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僕と記憶とメガネと精霊と  作者: 風紙文
入れ替えの章
14/20

入れ替わりの記憶


まるで鏡を見ているみたい、最初の感想はそうだった。

あたしと同じ時に生まれたという双子の妹。背格好も仕草も好きな物も全く同じだった。

だが、それにも終わりは来た。

中学の時、クラスが別れた。それからあたし達は変わり始めた。

生きる場所が違う、それは人に大きな変化を及ぼす

それが今までほとんど一緒だった双子には特に大きな変化になった。

妹は元気でいたずらっ子に、あたしはこんな性格になってしまった。

そして高校生になり、あたし達は違う学校に行く事になった。

一人になったが、特に変化は無く、中学の時のように友達が出来て、楽しい学校生活を送っていた。


そんなある日、寮に青が遊びに来た。

久しぶりに見た青は本当に変わっていた

特にあんな事を言った所が

「入れ換わる?」

「うん、コレを見てよ」

「うわ…なによソレ」

「コレをこうすると…」

「あ……」

外見的に最も違っていた髪型があった瞬間

鏡を見ているようだと、久しぶりに感じた。

本当に似ていたのだ。

「コレで私がお姉ちゃんの学校に行ってもバレないと思うんだ」

「そう、ね…」

「だから明日、お姉ちゃんの変わりに学校行ってもいい?」

「いいわよ、やってみなさい」

「やった! ありがとうお姉ちゃん!」

本当に嬉しそうな顔だった。

だが、それがあんな事件を産むなんて思わなかった。


次の日、あたしと同じ格好をした青が学校に行き、あたしは部屋でのんびりした。

「…そろそろ終わる頃ね」

放課の時間帯になり、あたしは部屋の窓から外を見下ろした

寮へと帰ってくる生徒達の中に、あたしを見つけた。

いや、あたしに化けた青だ。本当に似ている

「たっだいま~」

「お帰り、どうだった?」

「とっても楽しかった!」

「そう、良かったわね」

「でもね、お姉ちゃんの友達の人かな? 私を見て慌ててたよ」

「あはは、それは仕方ないわね、あたしと青じゃ性格が全く違うもの」

「そうだね~」


青が帰った次の日

「南野」

ホームルーム終了後、先生に呼ばれ、廊下に出た。

「お前、大丈夫か?」

「はい?」

「いやな、昨日全く人が変わったように行動してたからな」

あ…そうか、そうなるんだ。

その時あたしは冗談混じりで二重人格だと言った。

こう言っておけばまた青が換わって学校に来る事ができると思ってだ。


それ以来、青が来た時にはあたしと換わって学校に行くようになった


そして二年生になり、あたしはD組になった。

それじたいは対した事ではなかったが

ただ一つだけ気になった

前のクラスからD組になったのがあたし一人だけだったのだ。

他のクラスは前のクラスで同じだった人達が固まっているのにも関わらずにだ

何故あたしだけなのか…

それについて、何故かあの時の冗談が頭に浮かんだ。

だがその時の担任はもう違う学校に移動してしまい、それを聞く事ができなかった。

まさかアレが原因なのか? そんな訳は無い

何でそんな事だけでこうなる必要があるんだ

全く分からない…

そしてD組になったら

クラスに友達はいない

休む時間の度に違うクラスに入り浸る毎日だった。


そんな日が続いたある日

横断歩道を渡っていた時だ。

「お姉ちゃ~ん」

青が向こう側で手を降っていた

あたしの髪型を模したカツラを被って

あたしも手を振りながら横断歩道を歩ていた。


その時、車が走ってきた


それはとても早く、この距離では今ブレーキをかけた所で止まらずに横断歩道を通過する、あたしにぶつかるだろう

「お姉ちゃん!」

「っ!!」

思わず目をつぶった。

それと同時に、左手を誰かに引っ張られた

「!?」

その力に引かれ、あたしは地面に尻もちをついた

目を開けると、そこには一人の生徒がいた。

確か名前は…

「大丈夫か?」

その生徒が手を差し伸べた

「あ…あ、ありがと」

その手を取り、立ち上がる。

「確かにここはあんまり車が通らないが、こういうのがあるから注意しろよ」

最初の印象は、コイツ何様だ、と思った。

「お姉ちゃん大丈夫!?」

青が横断歩道を渡ってこちらに来た。

「お? 何だアンタ等…ってうぉ!? そっくりだな!?」

「なによ、悪い?」

「いやいや、アンタ達双子なんだな、初めて見たぜ」

「ふぅん…じゃあ」

あたしは青の肩を取り

「今からあたしとこの子がシャッフルして、どっちがあたしか当ててみなさい」

「は? 何でそんな事を…」

「言い訳は無用よ、さっさと目を瞑りなさい」

「はいはい」

その時思い出した、コイツは中紫だ

その中紫は目を瞑った。

「青、やるわよ」

「おっけ~」

とだけ言って、あたし達は動かなかった。

「開けていいわよ」

中紫が目を開けた

「さぁ、どっちかしら?」

「んー…ちょっと失礼」

「え…?」

中紫があたしの顔に自らの顔を近づけてきた

右の目であたしの右目を見られる。

か…顔が近い…

その時…思った

コイツ…案外カッコいい

って、何考えてんのよ!

「…なるほど」

中紫の顔が離れた。

「アンタが南野さんだな」

「!!」

当てられた…?

「お~あなたスゴいね~」

「で、そこの妹とこうしてたまに入れ換わってると」

「え! 何で分かったの!?」

「瞳を見たからさ」

瞳を…見たから?

「対した度胸だよな、普通考えつかないって」

「う、うるさいわね、何か文句でもあるの?」

「いや、全く無いぜ、むしろ凄いと思う」

「凄い?」

「それをして誰かが困っているとかはないんだろ? ならそれは別に嫌な事でもおかしな事でも無い」

「……」

「物事ってのは誰かが困らない限りは大体の事が許されてるもんだ。ダメなものは罰せられ、罪とされる」

なによコイツ…アンタも十分変わり者じゃない

「だからこれだけは言っておく、誰かが困るようなら即座に止めろよ、もう既に困ってる人がいるからな」

「!!」

なんでそれを…

「はっきり言うのも必要な事だぞ、南野さん」

「う、うるさいわね…なんでそこまで…」

「困ってる人は放っておけないからだ」

「え…?」

その時の中紫の顔は、先ほどまでのそれとは違い

こう……カッコ良かった。

その顔を直視出来ず、目を反らした。

「俺は人助けをしててな、もしもその行為が誰かを困らせるようなら俺が止めに入るからな」

「わ…分かったわよ…」

「うん! じゃあ絶対にバレないようにカツラに工夫をしてくるね」

青がカツラを外した。

「おぉ、こうして見ると全然違うな」

「私の名前は南野 青、アナタは?」

「俺は中紫 晶、そこの南野さんとは去年同じクラスだった。そういえばその時もアンタを見たな」

「え、バレてたの?」

「まぁな」

「む~だったらもっとカツラを改良しないとな」

「頑張れよ」

そうだ…中紫は一年の時に同じクラスだったんだ

「さて、南野さん」

「晶」

「ん?」

「あたしをさん付けで呼ぶのはやめなさい、あたしも晶って呼ぶから、アンタもあたしの事は南野って呼びなさい」

「…はいよ、南野」


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