表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

火星のマルス

ジャングルの中にある一本の亀裂に沿って作られた都市。

白い石灰岩の建造物はどれも眩いほどの煌めきがあって、どれにも彩り鮮やかな結晶が生えています。

この結晶は空より降り注いだ星の欠片で、スタリオンの輝きを増してくれる効果があります。


マルス「こんな何もないところに落ちるなんてね」


彼女は火星のスタリオン、マルス。

マルスは何気なく近くにあった遺跡へ入ってみました。


マルス「これは焦げ跡?ここは昔、激しい争いでもあったのかな」


これといって特に何もなかったので、また外へ出てみると。

ピリリとした刺激を感じました。


マルス「あら、ダークマターのお出ましね」


マルスは、燃え盛る炎にすっかり囲まれていました。

それは意思をもって襲いかかってきます。


マルス「自分は、そう簡単には捕まらないよ」


軽やかな動きで炎のうねりを避けて、空高くに避難します。


マルス「まあ燻っちゃって、ここまではさすがに届かないでしょう」


炎はしおらしく引いていきます。

それは長い亀裂に吸い込まれるように向かっていました。


マルス「本体はそこか。とにかくまずは、ここから離れてアレッタと合流しなくちゃね」


冷静に考えて、マルスはアレッタの持つ地球の力を探ります。

おおよその方角を微かに感知しました。


マルス「なっ!」


意識を戻したとき、炎が勢いよく吹き上がるのを知りました。

反応が遅れたマルスはダークマターに捕らわれてしまいます。


マルス「上等よ。最後まで抗ってやりましょう」


マルスは大きく裂けた大地に飲まれました。

しかし、決して支配されることなく最後まで抗って救出を待ちました。


メル「ねえ、怖くなかった?」


マルス「いいえ。君たちが助けに来てくれるって分かってたから」


マルスの救出後、一行は舗装された白い道を辿って森を進んでいました。


メル「マルスは怖いものがないんだね」


マルス「そんなことない。ダークマターは恐ろしい、でも、負けたくないの。そういうことよ」


メル「そっかあ。メルも負けたくはない!」


マルス「その意気よ。これから先もダークマターとの戦いは待ち受けているから、しっかりなさい」


メル「うぅ……やっぱり怖くなってきた」ぷるぷる


マルス「まったくもう、メルってば」


アレッタ「ねえ、蝶々さんがいるよ」みて


騎士「でかっ!」びくっ


メル「綺麗ですてき!」きらきら


騎士「え?」


アレッタ「うん。本当に素敵ね」


マルス「呑気なこと言っている場合じゃないでしょう。枝を滅茶苦茶に切り裂きながらこっちに来るよ」


騎士はマルスの力を借りて、重力を軽減して、太い枝にふわっと跳び乗ります。


騎士「狙いは僕か」


マルス「あの羽は鋭くて危険ね。気をつけて避けなさい」


騎士「わかった!」


騎士は他の木へ跳び移ってかわします。

橙色をした美しい敵は太い枝を一本切り落として引き返してきます。


騎士「アレッタ!」


アレッタ「平気よ」てをふりふり


マルス「あれを倒すのに集中なさい」


メル「あんなに綺麗なのに……」


マルス「ズタズタにされたいの?」


メル「それはやだよお……」しくしく


マルス「なら、諦めなさい。奴は憎い敵なの」


騎士「憎いか……」


マルス「どうしてかな。そう思うの」


そこへ敵の追撃です。


騎士「くっ!速い!」


騎士は木から木へ跳び移っては敵の追跡をかわします。

敵は次々に木を薙ぎ倒しながら滑空して、しつこく追ってきます。


マルス「こうなったら真っ向勝負よ」


騎士「それは危険じゃないかい」


マルス「見なさい。羽は体の左右についている」


マルスは冷静に敵を観察して、敵の弱点を見抜きました。


騎士「そうか。なら、体を狙えば」


マルス「ええ。正確に確実にね」


騎士は木に両足を張り付けて機会を待ちます。


マルス「今よ!」


騎士「ああ!」


超加速して敵の下を潜り抜けます。

その刹那、騎士はハルバードで見事に敵の体を両断しました。


メル「さよなら蝶々さん……」


マルス「世界を救えば、もっとたくさんの蝶々をいつでも見られる」


メル「そうだね」


マルス「だから元気出しなさい」


メル「うん!」


アレッタ「マルスは優しいね」


マルス「そんなことない」


騎士「それに頼りになる」


マルス「よして。そんなに褒められたって、自分は嬉しくないよ」


アレッタ「ごめんなさい。じゃあ、これから褒めるのやめるね」


マルス「え、いや、いいのよ別に」


アレッタ「ううん。あなたが傷つくというなら出来ない」しゅん…


マルス「傷つくなんて大げさね。そこまでは言ってないでしょう」


アレッタ「ごめんね」しょんぼり…


マルス「あーもう!褒めて!褒めてちょうだい!」


メル「ふふっ、最初から素直に喜べばいいのに」


マルス「だって……照れるじゃない」てれ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ