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公爵家は最速で破滅しました

 ユリアナはとりあえず保護した俺の家で一時的に預かる事になった。


 突然の来客に両親は最初は驚いていたがユリアナの境遇に同情してくれて歓迎モードだ。


「役に立たないから子供を捨てるなんて貴族の常識はどうなってんだ?」


「ユリアナちゃん、ここを自分の家だと思っていいからゆっくり休んでね」


「ありがとう……ございます……」


 ユリアナは笑っているけどポロポロと涙を流していた。


「大丈夫? どっか痛む?」


「違うんです……、私あの日以来家で冷たくされていて……、久しぶりに優しくされて……」


 その姿に両親は号泣、俺も泣きそうになったしユリアナの家族に腹が立った。


 ユリアナの話はあっという間に村内に広がり村人達は全員ユリアナの味方となった。


 ユリアナも日が経つ事に村に馴染んでいった。


 そんなある日、村に領主様がやって来た。


 村長がユリアナの事を領主様に話したらしい。


 領主様は貴族ではあるけど俺達の声を聞いてくれる人格者だ。


「初めまして、この地域を治めているアランド・クアントと申します」


「元フィール家の娘のユリアナと言います」


「今回の件を耳にしまして王都にいる知り合いに確認した所、フィール公爵はユリアナ嬢の除籍を国に報告したそうです」


「本当に娘を捨てたのかよ……、血も涙もない奴だな」


「更に言えば将来的に聖女様を養女にしたいと画策している様だ」


「聖女て……、リーナの事?」


「うむ、どうやら王太子の婚約者の座を狙っているみたいだ」


 リーナが公爵令嬢になってしかも王太子の婚約者……?


「無いな」


 思わず小声でボソッと言ってしまった。


 本人に聞かれたらぶっ飛ばされそうだけどリーナは気が強くてズバズバッと言うタイプだ。


 ユリアナの件に関しても公爵家に対して怒っているのでまずあり得ない。


「ただ、国王も公爵の考えている事はどうやらわかっているみたいだ」


「まさか王は許可するのか?」


 父さんが聞くとアランド様は首を横に振った。


「国王はギフトで評価する事を許さない方だ、公爵には自分の娘を捨てた罪で重い罰が下されるだろう、そこは安心してほしい」


 アランド様の言った通り後日、フィール公爵家に騎士団の調査が入り公爵及びその家族は拘束された。


 ユリアナを冷遇していた事が罪になるとは思っていなかったそうだ。


 更に国の乗っ取りを計画していた事やいろんな罪が発覚して身分剥奪の上、鉱山送りとなった。 


 

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