生徒会撲滅委員会を執行する!
今回の標的は生徒会役員の会計。
この間、潰したばかりなのだが…どうやら新米が加わったらしい。これから緩い副会長と向かうところだ。
「書記ちゃん、俺の調査によると今回の会計、相当調子乗ってるらしい」
「解っています」
だから私達が動いているのです。
生徒会を撲滅させる為に。
私達、生徒会撲滅委員会はその名の通り、生徒会を撲滅させる為に結成された裏で動く組織。役員わずか、三名。正確に言えば、生徒会に所属している、『リア充』を撲滅させるといった方が正しい。会長は人一倍、リア充が認められない、認めたくないのだ。
「書記ちゃん、ターゲット発見!噂通り金の取引してる」
「容赦はしない」
腰に入っている煙玉を二つ取り出す。
「あ!俺にやらせて!」
「構いませんが、失敗はしないでください」
「わかってるって!」
副会長が勢いよく投げた煙玉が目前の支柱にぶつかり、此方側が煙だらけになってしまった。
「だから失敗するな、と言ったのに」
「ごめん、ごめん」
「誰?!」
…気付かれてしまったか。なら行くしかない。
「どうも。生徒会の新米さん」
「誰、なの…?!」
「それでは、生徒会撲滅委員会を執行します」
今度は腰から銃を出す。
「そんな物騒な物、私に向けないでくれる?!」
声が震えている。いい気味だ。
「大人しく生徒会から消えてください」
「な、なに言ってんのよ…いやよ!」
「なら、撃ちます」
「そんなんで脅したつもり?!」
「もう一度言います。大人しく生徒会から消えてください」
「否、地球から消えてください」
薄暗い放課後の校舎に銃声が響く。
「あ~らら。ほんとに殺るなんて…」
「心配には及ばない。暴徒鎮圧が目的として作られたゴム製の散弾銃。所謂、ショットガンだ」
「いやいや、悶絶してますけど?」
「気にするな」
「それよりとどめの一言、言い終わってからの微笑…あれいつ見ても怖いよね~」
「私は任務を遂行しているに過ぎません」
まだ任務は終わっていない。
次の日から生徒会の会計を見かけた者はいないらしい。任務完了だ。
「会長、会計を潰してきました」
「そうか」
軽く会釈をして、部屋を出る。
私達、委員会は、本当に殺るわけじゃなく、精神的な苦痛を与える。こうやって生徒会の役員を一つずつ潰していく。私も潰されたから此処に居る。
生徒会撲滅委員会は、我々からの意思だけじゃなく、皆の意思も考えて生徒会を消そうとしている。やり方はよくないかもしれない。けれど、表に立つ者として許せない行動をする者達を正しているだけだ。他の二人は知らないが、これが私の委員会に居る理由だ。
そして私は、この仕事を誇りに思っている。