二人の騎士
いらっしゃいませ。
皆さんに幸せのお裾分けをしたいと急に思いついてしまいました。
今日、講演会に行ってきたのですが、とてもいいお話しでした。世の中いろんなことがあるけれど、本を読んだり、他人に聞いたり、自分でもちょっと体験した「いい話」ってあると思うのです。
そんな話をエッセイ風にまとめてみました。
訪れて下さった人が、少しでも心がホッとしてくださったら幸いです。
まずは体験談から。
土曜日の昼下がりのことです。私は買い物に行くために自転車で町を走っていました。町と言っても田園風景の残る田舎町です。
田んぼの用水路で小学生の男の子が二人、魚を獲っていました。四、五年生ぐらいの子だったでしょうか。
私が何にも言わないのに「「こんにちはー。」」と挨拶をしてくれました。
嬉しくなって、私も「こんにちはー!」と言いながら自転車で側を通り過ぎたのです。
私が次の角を曲がろうとしていた時でした。
五メートルほど後ろにいたおばあさんが、ひょろひょろしていたかと思うと自転車に乗ったまま転んでしまいました。私は慌てて自転車降りて駆けつけようとしました。
しかし、魚とりをしていた二人の男の子のほうが反応が早かった。
二人はすぐに持っていた網を放り投げて、すぐさまおばあさんを助け起こしに行きました。何の躊躇も戸惑いもありませんでした。
咄嗟の時の行動にその人の人柄が出るといいます。
私はこの二人に感心しました。
そしてこの地域の教育力の高さに安心しました。
普段、家庭の中で思いやりの心や、他人に親切にすること、困った時はお互いさまで助け合うこと、そんな教育が出来ていないとこういう行動は出来ないと思うのです。
嬉しくなった私は小学校に電話しました。
こういう子どもがいたから褒めてあげて欲しいと教頭先生に頼んだのです。
普段、クレームの電話を受けることの多い教頭先生は電話の向こうで戸惑っているようでした。
もしかしたら先生よりも子ども達の方が人間が出来ていたかもしれませんね。(笑)
その日は一日、幸せな気持ちで過ごせました。
あの二人の男の子は素敵な男性になって、いい人生を送ることでしょう。
助けた人だけでなく、それを側で見ていた人間も幸せにしてくれたのですから。
読んでくださって、ありがとう。