カム・ウイズ・ミー(t連れて行って!。)
梅雨・6月、n中田島砂丘、恋人同士の男女と男の親友のひとりを加えた3人は弱く降り出した雨の砂浜を歩いていた.
いつものようにサーフィンスポットに来るサーファー達の専用駐車場になってしまった、海原に行くのに一番近い場所に富田秀樹はレモンイエローの7人乗りの愛車を止めた。富田秀樹と二人の男女は後ろの開いた扉から、それぞれに自分のサーフボードを取り出すと黙って砂浜を歩き出した。「後、1時間だな?。」一番後方から、ぼそっと声が聞こえた。左腕の時計を見ながら二人より大分背が高い秀樹は前を歩いている二人の男女に言い放っていた。3人が一緒に働いている職場のホテルに戻るまでの制限時間を確認するという意味を含めてヒデキはぼそっと仕方がないようにいったのである3人には守らなければならない仕事上のルールというものをもっていたからである。ヒデキの右腕にはサーフボードが担がれていた。弱い雨粒だが頭と顔に少しずつ降ってきて顔を濡らす。目の前にはどんよりとした曇り空が青黒く広い海の向こうにずーっと広がっていた。男2人に女がひとりの3人のコンビはいつも一緒であった。3人は九州の福岡から、この浜松の地にやってきた同級生仲間であった。元は高校時代から続いてきた友人関係が初まりであり、友長宏之は通称⁽ヒロ!。」と呼ばれ
富田秀樹と西野有花の恋人になぜか寄り添うという形の仲間になっていた。富田秀樹とユカは高校時代からの恋人同士でヒデキと友達になったヒロはある日突然に 、俺の彼女だとヒデキからユカを紹介されたのであった。ユカを始めて見たヒロは一瞬どきんと、心のざわつきを感じるほど、
かわいい!とヒデキを羨んだ。ユカから見たヒロはああっ?こんなようなイケメンもいるな!と一瞬友達のマキを思い浮かべたがすぐに振り払った。彼女にはもったいないくらいの性格だと勝手に判断していた。とまあそんな第一印象があったくらいでふたりとも互いが好印象で友達になろうという名乗りあいをするでもなく、普通に流れる時間の中であたりまえのように自然と友人同士になっていった。