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巨大魔物討滅作戦  作者: 広畝 K
40/140

40話

 具体的には討伐隊を三つのチームに分け、討伐対象をそれぞれの役割で追い込むという形になる、とギルドマスターは告げた。


 一組目は山頂へと赴き、討伐チームを支援する情報部隊としての役目を担う。

 各チームと通信機によって連絡を密に取り合い、各々の所在を常に把握しておくことが主な任務となる。


 二組目は熊の死体やその周辺に残存しているだろう魔力の痕跡を辿って、討伐対象を追跡する役目を担う。

 この組が最も討伐対象に遭遇する可能性が高く、もし発見・遭遇した際には、そのまま標的の討伐を行うこととなる。


 三組目は大型の魔物が隠れられそうな洞穴や洞窟などを調査し、魔力探知系の魔道具を設置してくる役目を担う。

 これは二組目が討伐対象に遭遇できなかったときのための処置であり、討伐対象が逃げ隠れしていてもその所在を把握することを主目的と置く。


 それぞれ、確実に魔物を仕留めるための必要不可欠な作戦行動である。


 なお、いずれの組の作戦行動にも山の地理に詳しい案内・先導役の狩人を一名ずつ同伴させる必要があり、冒険者には狩人を守りながら任務を果たしてもらうこととなる。


「――作戦については以上となるが、何か質問は?」


「作戦で使用される通信機、魔力探知などの魔道具を我々は所持していない。

 これらに関してはそちらで用意されているのか?」


「無論だ。作戦で使用する魔道具に関しては村長が太鼓判を押している。

 作戦に支障は無いと思ってもらって良い」


 当然のことながら、村長は魔道具に関して造詣が深いというほど知悉しているわけではない。

 その考えの基には、つい数日前に村に帰ってきたソルトの存在が意識されている。


 本人の預かり知らぬところではあるが、彼の協力が得られるという前提で此度の作戦は練られている。

 もっとも、ソルトとしては村長から頼まれずとも、自ら協力しようと思っていたのであったが。


 ともあれ、魔物に対する作戦会議は質疑応答を終えてお開きとなった。

 後は自由に解散し、連携について話し合うなり、用意された部屋で休息を取るなり、装備の手入れをするなりと、規定の時間までの過ごし方を各々の裁量に任せることとなったのである。

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