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なんの変哲もなく異・世界転生(旧題:異・世界転生)  作者: @FRON
第一章:オレ、幼女2名と異世界の地に立つ
11/16

異世界ダンジョン事情 だってよ

今流行りという異世界転生ものを始めました!

更に今話題というVRゲーム・・・は止めて、ARゲームを題材にしました!

初作品です!よろしくおねがいします!!


 




┳┯━━━━━━┳┯┳━━━━━━━━━━━━━━━━

   第二層-12階      混沌の森 - chaotic Forest

┷┻━━━━━━┷┻━

>Now loading....






 ──【混沌の塔】第二層。

 ここは初心者とそれ以上を分ける分水嶺だと言われている。


 比較対象となる第一層、【尖塔の遺跡】はその名が示す通りの屋内型ダンジョンで、目の前の敵を相手にしていれば壊滅するような事はまず無い。(追撃されればその限りではないが)

 それに対する第二層では・・・樹上や空中からの三次元的な襲撃に対処する実力が求められること、これがまず一つ。

 次に単純に敵の強さが跳ね上がること、そして「数の暴力」に初めて曝されること。


 これらが原因で、第二層の探索を断念せざるを得ない者が少なからず存在するからだ。


 安全マージンをより多くとるのであれば、第一層を狩場にすることも考えていた。しかしあそこは第二層を断念した連中により常に過密状態だ。

 年少組二名を預かる身としては、彼女達を危険に晒す真似は控えたいのは山々である。──が、背に腹は代えられない。

 日銭を稼ぐため、オレ達が最終的に落ち着いたのはここ、【混沌の森】だったというだけの話だ。



【混沌の森】。塔の11階-20階に存在する屋外型ダンジョン。

 高度500mを超える全階層総てが鬱蒼と茂る森林で構成されており、その各階にははっきりとした境目が存在しない。

 明確な『床』と呼べるものは11階にしか存在せず、それ以外は全て途方もなく巨大な樹──通称・【世界樹】──が縦に貫いているのだ。


 通行可能な場所はほぼ全て【世界樹】の幹や枝、落ち葉や枯れ枝に堆積した土の上等で、出現するモンスターも昆虫や鳥獣の類がその大半を占める。

 その数と強さもさることながら、地形的な面も探索の困難さに拍車をかける要因となっている。

 常に不安定な地形で襲撃の危険に晒される上、足場の隙間が天然の落とし穴──【ピット】となり不運な犠牲者を飲み込んでいるのだ。


 万一ピットへ落ちた場合、場所によってはそのまま地面へ向け数十~数百mの距離を墜落する事もありうる。

 そうなれば結果はお察しの通り、潰れたトマトのできあがり。

 命綱やピットを示す目印はこの階を探索する者の必需品となっていた。


 一方、堆積土のフィールドが無い場所は縦方向に開けた吹き抜けとなっており、鳥や羽虫等の飛行モンスター共のテリトリーとなっている。

 上の階へ進む程その割合は増す傾向にあり、上空から飛来する魔物たちは探索者をおおいに悩ませていた。

 射撃武器や【魔法】による反撃も可能ではあるが、戦いとは基本、制空権を取った方が有利なものである。


 現状、空中戦で目立った戦果を上げる者は確認されておらず、飛行モンスターには手を出さないのが異世界勇者のセオリーとなっていた。

 ただし──

 何事にも例外というものは存在する。



「やぁっ!【念動剣(サイ・ブレード)】──!!」

「ピィーーーッ!?」



旋風隼(ツイストファルコン)】──第二階層に生息する飛行型MOB──が不可視の刃に両断され、きりもみ回転しながら落下する。

 その先で待ち構えていたオレは、すかさず愛用のナイフをひらめかせた。皮と肉を断ち切る感触を両手に残し、しばらく翼をばたつかせたモンスターはようやく動きを止める。

 一仕事終えたとばかりに額に浮かんだ汗をぬぐうオレに、()()から聞きなれた声が降ってきた。



「──お兄さん、大丈夫でしたか?」



 視線を上げると、そこには青を基調としたジャージに身を包んだ少女の姿があった。

 はにかんだような笑顔を浮かべる我が従妹の背中には、特撮のワイヤーも翼も見当たらない。正真正銘、種も仕掛けも無い人体空中浮遊なのである。


 直里はいわゆる『超能力者(エスパー)』だ。

 尤も、オレも【跳躍(ジャンプ)】なんて異能を持っている。そのせいで自分が特別な存在だと勘違いし調子に乗ってた時期もあったが──

 閑話休題、その話題は蛇足になるのでまたの機会に。


 ともあれ、彼女が持つのは【サイコキネシス(PK)】・・・いわゆる念力、手を触れず物体を動かす力だ。おおよそ1t程度までならどんな物体でも自在に動かせるらしい。

 さらに応用として、【空中浮遊(レビテーション)】による3次元高速機動。凝集させ半物質化した念力による不可視のブレードや盾。【念力球(サイ・スフィア)】による射撃──と、SF映画のサイキック・ソルジャー顔負けの戦いっぷりを見せてくれる。

 ユ○・ゲラーでもせいぜいスプーンを曲げる程度だから、正しく破格(チート)の能力と言っていいだろう。


 オレ達が3人だけでパーティを続けている理由もそこにある。はっきり言って彼女の能力は強すぎるのだ。

 二階層のモンスター相手に無双できる彼女の能力が知られれば、ダンジョン攻略に血道を上げる前線攻略組の眼に止まるのは必至だろう。

 人見知りの彼女としてそれは本意では無く、オレ達はこうして狩りをするにも人目を忍ぶ必要がある訳だ。


 そんなワケで、今日もオレ達はこっそりとモンスターを狩るのである。

 ・・・まあ、超強い従妹様のお蔭で敵はほぼ瞬殺なんだけどね。

 あれ?ひょっとしてオレって、年下に食わせて貰ってるヒモ男同然なんじゃ──



「・・・お兄さん?どうかしたんですか・・・?」

「・・・ふおっ!?」



 気づくと、心配そうな直里が上目づかいにのぞき込んでいた。どうやら少しの間考え込んでしまったらしい。

 彼女はこの世界での数少ない、心強い味方だ。あまり心労を掛けさせないようにしなければ。そういう訳で悩むのは後にしよう。

 これは現実から目を背けている訳ではない、ないったらない。



「いやーアハハハハハ、何でもない何でもない。ちょっと哲学的な問題にぶち当たっただけだから、気にしなくてもダイジョーブ」

「はあ・・・?」

「どうだか。バカ兄のことだから、まーたエロい事でも妄想してたに決まってるし!」



 空笑いでごまかそうとするオレに、じとっとした視線を送る我が妹。失敬な、そんな事はたまにしかしてないぞ。

 がるる、と唸りながらにらみ合いを始めるオレ達に、苦笑を浮かべつつ仲裁に入る直里。ダンジョンの中でもオレ達は平常運転だった。

 しばしの間いつも通りのやり取りを続けた後、再びオレ達は次なる獲物を求め、鬱蒼と茂る森をかき分け移動を開始するのであった。




どうでしたか?

ついに主人公達の『秘密』の一端が明かされましたね。直里さんの強さは『超度5』くらいを想定して作っています。

次回も読んでください!!

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