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巨大魔物討滅作戦  作者: 広畝 K
41/140

41話

 作戦会議が解散された後、冒険者の多くはソルトによって用意された宿へと戻った。

 チームでまとまって戻った後、彼らはそれぞれ部屋に集まり、連携や役割を改めて確認を行う。


 他には武器の手入れや所持品の把握、魔道具のメンテナンス、軽い睡眠を取るなど、明朝からの作戦活動に向けて精力的な取り組みを行っていたと言って良い。


「ほほう……なかなか面白い品揃えじゃな」


 その内の一人は、ソルトの魔道具店に足を運んでいた。

 魔力を帯びた紫ローブを着込み、魔道具を連ねた束帯をとんがり帽子に何重にも巻きつけた、奇抜な格好をしている少女である。

 さながら、童話の絵本から飛び出してきた森の魔法使いといったような風貌を呈していると言って良い。

 年の頃は幼く見えるが、しかしその昏い瞳に映る色彩は黒く濁って澱んでおり、到底、見た目通りの年齢とは思われない。


 そんな怪しい彼女であるが、何を隠そう上級冒険者パーティの一員であった。

 性格に少々の難があるものの、魔法の熟練者としての腕は確かであると冒険者たちの間で認められており、【厄災の魔女】の二つ名を有している。


 彼女が魔道具店に訪れたのは、理由が特にあったわけではない。

 作戦行動における魔道具は明朝に配布されると会議で聞かされていたし、自身の役割や連携については確認を終えており、持参してきた魔道具のメンテナンスも終えていた。


 明日に備えて寝るという気分ではなかったから、村の中でも警護がてら散歩するか、といった適当な気紛れが、訪問の契機となったのである。


 そしてその気紛れが、村の中で異彩を放っている建築物を見つけるに至った。

 どうやらそれは店舗らしいということで、入店する運びとなっただけだ。


 冷やかしのつもりであちこち眺め、並んだ品々を批評してやろうと思ってみれば、なかなかどうして悪くない品揃えではないかと、彼女は僅かに興味を覚えた。


 その店に揃えられている品々は、どれもこれも一般的に普及している大量生産の魔道具で、それほど珍しいものでもない。


 それでも彼女が興を覚えるのは、それらがいずれも少なからざる改良を受けていると見抜いたためである。

 その上でなお、見た目は市販のそれとほとんど変わらないのだ。

 見抜ける者が訪れなければ、そしてその者が良心を持っていなければ、どれも安く買い叩かれること必至であろうと思われた。


 試しとばかりに少女は魔道具を手に取って、その性能の一端を見るべく魔力を込める。


 選んだ魔道具は、人体に内包されている魔力の総量を計測するというものである。

 市販されている計測器であれば、彼女の魔力総量の値を計測不能を示すエラーとして吐き出すのが常であった。

 だが、その市販に見紛う改良された計測器は、エラーという降参の白旗を上げることなく、今もなお健気に計測を続けている。


「……ほう」

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