オレ的異世界はじめ だってよ
今流行りという異世界転生ものを始めました!
更に今話題というVRゲーム・・・は止めて、ARゲームを題材にしました!
初作品です!よろしくおねがいします!!
──扉を開けたら、そこは異世界でした。
オレの名前は【洞月桐緒】。
市内の私立高校に通う高校2年生──だった。
だった、と過去形なのは、たった今。
平凡な高校生から異世界勇者へと晴れてジョブチェンジを果たしたからだ。
状況を説明しよう。
オレの眼前には、磨き抜かれた化粧石で覆われた、白亜の宮殿が広がっている。
燭台や戸棚といった、調度品はステンドグラスから差し込む陽光を受けて落ち着いた輝きを放っている。
床を覆うのは毛足の長いふかふかの絨毯で、毛玉ひとつないその表面から平素から掃除が行き届いていることをうかがわせる。
壁には2m程の肖像画が掛けられており、額縁の中からは往年のハリウッド俳優を彷彿とさせる、ロマンスグレーのイケ外人が青い瞳で見つめていた。
一言で表するならば、バー○ンガム宮殿か、はたまたア○アハン城の内部か、といった感じ。
稚拙な表現で済まないが、ともかく中世ヨーロッパの面影を感じさせるハイソでロイヤルな建物内部に、なぜかオレ達は居た。
そして、目の前には肖像画のモデルとおぼしきイケ中年が、錫杖を片手に静かにこちらを伺っている。
その両側に控えるのは黒光りする甲冑を着込んだ近衛兵らしき一団で、華美な装飾のなされた斧槍を掲げ、一列に整列したまま微動だにしない。
一言で表す・・・も何も無く、どう見ても王様とその家臣一団であった。
その推定・王様の後ろに控えるのは、金髪碧眼の目もくらむような美少女。
ゆったりとした、それでいて上品なドレスに包まれた肢体は、ほっそりとしているが女性的な丸みを帯びており、特に腰から太腿にかけてのラインは芸術的だ。
掘りの深いうりざね型の貌は遠慮がちにこちらを見つめており、それを意識すると心拍数が上昇するのを感じざるをえない。
どう見ても深窓の令嬢・・・いやお姫様であった。
そんな一団が、どう見ても王宮の一室とおぼしき場所にて、数mの距離をはさんでオレ達と対峙している。
なぜこんな事になったのかと言うと──
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オレこと洞月桐緒、従妹の【高階直里】、ついでに妹の【洞月愛実】。
この3人はとあるフリーの拡張現実オンラインゲームを一緒に遊んでいた折に、ひょんなことからダンジョン内部に隠し扉を発見した。
宝の部屋か、はたまたモンスターハウスか・・・と意気揚々と踏み込んだ先が、ここ。
何の前触れもなく、全員が見たこともない場所に転移していたのだ。
そして、なにやら歓待ムードの一団を割って現れた推定・王様が、オレ達を指してこう言い放ったのだ。
「よくぞ我等が喚びかけに応えてくださった、勇者よ!今こそ我が【ファルシティ王国】を狙う悪しき魔王を打ち倒し、世界を救ってくだされ!!」
どうでしたか?
王様、出てきましたね。そしてお姫様!これからどうなるんでしょう!!
次回も読んでください!!