ギフトの価値
「そうか、ニコルとリーナがレアギフトの持ち主とはなぁ……」
俺は家に帰って今日の事を両親に話した。
「2人はもう帰ってこないのかな?」
「いや、それは無いわよ。 このまま帰宅を許さないのは誘拐と一緒だし」
そう言うのは母さんだ。
「あぁ、俺達が儀式を行った時もレアギフトの持ち主がいてそのまま王都に連れて行かれた。 その時、その両親がブチギレて王都まで追いかけて行った事があるんだ」
「その2人のギフトも結構レアなギフトだったみたいでかなり大暴れしたみたいよ、以来法律が出来たみたいだから」
マジですか、ていうかその2人よく捕まらなかったね……、そしてうちの村レアギフトの確率高過ぎ。
「それじゃあ村には戻ってくるんだ」
「あぁ、それに今は世界の危機は無いし……、あくまでギフトだからな、使いこなせるかどうかは本人次第だし」
「そうね、ギフトにのめり過ぎて身を滅ぼす事もあるらしいから国もそんなにギフトだけで優劣は比べないわよ」
両親が冷静でよかったよ、ていうかやっぱり身を滅ぼす事があるんだ。
それから1週間ぐらいして2人は戻って来た。
「おかえり、どうだった王都は?」
「凄かったよ、国王様とか貴族とか初めてみた」
「私も教会の偉い人に会ったけどまともに見れなかったよ、正直言ってあんまり記憶が無いよ」
「で、結局どうなったの? 村を出る事になったの?」
「将来的にはそうなるかもしれないけど今は村にいても良い、て」
「その代わり、神様へのお祈りとか色々宿題を言い渡されちゃってやる事がいっぱい」
「稽古をつけてくれる人を派遣してくれるみたいだよ」
そっか、そりゃいきなり戦えと言われても無理な話だもんな。
「そういえば、王都でも儀式があったんだけどその中で公爵家の女の子がなんか親に怒鳴られてる姿を見たよ」
「親に? どういう事?」
「わかんない、でも見てて悲しくなっちゃった」
公爵家の女の子という事は公爵令嬢だよね?
怒鳴っているのは公爵という事だ。
という事は……。
この話、他人事の様に聞いていたんだけど、まさか関わる事になるとは思っていなかった。