも今となっては納得だな。


家に帰って両親と祖父母が心配して

「どうしたんだ」って聞かれた時、とっさに

「転んだ」って兄をかばうような嘘ついたんだよね。


今思えばあれは兄に対して屈辱なことだったとわかった。

だってそうだろ?

年下に情けをかけられるなんてさ。


そんな僕らだが、ひとつ共通して感じる音があったとすれば、

父と母に対する「恨み」だろう。

僕ら兄弟は「人並みに愛されていない」という思い出生きていた。

それはお互い話したことはないが薄々感じていたことだ。


原因はきっと父の父らしからぬ子供に対する嫉妬心と

子供に母(妻)を取られるという不愉快さ、そして

母のヒステリックな性格であろう。


彼らは似ている。

だからこそ惹かれあって繋がることができたのかもしれない。

しかし、その共通点はお互いを生ちょうっさせるようには働かず、

「これでいいんだ」という閉塞的な解決しかもたらさなかったと僕は感じる。


母と話をすると

「時代のせい」とか「人と話すのが苦手血筋だから」なんていう

「自分のせいでない」という言い訳がたでてくる。


僕はこれが嫌でたまらなかった。


だかか中学生に上がると僕は「努力でなんでもできる」と言うことを証明するために

たくさん活動した。

「塾に通うこと」「生徒会を始めること」「部活の部長を務めたこと」

他者に認められることで、血筋は関係ないと言うことを証明したかった。

人とたくさん話すことができると言うことを証明したかった。


でもダメだった。結局


人は人、母は母なのである。

いまだに母は「血筋がどうこう」言うっている。


その頃の父は、大人に近づく僕たちのことを毛嫌いするようになっていた。

兄は兄でそれなりにモテる性格だったし、

僕は僕でしっかりそれなりにモテた。

子供ながらに大人からも好かれる存在になって行った。


だからこそ、母の関心も次第い僕らに集まるようになって行った。

その分父への関心は薄くなって行ったようだ。


高校に入るとそれはさらに激しくなった。

父は家族から疎外されるような形で仕事へ行き、

ぼくたちは学校へ通い、

家へ帰ると家でまったりしている僕らが家にいた。


「自分が頑張っているのに還元されない」


父はきっとそう思っていたに違いない。


だからこそ、昔に比べて夫婦喧嘩も増えたし、

つまらないことで喧嘩するようになった。


家族会話も減り、ぼくらもお雇い存在を信じることができなくなって行って、

家族誰とも話さなくなって行った。


大学に入った僕はそんな環境から逃げ出すために

兄よりも先に一人暮らしを始めた。


時々実家に帰ることもあるが、

それでもまだ僕のことを敵対視している人間がいる。


「飯はどうするんだ?」「バイトはないのか?」「来るなら連絡しろ」

「話しているのだから返事くらいしろ」

そうやって帰ってきた僕に対して不愉快な行為をすることで家から追い出そうとしている。


いつまでも変わらない人間。


毒親という家族で育ったのが僕です。


父と母の不仲。

父の僕を毛嫌いする態度。


そうやって誰かに毛嫌いされるくらいなら、

僕は生まれてこなければよかった。


行きているだけで僕は迷惑な存在なんだ。




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