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七夕の夜に  作者: ささ
11/14

夢見るのは

言葉を一部変更しました。

キラキラとした夢見る少年の様な目の輝きを見せる神官たちを横目に私はエメスとカルロから、様々なことを教えられていた。

驚いたのは説明を終えたエメスから謝られたことだった。何故、エメスに謝られなければならないのかと考えたが管理者責任らしい。


(そんなこと言われても、ねぇ。終わったことだし、犬に噛まれたと思って忘れる。犬に噛まれたら、えらいこっちゃと忘れられない気がする。暴行は受けたけど途中から痛くなかったし、覚えてないしねぇ。考えると許せないことだけど、感情面だと何にもないんだよね。こんなにされると落ち着かないや)


「ありがとうございます。もう終わったことですし、いいです」

「いいわけあるかっ。二度とこんなことがないよう、守る。なにものからでも守ると誓おう」


(おっつ、大事になりおったっ)


「いや、そんなお気になさらずー」

「遠慮なく守られてください」


カルロに追撃された。その目はガラス玉のようで感情が私には読み取れなかった。


「いいですね」


そのガラス玉に見つめられ私は引きつりながら右口角を上げて了承の意を示した。


(あの目ダメだ。胃がキリキリさせられる)


その後はエメスとカルロの誘導で部屋まで戻った。神官たちはあの場に置いてきた。叶え星は私についてきている。私は部屋でまったりしてメイドさんにお茶を入れられ飲んでいる。


(星は目立つよなぁ。色が消えたり小さく見えなくなったり一つの塊になったり、私にしか見えなくなったりしないかなぁ。目立つと危険な気がするんだよね。願いを色々してサクッと消したほうがいいのか、自分の身を守るために残したほうがいいのか。悩むわな)


「今夜はこちらでお休みください」


そう言いぼんやりしていた私を置いてメイドさんが退出していった。

テーブルの乗ったベルを眺める。


(……夢はいつ醒めるのかな)





エメスとカルロは興奮した様子の神官たちをどうにか落ち着かせ、会議室に移動させた。

そこには女の行動を見た者達の他に王都から派遣された貴族達も参加していた。


集めた情報と見たことを王にも報告するため書記官が書き連ねていく。


「その者は危険なのではないか、叶え星を持っているのだろう?捉えて尋問を行い、叶え星を取り上げねばならないだろう」

「その者を連れてこい」

「外交の問題もある。彼の国の者ではあるまいな?」


神官たちは貴族の言葉に不快感を表した。それはエメスも同様であったが表情に出すことなく、机の下で拳を握り締めるのに止めた。


(目覚めてからの行動を聞いてその判断か。叶え星を天ノ川に返そうとした馬鹿だぞ。御使いと神殿が判定を下したというのに……こいつらは害だな)


会議は貴族達が神殿神官達、護衛部に対しての非難が続いた。儀式が完了していないこと、護衛部の不手際、不審者と叶え星を奪われたこと。それらをねちねちと執拗に挙げ連ねていった。


信仰心のない者達が神の力を信じない者達が、神の言葉を用いて神官たち、護衛部の者達、また彼らが守りたい御使いの女について責め立てていた。


その裏には自分の利にしたいという欲望が見て取れる。それらを打ち倒せる言葉を持たないことにエメスは強く悔しさを感じた。

ざかざか進みたいです。


お読みいただきありがとうございます。

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