秘技・ロー○姫ループ だってよ
今流行りという異世界転生ものを始めました!
更に今話題というVRゲーム・・・は止めて、ARゲームを題材にしました!
初作品です!よろしくおねがいします!!
「──今、なんと?」
王様は鳩が豆鉄砲を喰らったような表情をしている。
そんな顔をされると流石に心が痛むな。
でもしょうがないだろう、今のオレは年少組2名を引率する立場なんだから。
「いやぁ・・・そろそろ遅いし、もう切り上げて寝ようかなーっと思ってた所なんスよ」
「──という訳で、帰り道教えて貰っていいっスかね?」
フヒヒ、と下っ端っぽく笑いつつ出口を尋ねるオレ。
背後から呆れたようなため息が聞こえた(恐らく妹)が、あえて無視。
自分はともかく女児2名はあんま夜更かしさせるワケにゃ行かないしな。
「そんな、ひどい」
青い瞳をうるませ、涙ながらに落胆してみせる王様。
酷くてもいいから今は帰らせてほしい。
「・・・どうやら意志は固いご様子。ですが我々も決して引けぬのです、勇者様方」
「あえて今一度お願い申し上げます──どうか!!」
王様は「どうか!!」で再び、がっしと両手をホールドしてきた。
だから近いって!
目の前にはハリウッドスター顔負けのイケ中年が、興奮に頬を紅潮させつつ、息を荒げ眼をカッと見開いてはらはらと涙を流している。
「勇者様!悪しき魔王を打ち倒し、どうか我が王国を救ってくだされ!!」
顔に容赦なくかかる唾に顔をしかめていると、ピコーン、と間の抜けた音が聞こえた。
同時に、右手方向に半透明の窓が開く。
《グランドクエスト:伝説のはじまり を受諾しますか? はい / いいえ》
【アンダーグラウンド】でも使われていた立体投影ダイアログ──って、それはもういいよ!二度目だろ!
オレはすかさず【いいえ】をタップすると、ひょいん、と間抜けな音でダイアログが閉じた。
王様の両目からぶわっと滝のような涙が流れ落ちる。
「そんな、ひどい」
青い瞳をうるませ、涙ながらに落胆してみせる王様。
いやこれさっきも見たぞ!?
猛烈に嫌な予感がする。
「・・・どうやら意志は固いご様子。ですが我々も決して引けぬのです、勇者様方」
「あえて今一度お願い申し上げます──どうか!!」
王様は「どうか!!」で再び、がっしと両手をホールドしてきた。
コレOKしないと永遠に続くやつだ!
戦慄するオレをよそに、王様は大量に唾と涙を飛ばしながらオレに詰め寄ってきた。
近い!息が生暖かい!
「勇者様!悪しき魔王を打ち倒し、どうか我が王国を救ってくだされ!!」
半透明の窓が開く。 ピコーン
《グランドクエスト:伝説のはじまり を受諾しますか? はい / いいえ》
「か・・・」
しん、と静まりかえった宮殿内に、緊張でしわがれたオレの声が響く。
「帰り道が見つかるまでの間でいいなら・・・」
どうでしたか?
選択させているようでさせていないのは卑怯ですよね。おのれア○ゼロット!!
次回も読んでください!!




