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七夕の夜に  作者: ささ
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流されて天の川

七夕。季節物を書きたかったのに何故このようになったのかしら。

七夕。

しちがつなのか。


織姫と彦星が晴れていたなら天の川を越えて会える一年に一度の日だっけ。


つか、恋にうつつを抜かして働かなかったから別れさせられたんだろ。

年一回しか会えないのは残念だろうね。

一日千秋ってやつかねぇぃ。


ぷ、365日ひく七夕一日かける千の秋ってとんでもないな。耐えられんじゃろうて。



でも働かんのはいかんだろ。

遊んで暮らせるならいいんだけどな。そんなん無理だしな。できる身分のやつは羨ましくて呪うよね。


はぁ。

天の川かぁ。

毎年思うんだけど、雨だろうが曇りだろうが、雲の上は晴れてるんじゃないっけ。

地球のオゾン層辺りから見上げた空の天の川はキラキラ輝いて二人が会うことはできているんだろうな、と思う。


まぁ、どんな内容だったか覚えてないから雑に考えてみるけどさ。

恋は盲目、あばたもえくぼ。二人で世界を作ってしまったら目は醒めにくいだろうなぁ。




はぁ、いい加減に目の前のことを考えようか。

いちゃつきすぎじゃねぇの。

織姫さんに彦星さんよぉ〜。


私は目の前で乳繰り合っている、想像力の低い私の頭の中に描かれたそれに見えるそれらを半眼で見つめるのだった。




絵本で見るような星空が足下に広がっている。足が沈まないのが不思議だ。足首辺りをさらりさらりと星屑が流れていく。水、川かな。イメージは天の川だ。


近くに牛は見られないし、船らしきものもない。いるのは人らしき二つが一つになっているアレだ。


第三者がいても行為を続けるとは、爆発したらいいんじゃねぇかな。つか、してほしいよね、心情的に。

肉片が弾け飛ぶのは望まないんで違う感じでよろしく。




キラキラ綺麗だなー。掴めないかなー。


足首に感じるのはさらさらと星の流れ。淡く優しく光る星の形。ひとでじゃないだろうな、ひとでだったら何だか曖昧な気持ちになるぞオイ。


体が固いので前屈しても足下に手は届かない。しゃがもうとしたけど、出来ない。何故だ。下半身が動かない。固定されてる感じがする。

だれだっ、こんな悪戯したやつはっ。


足が動かせないということは、目の前のイチャコラから離れられない訳で。また、今は感じていない排泄欲求が出現した際にはいかが致したものか。



大問題じゃねっ。



漏らしたくはないので醒めてくれないかな、夢。


また一つ、眼下で星が光ってる。何個か光を増して流れていく星を見送った。

何が違うんだろう。光が増すのとそのままなのと。タイミングかな。わからん。


目の前のアレらはこちらを無視して継続中で、私はどうしたらいいんだか困っていた。

そんな私に更に困ることが迫る。


右を向けば、波が迫っていた。私を軽く飲み込むことができる高さは私三人分、もちもん縦に。波の中に陰影が見えた。

ピンク色の、イルカ。とそれに乗る影。

イルカの乗った少年、みちるかトリトンか。世の中のピンクイルカはグレーなイメージでしたが、淡いピンクはかわいいね。


迫り来る波とイルカ、すぐに私は飲み込まれた。




ぐわんぐわんする。あぁ、すんげー揺らされるのな。あ、ダメ、出ちゃうっ。とか思ってみる。でも出ないから考えてみただけ。波でもみくちゃの割には吐き気は出ないんだなぁ。目をつむっているのは怖いけど、開けてみるのも怖かったりする。


体に何かが当たり温かい気配を感じて目を開けた。

広がる視界にキラキラとした光と人影。力強く水を蹴る足。いやヒレ、か。ピンクのイルカとそれに乗る男たち。武装してるようだ。防御力そこそこ、軽さや動きやすさ重視なやつだ。きっと。

私に武器防具の知識はないぞ。ゲームでは見た目より数字で選んでたからな。もしくはお任せ設定だったからな。

値段が高いのを選んでおけば大丈夫なゲームだったなぁ。

今思えば、ちゃんと考えておけばよかったね。ゲーム終盤でお金が足りなかったよ。そして、買った装備品がドロップしまくった時の虚脱感。売っても二束三文。泣けたよね。



夢の中でも現実逃避って変だよなぁ。

本当に変な夢だ。


そう、私はそんなことばかり考えていた。

私はイルカに乗っていた兵士ぽい人たちに両手足を縛られて連行されている。ワケワカラン状況、若干、いや結構な恐怖を感じている。それを誤魔化すにはアホなことを考えればいいんだ。そうだよね。

お読みいただきありがとうございます。

熱が冷めぬように。

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