3話
ピピピ、ピピピピ
「うー。頭が割れるぅ。」
頭がガンガンする
「昨日あんなにお酒をのむからでし。」
ネリがそう言う。
「日本のお酒が美味しいのが悪いよ。」
「今日から登校じゃないんでしか?」
「うーん。めんどくさい。休んじゃだめかな?」
「転入初日からサボるのはどうかと思うでし。とっとと魔術で治すでし。」
まあ確かに転入初日でサボるのは良くないよな。
「治癒」
魔術で二日酔いを治す。
「まあ行ってくるよ。」
「開くは扉、架けるは光の道、縦横する虹」
僕の前にゲートが現れる。
「登校のために魔法にも迫る魔術を使う魔術師は父さまぐらいでし。」
「使える魔術は使わないと損だろ?じゃあ行ってくるよ。」
そう言って目の前のゲートに入る。
ゲートを抜けると目の前は路地裏だった。
一応目立たないように路地裏にゲートを開いておいた。
学校の前にいきなり現れたらいくらなんでも怪しすぎる。
「見てみて空に虹がかかってるよ。雨も降ってないのに。」
そうなんだよね。この魔術を使うと虹が出てしまう。
まあ空に虹がかかるくらいなんのことないだろう。
陰陽学院の生徒だろう。
2人組の女生徒が歩いている。
とりあえず2人についていけば学校にはつけるだろう。
あれ?僕の行ったことのある学校じゃないな。
脳死で女生徒について来たが全く違うところについた。
膝から崩れ落ちる。
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うーん。遅刻か?ゲートを直接繋げればよかったかな。
そんなことを考えてながら頭を抱えてベンチに座っていると声をかけられた。
「あなた陰陽学院の生徒?」
顔を上げると女生徒がこちらを覗き込んでいた。
美人というより可愛い感じの顔立ちだ。
「はい」
「こんなところにいると遅刻しちゃうよ?」
「今日が初登校なんですけど道に迷ってしまって。」
「それなら一緒に行こうか?」
「いいんですか?」
「うん。いいよ。転入初日から怒られたくないでしょ?」
「ありがとうございます。」
そう言って2人で歩き出す。
「私は藤原初音。あなたは?」
「僕はサン、あーと三条萬です。」
「三条萬くんね。私は1年生だけど三条くんは?」
「僕も1年生です。」
「同い年じゃない。なら敬語じゃなくタメ口で話してよ。」
「わかった、そうするよ。」
そう言って笑う。
同い年じゃなくてだいぶ僕の方が年上だけどね。
そう心の中で呟く。
初音と一緒に歩いていくと見慣れた校舎が近づいてくる。
「結構ギリギリになっちゃったね。」
そう初音が言う。
「遅れなくて済んだだけよかったよ。ありがとう。」
「いえいえ、三条くんクラスは?」
「まだわからないんだ。」
「そうなんだ。職員室はわかる?」
「うん。転入試験の時に行ったから大丈夫だと思う。」
「じゃあ私は自分のクラスに行くから。また会ったらね。」
「本当にありがとう。じゃあね。」
そう言って手を振って別れる。
初音にはそう言って別れたが校内は意外に広くて結局時間には遅れた。
「失礼します。」
そう言ってやっとたどりついた職員室に入る。
「君が転入生の三条萬かね?」
案内された場所の椅子に座る女性がそう言う。
芯のしっかりしてそうなキリッとした美人だ。
「はい、僕が三条萬です。」
「私は君が転入する1-Sの担任の水野凛だ。よろしく」
「よろしくお願いします。」
「ああ。時に三条、初日には時間に余裕を持ってくるのが普通だと思わないか?」
そう微笑みながらこちらをみてくる。
「僕もそう思います。」
「そうか。初日だから許すが私のクラスは遅刻には厳しいぞ。気をつけるように。」
微笑んでいるはずなのに目が笑ってない。
「はい、すいません。」
「それじゃあ教室に行こうか。」
そう言って教室に案内される。
「ここが1-Sクラスだ。私が合図をしたら入って自己紹介をしてくれ。」
「静かにしろー。今日は編入生がいるぞ。」
「こんな時期にですか?6月ですよ?」
男子生徒が聞く。
「知らん。本人に聞け。じゃあ入っていいぞ。」
扉を開けて教室に入る。
「初めまして、今日から編入して来ました。三条萬です。よろしくお願いします。」