カクヨムからのお知らせとAI、みたいな
2025年11月13日、カクヨムのお知らせに「過度な頻度で作品やエピソードを投稿する行為はお控えください」という記事が投稿されました(https://kakuyomu.jp/info/entry/2025/11/13/170248)。
内容は、過度な頻度で小説を公開するのはやめてほしいというもの。冒頭を読み始めたときにぱっと思いついたのは、『作品を作り上げてから、1日ごとに公開するのもダメなのか?』ということでしたが、運営の真意はそこではなかったようです。「過去に他のサイトで投稿されていた作品の転載であることが確認できる場合、あるいは、俳句や短歌の作品投稿の場合など」は該当しないとあるので。まぁ、1日おきなら過度な頻度ではないでしょうし。
ここでカクヨム運営が問題視しているのは、人間の制作速度を超えた――つまりAIによる作品を意識してだと思います。例えば、1000~2000文字程度の小説をAIに100本書かせて、それを1秒ごとに公開すれば、検索ページの新作短編カテゴリや完結した小説カテゴリをほぼ独占することができます。そこから読んでもらえれば、作者としては成功と考えるのかも知れません。これでは真面目にコツコツ小説を書いている人間が、機会損失することになります。まさに『悪貨は良貨を駆逐する』状態になりかねませんし、実際に大量の小説が短時間に投稿されたことで、運営が危機感を覚えたということでしょう。
AIの使用を否定するつもりはありません。私自身、AIに関わる仕事をしていますし、日常的にAIを活用して業務を効率化しています。ですが、小説となるとどうでしょう? AIに小説を書かせてみたことはありますが、自分の思うような形にはなれませんし、よく読めば日本語がおかしいところも多々あります。小説の質にこだわらないような人が、AIを使って大量生産してしまうんでしょうね。それは本当に小説が好きと言える行為でしょうか。
よく勘違いされますが、AIは万能ではありません。いわゆる汎用AIというものは、現在の技術ではほぼ不可能です。なので、社会実装されているAIは、ある分野専門に特化するよう、訓練されたものです。なので、ChatGPTやGrok、Geminiに小説を書かせても、質の高いものは生まれないのです。
ただ、近いうちに小説生成に特化したAIも出てくるでしょう。すでにあるかも知れません。「あなた好みの小説を作ります」なんてサービスが出てくるかも知れません。もしそんな世界になったら、投稿サービスはどのように対処すれば良いのか。イラストや絵画のように、小説の制作過程を残しておいても、それが人間が作った物と証明することは難しいでしょうし、仮にAI生成というカテゴリを作ったとしても、投稿する人のモラルに頼るしかありません。
今後、ほかの小説投稿サイトでも、対応する必要が出てくるかも知れませんね。




