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巨大魔物討滅作戦  作者: 広畝 K
67/140

67話

 ブラックグリズリーが理性の光を宿してから、キーリたち第二部隊の面々は厳しい総力戦を強いられた。

 そしてそれは、狩人たるシュガーも戦闘の部外者ではいられなかったことを意味している。


 その戦いは時間にすれば数分すら経っていない僅かな時間の攻防であったが、『一瞬』などという客観的に短い時の流れにおいて、彼女たちはその生命の時間を凝縮させたのだ。


 それは、ブラックグリズリーですら例外ではなかった。


 互いの生命を賭けた攻防は、生と死の円舞曲を演じていたようなものであったろう。

 一つの攻撃行動によって死を出迎え、一つの回避運動によって生を得られた。


 一挙一動、いずれの攻撃も相手を死世に届かせんばかりの鋭さである。

 手先の技術は人間の方が上を取り、純粋な力は魔物の方が上を取る。

 どちらが優れていて、どちらが劣っているか、互いの優劣を比論するような下らぬ戯言は、この場においては微かな意味すら為し得ない。


 この場にあるのは、生命を賭した戦いの結果だけであった。

 生き残って往く者と、死んで往く者との、声なき対話があるだけであった。

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