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金星のウェヌス

金星のスタリオン、ウェヌス。

彼女はジャングルをさ迷っていました。


ウェヌス「どこだよここ」


背の高い木にもダークマターの群れにも囲まれて、ウェヌスは右往左往していました。

ダークマターに囲まれては、他の星の力を探知することは困難です。


ウェヌス「あーもう……他の星はどこにいるんだよ」


うまくダークマターの群れをすり抜けたウェヌス。

森を抜けた先には遺跡都市がありました。


ウェヌス「おお、めちゃくちゃ遺跡が多いな」


そこは夕陽に映える最大規模の遺跡都市。

森を突き抜けてそびえる、美しい飾り屋根が特徴的な巨大神殿が何より目立ちます。

結晶はここにもあるよ。


ウェヌス「ここは良いとこだな」


ウェヌスは楽しく気ままに散歩していましたが、やがてふらふらと移動して、赤い神殿の頂きにある祭壇へ落ち着きました。


ウェヌス「だめだ。いまいち燃えねえ」


理由は思い出せませんが、何かをきっかけに、彼女の情熱は燻ってしまったようです。


ウェヌス「よし寝るか」


それからしばらくして、ウェヌスが、くぅくぅと気持ちよく眠っているところへ騎士がやって来ました。

そして戦いのなかで、ちょっぴり情熱が再燃しました。


ウェヌス「足りねえ」


騎士「え?」


ジャングルを歩いていると、メルと休眠していたウェヌスが目を覚まして言いました。


ウェヌス「ちょいと寝たらスッキリしたのか、なーんか燃え足りないんだよ」


アレッタ「でもダークマターはいないよ」


メル「いいことです……」むにゃむにゃ


ウェヌス「起きろ!!」


メル「な、なに!?」びくっ


ウェヌス「暇なのさ、なんかしようぜ」


マルス「体のないスタリオンが何出来るって言うの」


ウェヌス「おっかけっこでもしようぜ」


マルス「断る」


メル「メルはいいよ!」


アレッタ「あ、ねえ見て」ほら


騎士「赤いアリだ!」びくっ


メル「おっきいよう……!」びくびく


マルス「よかったじゃないウェヌス。奴が追いかけ回してくれるって」


ウェヌス「飽きたからメルちゃんに譲るよ」


メル「まだ始まってもいないよ!それにやだよー!」号泣


ウェヌス「あー泣くな。あたしが何とかするからさ」


メル「本当!」


ウェヌス「あたしに任せな!」


マルス「しくじらないでね」


ウェヌス「それはこいつに言って」


騎士「がんばる!」


ウェヌス「じゃ頼んだ。で、相手は群れじゃなくて、もしかしてこいつたった一匹か」


騎士「僕としては助かるよ」


メル「メルも」


ウェヌス「ちょろいな。何アリかは分かんないけど」


アレッタ「ハリナシハチの次だからハリアリアリかしら」くびかしげ


ウェヌス「かなり適当だな。でも気に入ったからそれでいこう」


敵は巨大なハキリアリ。

しかし、それを彼らが知ることはありません。


ウェヌス「よし!ヤキハリアリアリにしてやるぜ!」


アレッタ「ハリアリアリヤキにしましょう」


メル「ハリアリヤキアリは?」


マルス「もう何でもいいから早くやっちゃいなさい!」


騎士「調子狂うな……」


騎士のハルバードがウェヌスの力でハンドキャノンへと変化しました。

敵はこちらの様子を伺っているようです。


ウェヌス「燃え果てろ!!」


一撃必殺。


ウェヌス「しゃあ!やってやったぜ!!」


ところが、ハンドキャノンから放たれた熱が派手に炸裂したせいで、あちこちに飛び火して、あちこちで火の手が上がりました。


ウェヌス「後始末は任せた」ふっ


騎士「ええ!?」


マルス「無責任ね」あきれた


メル「どうしよう!大変だよ!」あせあせ


アレッタ「任せて」


アレッタは水流を放って、さっぱり消火しました。


ウェヌス「ありがとさん、アレッタ」


アレッタ「こちらこそ、どういたしまして」


ウェヌス「じゃ寝る」


アレッタ「あら、また寝るの?」


ウェヌス「熱く燃えたあとは、次の戦いに備えて寝るに限るのさ」


そう言ってウェヌスはすやすやと眠るのでした。

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