Do episode-004・・・止まらない変化
好恵の変化は日を追うごとに、激しくなっていった。
スカートサイズはサイズダウンし、顔は小さく引き締まったが、何となく血色も悪く見える。
趣味だったテニス・読書・映画鑑賞、すっかり辞めてしまった。
「最近、テニスの練習来ないじゃん、どうしたのぉ~」
拓也が軽く声をかけても、好恵は素っ気なかった。
ダブルスではライバル同士だった。
「興味なくなったわ」
その一言がみんなを驚かせた。
一心不乱にプレイしていたテニス、目の前の好恵は、まるで好恵の着ぐるみ着てる別人みたいだった。
ある日、明里は思い切って好恵に話しかけてみる。
「ねえ、薬、少し、止めてみない? 間隔空けるっていう感じ・・・」
「無理よ、止めたらリバウンドが、待ってるわ戻りたくないのよ絶対」
明里をじっと見て、目を逸らし応えた。
声は確かに震えていた。明里は、胸が締め付けられる思いだった。頬を叩いて目を醒まさせたかった。
その夜、拓也、明里、和美三人で集まった。
「このままじゃ、好恵身体壊れちゃうよね」
[何か方法ないかなぁ?」
和美は涙声で言った。
拓也は腕を組み、黙った後で、提案した。
「一度本人に会いに行こう、ちゃんと話を伝えに行こう」
決意を胸に三人は好恵の家を訪ねることにした。
インターホンを押すと、しばらくして扉が開いた。
そこに立っていたのは目には力がなく肌は青白くかつての明るい好恵の面影は消えていた。
明里はそっと手を伸ばした。
「助けに来たみんなで」
好恵は俯いた。
その夜、好恵は薬を少しずつ減らす決意をする。
明里たちの気持ちが、ギリギリのところで彼女に届いたのだ。
しかし、好恵にとってそれは容易な道のりではなかった。
薬の量を減らす度、好恵の身体は悲鳴をあげ、幻覚に怯え、吐き気で食事がまともにできない、頭痛、めまい、不眠・・・など、日々が続いた。
「助けて・・・やっぱり、減らさなきゃよかった・・・」
弱音を吐く好恵に明里たちは、交代で寄り添った。
「大丈夫、ぜったい、絶対乗り越えられる」
「昔の好恵に、会いたい」
友達としての絆が、好恵の心を支えた。