パーティを楽しもう
もう直ぐパーティが始まる。パーティが始まるんだよ。だからとにかく急いだんだ…だと思う。多分。あるいは迷っていたところをなんだか明るい光に導かれてそこに入り込んだのかもしれない。とにかく僕以外の何億という回転する鞭毛は流されたり自ら進んだりしてそのパーティの参加券を得ようとしたんだ。結局は競ったのではなく皆んなが僕に譲ってくれた気もするんだけど僕はその権利を勝ち取ったんだ。パーティに出席する権利をね。パーティが始まる前に不安だった僕に誰かが言ったんだ。
「おい!そんなつまらない顔はよせよ。お前みたいな奴がいるから場が盛り上がらないんだよ。ほら笑ってくれよ。いや、笑わなくてもいい、ブスくれた顔をしててもいい。その代わり誰もが笑うような愉快なダンスをしてくれ。バカにでもわかるように全身を満遍なく使って踊ってくれ!それはもう自分じゃないって?大丈夫だよ。案外まだ誰も君のことなんて知らないからさ。さあ、くるぞ。パーティが始まる!踊りまくるんだ。君だけのステップで君だけのリズムで踊るんだよ!パーティを楽しもうとしない奴はパーティを楽しめないんだから。」
「ハッピーバースデイ」
僕が母親の股の間から出てきたとき喜ばれたのかどうか僕は知らない。そういった記憶を覚えてる奴もたまにいるらしいけど僕はちっとも覚えてない。だけど生まれる前確かにそう言われた気がする。会場は僕が見るすべての景色でパーティの名前は「ウーリードナーズの人生」あぁ、ウーリードナーズってのは僕の名前だよ。君にも名前はあると思うけど、それと同じようなもの。人生もパーティも楽しもうとした人にしか楽しめないんだ。いつか楽しくなるって目を見張っててもちっとも意味はない。パーティはすでに始まっているんだぜ。まずはそのことに気づかなくちゃならない。難しいことじゃない。恥ずかしがらずに君は君でいればいいだけなんだから。レッツパーティ。




