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ユリアナが捨てられた理由

「それで、なんでこんな状態になっていたの? もしかして誘拐されたとか」


「それが私にもわからないんです……、いえ、なんとなくはわかっています……、でもこんな手段に出るなんて……」


「心当たりがある、ていう事?」


「本当は信じたくないんですが……、私は捨てられたんだと思います」


「捨てられたっ!?」


 ユリアナは寂しそうに頷いた。


「私が……家に取って……必要無い存在だから……」


「なんで? 見た感じ貴族なのはわかるけど、貴族ってそんな簡単に実の娘を捨てる事が出来るの?」


「お父様でしたら……やります。 お父様は自分の出世の為なら家族を道具の様にしか思わない方ですから」


 実の娘にそこまで言われるなんて……、その人は本当に親なんだろうか?


「とりあえず、細かい話は村まで行こう。 うちの村には騎士がいるからその人に相談してみよう、歩ける?」


「は、はい……。 イナヤさんて優しい方なんですね」


「困っている人がいたら助けるのは当たり前でしょ」


 僕の返答にユリアナはニコリと笑った。 


 そして、村に戻って俺はアレンさんの元に向かった。


 ちょうどアレンさんはニコルに剣の訓練をしていた。


「アレンさん、ちょっと良いですか?」


「ん? 君はイナヤ君だったね、隣の子は……」


「イナヤ、どうしたの? その子、村の子じゃないみたいだけど」


「実は……」


 俺はユリアナから聞いた話をアレンさんに話した。


「それは本当か? ユリアナ様はフィール公爵のご令嬢なのですか?」


「はい、私はフィール公爵家の一人娘です、元ですが……」


「なんで捨てられる事になったか教えてもらえる?」


「それは多分……私のギフトが原因だと思います。 私が貰ったギフトが公爵家に相応しくない、と思ったんだと」


「どんなギフトをもらったんだい?」


「私は庭師のギフトをいただきました。 私は花が好きなので嬉しかったんですが……、お父様にとっては期待外れだったみたいです……」


 なんと自分勝手な話だ。 

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