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巨大魔物討滅作戦  作者: 広畝 K
82/140

82話

 窪地周辺の探索を終えた彼は、密かに安堵を覚えていた。

 というのも、第二部隊がこの場にいたという痕跡が少しも見つからなかったからである。


「死人は、恐らく出ていない……!」


 最深が四メートルにも及ぶ窪地ができるほどの攻撃を受けたのならば、痕跡が残っていないのは当然ではないかと考えるのが一般的だが、今回に限っては少し違う。


 魔物と呼ばれる人外の存在であるとはいえ、それほどの威力を出すのに一瞬の隙すら生じずに出せる筈がないのである。

 リスク無き必殺技など、エネルギー源を必要としない魔道具など、この世のどこにも存在しないからだ。


 それは即ち、窪地を形成するほどの攻撃力には、それに見合ったエネルギーが必要となることを意味している。

 大規模な魔法を撃つには、それ相応の魔力を蓄える必要があるのだ。


 窪地を生じさせるほどの大魔力を確保・移動させる場合、周囲にも影響を及ぼさずにはいられない。

 一陣の風が吹く際に、小さな花弁を巻き込むことが不可能であるように、それと同じ現象が魔力の移動の際にも起こり得るのである。


 つまるところ、大量の魔力を移動させる場合においては、その魔力の圧力が言い知れぬ違和として、他者に感じ取れるのだ。

 攻撃が放たれるよりも早く、脅威的な一撃がくるのだと肌で感じ取れるのである。

 中級の冒険者にもなった人間であれば、その脅威は形として目に見えるようですらあっただろう。

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