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第4話 アスカの実力

全ての敵を倒した後、ヒルダちゃんの姿が現れた。


【お~。たおせた~?だいたいこんなかんじ~。じゃあ~。これからがんばってね~。ばいば~い。】


と言った後、ヒルダちゃんの姿は消え、画面もさっきの『チュートリアル』の部屋に戻った。そして、目を伏せながらため息を吐くノキアの姿も出てきた。ってなんでそんな顔してんだよ。敵は全て倒しただろうが。


【敵を倒すのは当然としてだ、私が見たかったのは、その敵を倒す戦い方だ。なんだあの戦い方は。力任せに敵に突っ込み、被害を受けようが構わず攻撃を仕掛ける。あんな野蛮な戦法があるか。】


と怒りを露わにしながら静かに説教を始めてきた。


「な、なんだよ。そもそも戦法とか言われても、初めて動かすんだからゴリ押しくらいしか手がないだろ…」


そんな俺の発言に


【甘い!今回は初陣ということもあり、初めの1体は力任せでも致し方なかった!だが2体目以降も同じ戦い方をするとは何事だ!スキルを使うなり、敵の行動パターンを見極めるなり、いくらでも手はあったはずだ!】


うぉ、怖ぇ。スフィアが震えるくらいの声で怒鳴ってやがる。…そりゃ確かにノキアの言う通り、スキルを使ったりといろいろ手はあったかもしれないけどさ…


「そんなに怒鳴り散らさなくてもいいだろ…。負けても何かあるわけじゃないし…」


【…貴様、付属の紙は読んでいないのか?】


付属の紙?説明書のことか?というか、ナチュラルに貴様呼ばわりされてるし…


「何言ってんだよ。俺は説明書を読んでからゲームをするタイプだぜ?まぁ詳しい説明は書いてなかったけどさ。」


【…そうか。わかった。ならば何も言うまい。】


…なんだよそのテンション。まるでこっちが悪いみたいじゃないか。…そりゃ確かにノキアの期待通りにはできなかったけどさ、まだまだゲームは始まったばかりだし、こっから学んでいけばいいだろ?ほら、よく言うじゃないか。敵を知り、己を知れば、負けても取り返せるって。たしか意味は、一度負けても、そのあとの敵の戦い方を知っていれば、逆転のチャンスがある。だったか?…やべっ、俺頭いい!


※正しいことわざは『彼を知り己を知れば百戦殆うからず。』敵も味方もしっかり情報を握っておけば、幾度戦っても負けることはないという意味である。


「あっ、そういやさ。結局俺はノキアの主ってことでいい…」


【今後私は自分の意志で動く。私が命令したらスキルを使え。スキルの設定も、私の指示通りにしてもらう。】


「んなっ!なんでだよ!」


【貴様は私の期待に答えられなかった。愚策しか出せない軍師に、兵が従うと思うか?】


ぐぬぬ。勝手に好き勝手言いやがって。ゴリ押しだって立派な戦略だろうに…


【さて。貴様の力もわかったことだし、本題に入ろう。私の目的についてだ。】


なんだよ。たった1回で俺の力を決めやがって…。もっとチャンスがあれば俺だって…って、本題?目的?


「なんだよ、それ。」


【戦いは今後私が行う。では、貴様にできることは何だと思う?】


質問を質問で返しやがって…。俺にできることだって?そんなの決まってる。


「このゲームのストーリーを進めて、最強のスティプレに…」


【オリジン探しだ。】


まだ最後まで言ってないのに…。というか、オリジン探し?


「なんだよ。ノキアの仲間でも探せってか?」


【ある意味間違ってはいないな。そう、貴様には、私のような()()()()()()()()()()()()()()()()を探してもらいたい。】


おっ、あってた。というか、ノキアみたいなオリジンを使ってるやつを探せだって?んなのどうやって探せばいいんだよ…他人のスティアを覗けってか?


「あっ、そうか。ゼクトだ。」


俺にしては珍しくファインプレイ。いや別に珍しくないか。よくあるよくある。


【ふむ。貴様は馬鹿だが、愚かではないということか。】


いちいち棘のある言い方しやがって…。


「っていうかそれって、オリジンが見つかるまで俺にゼクトを使って対戦しろってことだよな?まだ俺チュートリアルしかプレイしてないんだけど…」


【操作やスキル指示は私がすると言っただろう。貴様はゼクトを使って、私をオリジンと戦わせればいい。】


それって、俺にゼクトまでの足になれってことだよな?なんか納得いかないけど…


「つーかさ、そもそもの話だけど、ノキアって強いの?あっ、腕力じゃないよ?」


このゲームにステータスは関係ないからね。知力の高さが、勝利への鍵となるのだ。


【そんなことは分かっている。私は騎士団の隊長というプログラムで出来ている。騎士団を率いるには腕力だけではなく、部隊を動かす聡明さも必要だ。ただゴリ押すしか能のない貴様とは違う。】


こ、こいつぅー。偉そうなこと言いやがって。…まぁ格好からして騎士っぽいのは分かってたけどさ。そっか。騎士団長だったのか。まぁそれはそれとしてだ。


「だいたい、なんで俺が別のオリジンと戦わなきゃいけないんだよ。納得のいく説明をくれよ。」


そう。そこらへんをちゃんと説明してほしかった。俺の代わりにノキアが戦う。そりゃまぁちょっとは納得いかなかったけど、俺より強く戦えるなら、まぁいいかなって。他人にはわからないと思うし。いやでもオリジン使ってる人なら分かるのか?


【戦うのは貴様ではなく私だ。…まぁいい。貴様にも関係のある話だからな。】


…まぁ、そりゃそうだろうけどさ。いちいち細かいなぁ。というか、俺にも関係のある?え?俺何かしたっけ?


【すこし長くなるかもしれないが、心して聞いておけ。】


そう言って、ノキアは俺に話してくれた。ノキアがオリジンを探す理由。そして、戦いの先になにがあるかを…

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