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少女とクマの手紙交換

作者: るか

森のクマさんを見たのは4年前。私が9歳の時。


その時の記憶はしっかりある。あれは夢じゃなかった。


その日、家に帰えったらお母さんと近くの公園に行く約束をしていた私は学校から走って家に帰った。


「千恵おかえりー。」


「ただいまお母さん!約束覚えてる?」


私はランドセルを置いてお母さんの所に向かった。


「もちろん。お母さん夕飯の支度終わったら行くから先に行ってて。」


「はーい!はやく来てね。」


笑顔で家を出て公園に向かった私は途中で松ぼっくりを見つけた。


「拾いながら行こっと。」


私はそう言って道に落ちてる松ぼっくりを拾いながら歩いた。


十分後。私は気づくと森の入り口に来ていた。


その森は幼稚園の頃皆で散歩した懐かしい場所だった。


松ぼっくりはそこに続いている。私はそのまま森に入った。


「わぁー。」


森の中はどこも緑で、葉と葉の隙間から眩しい光が差し込んでいた。


カサカサ。


どこからか歩く音が聞こえる。


カサカサ。


足音は遠ざかっていく。しかし、1度聞いたなら正体を知りたい。


私は松ぼっくりを花柄のポーチに入れて足音がした方向へ歩き始めた。


しばらく歩くとちょっとした広場に出た。


私は草むらから顔を出してのぞいた。


そこには相撲をとっている動物の子供がたくさんいた。


クマ、リス、モグラ、鳥、トラ、ライオン等の様々な種類の動物だ。


すると私に気がついたのか、観戦していたクマの子が話しかけてきた。


「こんにちは。僕はクマのクータだよ。君は?」


「私は千恵だよ。」


クータに自己紹介すると、一緒に相撲を見ようと誘われた。


私は戸惑ったものの観戦している動物と一緒に見ることにした。


相撲は力の差によってハンデがあって、皆平等で楽しんでいた。


「千恵ちゃん。僕と相撲をしようよ。」


クータが言った。


「うん!いいよ!」


私はすっかり馴染んでいてすぐにOKした。


「両者頑張って!よーい。のこった!」


審判らしき動物の掛け声でクータと私はぶつかった。


「頑張って千恵ちゃーん!」「クータも頑張れー!」


皆の声援を聞きながら私はクータを押した。


「うー。」「ぐぐぐー。」


私とクータは踏ん張ったり押したりで3分戦った。


結果は私の勝ちだ。クータが疲れていたところを最後の力を振り絞って押した。


「くっそー。負けちゃったー。」


悔しそうにするクータをライオンやトラが慰める。


私は鳥やリスにおめでとうを言われた。


そんなこんなで相撲大会が終わるまで私はいた。


「ふー。楽しかった。千恵ちゃんどうだった?」


ニッコリ笑ってクータが聞いてきた。


「とーっても楽しかったよ!」


私は答えた。


「そっかー!良かったー。今度会ったらまた相撲しようね。次は負けないぞ。」


「じゃあ、手紙の交換しようよ!私の家と貴方の家で。」


そうしてクータと私は手紙のやり取りをすることになった。


公園に行くと森に入った時と同じ太陽の位置だった。


そしてお母さんがくるとその出来事を話した。


「そう。楽しかったのね。帰りに可愛い模様のお手紙買って帰ろうか。」


「うん。私花柄のにするー!」


それから今も手紙の交換は続いています。


でも、クータや他の皆は田舎の森に引っ越してしまって、手紙が届くのが以前より時間がかかってしまいます。


しかし、私たちはずっと友達なんです。だって相撲の約束してるし。

読んでくださってありがとうございます。

今回はファンタジーを書いてみました(^^)

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