ジョブチェンジ 無職→冒険者
「俺はただの人とは違う存在だ......」
いえいえ、全くそんなことはありません。私は凡人以下のただの人です。
冒険者ギルド、冒険者たちが集いクエストを受けまた達成報告をする受付で俺は髪をかき上げる。
「今日は全人類が渇望する魔王討伐が果たされる出発点となる日だ、おめでとう君は今未来の英雄の目の前にいる!」
はいまたそういうこと言うー! おいどこのどいつだよ! ことごとく日雇いのバイトを断られてこのままじゃ本当に野垂れ死ぬから仕方なく冒険者ギルドに来た奴は!
「はぁ。あのところで今日はどういったご用件で?」
ほら、受付嬢さんも困り顔じゃねぇか! 当たり前だよ明らかにビギナー丸出しみたいなこと言ってんだもん。
俺はふっと自分の長い前髪をなびかせながら受付嬢の頬を撫でながら片目をつぶる。
「冒険者になりにきた」
だからなんでそんなことしちゃうのぉぉぉぉぉ!
ガシッ。
後ろで百八十センチを超える片目に眼帯を付けた男が青年の肩を掴んだ。
「おい坊主、ちょっと面貸しな」
ぐぎぎと効果音がつきそうな不自然な首の動かし方をしながら、青年は振り返った。
「はい、すみません。喜んでお顔の方を貸したいと思います」
俺はガラの悪い男に連れられ冒険者ギルドを出ていった。
二三十分ののち。
「ふっ。ほれがひふきもののさだめか」
「ひっ」
受付嬢は俺の顔を見て少し後ずさった。
うん、超痛い。本当に痛い。いや確かにさ俺だって調子乗ってたとは思いますよ? でもですよ、でもあんな殴らなくてもよくない? 口の中切れまくってうまくしゃべれないんですけど?
俺の顔はさっきのいかついおっさんに殴られひどいことになっていた。顔全体ははれあがり、片目ほとんど見えない。
あいつぜってーこの娘のこと好きぃ! 言いふらしてやるもんね! 陰で!