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なんの変哲もなく異・世界転生(旧題:異・世界転生)  作者: @FRON
第一章:オレ、幼女2名と異世界の地に立つ
2/16

情けないとは随分だよな だってよ


今流行りという異世界転生ものを始めました!

更に今話題というVRゲーム・・・は止めて、ARゲームを題材にしました!

初作品です!よろしくおねがいします!!

 





 おお、ゆうしゃよ しんでしまうとはなさけない!!






 オレ達の毎日がゲームになってから、これでもう何度目になるだろうか。

【混沌の塔】11Fに存在する、差し渡し30m程のホール・・・通称『死に戻り広場(リスポーンポイント)』。

 意識が覚醒した時、そこにオレはひり出されていた。


 自分が『死んだ』ことを自覚した後、まず最初にくまなく全身のチェックを始める。手足、服装と装備、体をひねって屈伸体操。問題なし。

 試しに歌ってみたが問題なく声も出る。丁度狩りに出るところだったらしき2人連れがギョッとした表情でこちらを見ていたが、すぐ興味を失ったのか行ってしまった。

 死に戻り早々に恥を曝した気もするが、現状確認は大切だ。過去は振り返らずこの記憶は早い所忘れることとしよう。



「勇者様、如何なさいましたかな?」



 そんなオレに声を掛けたのは、40代後半くらいの中年紳士だ。濃紺の燕尾服をビシッと着こなしており、姿勢には一遍のブレもない。

 オールバックに整えられたロマンスグレーの髪、口元には豊かなヒゲが蓄えられており、理知的な瞳は優しい光を湛えこちらを見つめている。

 文句の付けようがない程に執事だが、問題はこいつがこの国──【ファルシティ王国】の国王という事だろうか。


 もっとも、彼は国王『ルイ10014世』であってそうではない。この世界に無数に存在するお助けNPCの一体だ。

 と言うより、この世界のお助けNPCには原則このタイプしか居ない。国王も武器屋の店主も宿屋のオヤジも、食堂のおばちゃんに至るまで全てこいつ(ルイ)だ。

 無駄の削減か何か知らないが、この世界の創造主に会う機会があれば文句の一つも垂れてやりたいところである。



「いや、ちょっと死んだだけだから気にしないでくれ」


「さようでございましたか、ご愁傷でございます──おや、勇者様。どうやらレベルが上がられた様子でございます」


「えっ、マジ?」



 言われてステータスを開くと、半透明の投影ディスプレイにオレのステータスが表示される。



 名前:洞月桐緒(ホラヅキキリオ) 年齢::17 性別:男 EXP:1036 レベル3

 ギフト:敏捷10%上昇 スタミナ50%上昇 ジャンプ力20%上昇

 特異能力:瞬間移動(テレポート)(ランク5 ・ 56/100)


 装備中のアバター:

 冒険者セットCスワッシュバックラー(ライトレザーメイル/レザーブーツ/ハンティングキャップ/コンポジットバックラー)/ブッチャーナイフ



 表示を目で追っていくと、確かにレベルが3に上がっていた。

 レベル表示の前にあるのがEXPで、これが1000を突破したからレベルアップしたようだ。やられて戻ってきただけじゃないかと思うかも知れないが、そこはこの世界の独自性と言うべきか。


 まず、この世界の勇者は死なない。

 正確に言うなら、死んでも死体も残らずリスポーンする、ゾンビアタックし放題だ。オレを含めた勇者様諸君の間では、このクソゲーを攻略するには死に覚えが基本というのが定論となっている。


 そして、この世界では敵を倒してもEXPが上がらない。

 じゃあどうするのかと言うと、死ぬのだ。死ぬとEXPが上がり、一定値を超えるとレベルアップする。レベルアップするとランダムで【ギフト】が付与される。

 ステータス表示のレベルの後にあるのが【ギフト】だ。内容はステータスの増強に始まり、空中飛行や短時間のドーピング等、些細なものから強力なものまで千差万別で、ここで当たりを引くかどうかが攻略難易度に大いに関わってくる。


 ちなみに死亡1回につき基本の上昇量が100EXPで、これに加え【アバター】を設定する毎にEXPが微量に上昇。

 更に設定中の【アバター】次第では1死毎の上昇EXPにボーナスが付くので、ボーナスの多い【アバター】で死にまくり、いい【ギフト】をゲットして攻略を進める、というのが定番パターンとなっている。

 ノーミスクリアを目指す連中も居るが、初回死亡まではレベルが0固定なのでほとんどマゾゲーであり、大抵は途中で挫折するようだ。


 今回のレベルアップで獲得したのは『ジャンプ力20%上昇』、効果としては中の中といった所だろうか。

 オレの戦闘スタイルはヒット&アウェイでちょこまかと立ち回るものなので、合致しているとも言える。

 まあ、少なくともハズレでは無いだろう。



「・・・レベル3に上がってたわ、貰えたギフトもそれなりだな」


「それは良うございました。・・・おや、お連れ様がお越しのようです」



 イケメン執事の言葉に目を向けると、こちらに手を振りながら走ってくる少女が二人。先程オレが穴に落ちる際、聞こえた声の主だ。

 その姿を眺めながら、オレはこの世界に来るハメになったきっかけの出来事を思い返していた──




どうでしたか?

生き返りましたね! ささやき えいしょう いのり ねんじろ!!

次回も読んでください!!

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