表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/68

第五話 新たな生活と騎士への道

「エミリーさん。私、行きますね。……もし、私の事を恨んでいるのでしたら、私はどんな罰でも受けます」


 ――あれから三日。エミリーさんが埋葬されたお墓の前で、ただただ許しを請うていた私は重い腰を上げた。気持ちの整理なんかつけられないつけるはずもない。私の軽はずみな行動で人を死なせてしまったのだから。


 今の私は人の運命を自由に操れる存在で、昇華させるも堕落させるも私の意思一つで出来る。それは神様みたいな存在だと言っても過言じゃない。だからこそ身勝手に振る舞う訳にはいかない。


 その為には強さが必要だった。エミリーさんの時のような犠牲を出さない為にも、腕っ節だけではなく精神的にも強くならなければならない。だから私は旅立つ決意をした。


 私は涙を拭い、深々とお辞儀をする。そして、エミリーさんのお墓に背を向けて一歩を踏み出した――。




 ヴィオール大陸のほぼ中央、ロージュ盆地の小高い丘にその都市は在った。アルスネル王国王都アルスネル。丘の頂にテーマパークに見られるお城の数倍規模の建物が建ち、なだらかな傾斜に沿って街が形成されている。


 城を中心として円形状に建てられた街を守る為に高く分厚い壁が作られたが、壁の外側にも家が建ち始めた為に更に壁が作られた。それを四つ程繰り返して、現在の王都はまるでバームクーヘンの様な形になっている。


 交易・貿易の中心地であるこの街には、周辺の村々からも物資が集まって市場は連日大賑わいをみせ、初めて訪れた私はその熱気に圧倒されていた。


「えっと……騎士養成所は……どこだろう?」


 私は街中をフワリと漂いながら目的の建物を探していた。ミネアの村で話は聞いていた。アルスネル王国には騎士団なる組織が存在し、その規模はこの大陸随一であるそうだ。そしてその騎士団の幹部には、魔女と人類との戦いを勝利に導いた英雄が在籍しているのだという。もし、そんな人物の強さを身に付けられたなら、エミリーさんのような犠牲を出さずに済む。そう思ってこの街にやって来たのだ。


「……あ、ここかな?」


 石で出来た柱には、『騎士見習い養成所』と書かれた金属製のプレートが貼られていた。広い校庭の奥に校舎らしき建物があり、左隣には体育館らしき建物もある。それは元の世界の学校と大差ない風景だった。どうやら授業中らしく敷地内はシンッと静まり返っている。


 私はフヨフヨッと漂い、取り敢えず校舎に向かう。霊体である今の私には、壁なんか在って無きが如し。スルリと抜けて教室を覗き込むも案の定誰も居ない。と、廊下の方から複数人の話し声が私の耳に届き、慌てて用具入れに隠れた。……あ、隠れる必要ないじゃん。


 自分が霊体であった事を思い出し、用具入れから出たタイミングで教室のドアがガラリと開けられ、ここの生徒と思しき人達がドヤドヤと入ってきた。男子生徒が七人と、女子生徒五人。


 男子の制服は一見して軍服。と、分かるけれど、そこまで堅苦しいイメージはなく、灰色を基調とした燕尾のような上着にズボンは、動きやすそうな素材で作られているみたい。女子の方は軍服というよりドレスみたいなワンピース。灰色を基調に胸元には紺のタイを付け、ウェストのくびれから紺色をしたスカートが膝ほどまで延びている。


「次、何の授業?」


「修練場で訓練だよ」


 背が高く体格の良いイケメン面の男の子に、スレンダーで落ち着いた雰囲気をもった巨乳の女の子が応え……あれ? この娘耳が尖ってる!? 


『リアナ=フォルス=アルヴォーレ 十七歳 :エルフ族 女 :レベル 七 :状態 普通 :北西の森アルヴに住まうエルフ族族長の愛娘。 :目的 騎士団に入隊する』


 え、えるふぞくぅ!? まさかこんな所で会えるとは。訓練とか言ってたっけ……丁度良い、折角だからちょっと見学させて貰おう。


「ミキ」


 リアナの言葉に私の心臓が跳ね上がる。え……え? なんで私の名前を?!


「ホラ、行くよ」


 ニコリと微笑んでスッと差し伸べた手の平に、ゴクリと唾を飲み込んで私は恐る恐る手を差し出した。しかし、リアナの手を取ったのは私ではなく、背後から私の身体をすり抜けて差し出された手の平。あ、私じゃなかったんだ。


『ミキ=アウレー 十六歳 :人族 女 :状態 普通 :レベル 六 :港町リーファからアルスネルに移り住み、騎士となる事を夢見ている。 :目的 騎士団に入隊する』


 私と同じ名前の娘だったんだね。あーびっくりした。




 カチャ。キィィィ……。深夜、部屋の窓を開けて外の様子を伺い何もないと判断した私は、格子から足を出して屋根の出っ張りにストンと降りた。足を滑らせて落ちないように注意をしながら、屋根伝いを非常階段へと歩いていく。


 鉄製の階段を音も立てずに降りきると、靴を履いて夜の街に走り出す。アルスネル王都は、ミネアの村と違ってこんな夜中でも仄かに明るい。あちらこちらにある街灯にライトの魔法が掛けられている為だ。私はマントを羽織り、フードを深々と被って行き交う人々の中に紛れ込んで外壁へと向かった。


 あれから二週間が過ぎ、今私は、ミキ=アウレーちゃんの身体を借りて生活している。騎士への道は思っていた以上に険しく、知識も何もない私は何度も挫折しそうになった。だけど、人一倍努力する事で他の人との差も段々と詰まってきている。そして今日も、寮を抜け出して自己鍛錬に励むべく第四城壁へとやって来た。


「炎よ。我が身に纏て力と成せ」


 口の中で呟くようにチカラある言葉を紡ぐと、仄かな赤い光が全身を覆い身体にチカラが漲る。コマンドの魔法リストに付与魔術エンチャントと表示されているこの魔法は、いつの間にか使えるようになっていたモノ。そして、リストには付与魔術だけでなく、炎系の全魔法が表示されていた。


 今まで使う事が出来なかった魔法だけど、座学で習った点火トーチ。多分あれがきっかけで使えるようになったのだろう。点火トーチの魔法は、野営の時に火を起こしたり、松明を灯したりする時に使われる為、騎士になる為の必須技能なのだそうだ。この他に信号などで使われる光の魔法も覚える事になるそうだ。


 魔法の効果を確認した私は、しゃがみ込んで垂直跳びの要領でジャンプする。たちまちのうちに地面が離れ、そして城壁の上部が迫り物見台の上に乗る。どうしてこんな面倒くさい方法を取るのかというと、門には警備兵が立っていて四六時中人の出入りを監視しているから。未成年で学生の身分である私では、昼間ならともかく夜は出して貰えない。だからこうしてコッソリと抜け出して訓練をしているという訳だ。


 炎はチカラの象徴だ。それを身に纏っている今の私は、常人の数倍のチカラが出せ、歩いて数時間の距離も走れば十分程で着いてしまう。外壁から飛び降りた私は、草原をひたすら走り、いつも自己鍛錬を行っている森の中に着くと魔法を解いた。ここなら木々が覆いかぶさって街まで明かりは届かないし、街道からも随分離れているから誰かに見られる事もない。


「ふう。さて、と」


 松明に明かりを灯して地面に突き刺し、落ちている棒を拾う。


「炎よ。我が剣に纏て力と成せ」


 チカラある言葉を解き放つと、手にした棒きれが仄かに赤く輝く。付与魔術の効果だ。この付与魔術は私自身の身体を強化するだけではなく、私が手に触れられるモノ総てに付与する事が出来る。応用範囲がとてつもなく広く、そしてめっちゃローコストで非常に使いやすい。


 炎系の魔法はその殆どが、火を点ける・爆発させるといった瞬間的に力を発揮するタイプだけど、付与魔術は炎系としては非常に珍しい持続型。術をかけて十分程その効果が続き、その威力も絶大。ただの棒きれで大木を切り倒した時には、驚きのあまり逃げ出しましたよ私は。


 こうした魔法を織り交ぜた剣術は、使う機会が無いだろうけど、いざ。と、いう時の為に効果を確認しておかなければならない。流石にぶっつけ本番で使うほどバカじゃない。自分の出来る事を一つ一つ確認をしていくうちに、夜は更けていった。



「よし! 今日はここまで!」


「「「有難う御座いました!」」」


 教官の号令と共に、修練場にキチンと整列してた生徒達が、思い思いに散ってゆく。今日の授業はこれでお終い。寄り道する者も居れば、真っ直ぐ寮に戻る者も居るのだろう。


「ミキー。帰りにお茶しよー」


 そんな寄り道組の一人、リアナが背中から腕を回して私に抱き付く。


「ちょ、リアナ汗臭い」


「えー、ミキの汗はイイ香りだよ。何時迄も嗅いでいたい位だもん」


 初めて見た時はマトモに見えてたけど、こうして憑依して一緒に過ごすと、ガチな百合だと改めさせられた。


「今日はいいや」


「今日()でしょ?」


 リアナはシュンとして尖った耳まで垂れ下がる。


 そんなエルフ族のリアナだけれど、この世界のエルフ族は人間族もさることながら、ドワーフ族とも良好な関係を築いている。それもこれも『魔女』という共通の敵が居るおかげ。と、いうべきなのかな。


 太古の昔より存在し、生きとし生ける存在(モノ)の敵。肉体は滅びても魂は不滅。死して転生を繰り返し、幾度となく現われ出いでる存在(モノ)


 座学ではそう教えられている。そんな奴が居るから争っている場合じゃない。力を合わせて戦おう。各種族ともそんな考えらしい。


 魔女が最後に討伐されたのは、今から約十年前。人間・エルフ・ドワーフの連合軍との熾烈な戦いが、西側にあるウェストランド大陸で行われたそうだ。


 そしてその戦いで多大なる戦果をあげた人物が、修練場の中央で生徒達と談笑し、時折豪快な笑い声を発する人物。フィリアン=オルフェノ。


 筋肉の鎧に包まれたガッチリとした体型だけど、見た目とは裏腹に俊敏な動きで相手を屠る。元傭兵という身分ながら、この騎士大国アルスネルのナンバー三にまで登りつめた救世界の英雄殿。私が勝手に目標と位置づけている人物だ。


「ゴメンね。今度埋め合わせするから」


「ホント!?」


 ショボくれていたリアナの表情がパアッと明るくなり、垂れ下がっていた耳がピンッと立つ。


「じゃあ、身体洗って待ってるね」


 いや、マテマテ。お前は私に一体何をさせるつもりなんだ!? ウキウキランランといった風でスキップしながら去ってゆくリアナを見て、嫌な予感しかしなかった。



「ふう。やっと静かになった」


 修練場に残っていた生徒達は皆着替えて出ていき、誰も居なくなったのを確認する。居なくなるまで待っていたのは、ジーッと見られるのがなんとなく嫌だったから。


 物置から木製の剣と盾を持ち出し、修練場の端で鍛錬を始める。まずは剣の柄を胸元に当て、切っ先を上に向ける。そして、その外側から剣の柄を覆い隠すように盾を被せる。これが基本の型。この型は儀礼の時にも使われ、戦闘においても柄を持つ手が盾によって守られる。


 基本の型から攻撃を行い、相手の攻撃は盾で受け流して再度攻撃。それを何セットか繰り返すうちに、いつの間にか汗だくになっていた。


「ふう……」


「精が出るな、アウレー」


「うわひゃっ!」


 誰も居ないと思っていた室内で、突然声が響いた。振り返れば、いつの間に入ってきたのか、壁に凭れ掛かり腕を組んでいる教官の姿。


「驚かせないで下さいよ、コーチ」


「スマンスマン。そんなに驚くとは思ってもみなかったもんでな。……ところでコーチってなんだ?」


 あ……しまった。つい、部活での癖が……


「えーっと、あー。教官って意味です」


 まあ、正直に話しても問題はないだろう。フィリアン教官は顎に指の腹を当てて、何やら納得しているようだけど。


「いい響きだ……じゃあ、これから俺をコーチと呼んでくれ」


「ヤです」


 なにが、じゃあ。なんですか。あ、しゃがみ込んで、のの字を書き始めた。子供かあんたは。これで国のナンバー三とは……


「よし! どれ、稽古を付けてやろうか」


 のの字を書くのにも飽きたようで、教官はスックと立ち上がると、そんな事を言い出した。稽古って、アカデミーに来たばかりの私なんか相手になる訳が……いや、でも待てよ。普通、アカデミーに入学したての新人に、教官が稽古を付けてくれるというのは、前例があったかどうか知らないけど、まず無いよね。もしかしたら、これはチャンス? だとしたら、受けるが吉だ。


「は、はいっ! お願いします!」


 私は革で出来た訓練用の鎧を身に着ける為、慌ててロッカーに駆け込む。ロッカーといっても元の世界のように部屋になっている訳ではなく鍵がかかっている訳でもない、修練場の片隅に棚が並んでいて、普段はそこに鎧を置いている。私は胸当てを着けてベルトを締め、腰当てを着ける為に棚に手を伸ばす。にしても……


「……あの、あんまりジロジロ見ないで下さいません?」


 ジーッと見ているものだからやり辛くて仕方がない。


「アウレー……いい尻だな」


 ……は? えーっと……? 何言ってんのこの人……?


「あの、セクハラ止めて貰えませんか?」


「せくはら……? 何だそれ?」


 ああっ! この世界にはセクハラという概念すら無かった!


「いえ、何でもないです。……あれ? 教官は防具は宜しいのですか?」


「フッ、舐めるなよアウレー。お前相手で防具など必要無い」


 うあっ! ムカつく! よおっし、こうなったら本気でやってやる!



 …………何も出来ませんでした。一体私は何回斬られたのだろう? 行って斬られて。それを何度も繰り返す。その度に私の悪い所を教えてくれるけど、結局凌がれ返され気付くと終わっていた。くそー。


「むっ」


 私が盾を捨てて構えを変えたのを見て教官は低く呻く。私が取った構えとは剣道でいう所の中段の構え。私の祖父の家は剣術の道場を開いていた。おじいちゃん子だった私は、ちょくちょく遊びに行っているうちに、いつの間にか女流剣士になっていた。もうね笑い事でしか無い。


 おじいちゃんが亡くなり高校受験もあって、それから全然やってなかったんだけど、夜な夜な街を抜け出して魔法の確認がてら自己鍛錬を繰り返していたから、結構昔の勘も戻ってきている。……と思う。


 私は木剣の切っ先を教官に向け、ゆらりゆらりと八の字を描くように揺らしながら間合いを詰めてゆく。そして三間。約五メートルの所で足を止め気を整える。教官は半身になって木剣の切っ先を私に向け、打ち込んでくるのを待っている。私が狙うのは木剣を持つ手。私から一番近く、そして相手の武器を奪う一石二鳥の場所。


 私はフッ。と、軽く息を吐き、一気に間合いを詰めて籠手を狙った。教官は微動だにせずそのままの姿勢で立ち尽くしていた。イケる! 切っ先が手に届くまで後数センチ。……と、目標としていた教官の手が急に消えた。


 ガギンッ! 木剣同士が打ち合わされる音と共に私の剣が手を離れて宙を舞う。やや遅れてやって来た風が私の肌を舐めて髪を乱し、手が痺れ始めたのもほぼ同時だった。気付けば教官の切っ先が私の喉元に突き付けられていた。


「ふー。やるじゃないかアウレー」


 教官が剣を退くのと同時に私はその場に膝から崩れ落ちた。負け……たの? あのタイミングで……?!


「そう気に病むな。今の動きは新人の中ではトップクラスだ。自慢していいぞ」


 木剣を自分の肩でトントンと叩きながら、にこやかな笑顔をしていた。それがより一層悔しく思えて仕方がない。


新人の中では・・・・・・なんだ……ははっ、遠いなぁ……」


 去りゆく教官の後ろ姿を見ながら、私はまだまだだと思い知らされた。



 ピチョン……ピチョン……。


 立ち昇った湯気が天井で冷まされ、水滴となって湯船に落ちる音が静かな浴室に響いていた。


「いつつつ……」


 痛いから身体をそっと洗い、お湯で洗い流すと打撲や擦り傷にしみた。腕や身体のあちこちには青アザが出来ていて白い肌に浮き上がっているのがよく分かる。これは暫く深夜の自主トレは出来そうにないな。


「どうしたのよこのアザは……転んだの?」


 後から浴室にやって来たリアナが、私の脇腹についたアザをつつく。痛いからやめろって!


「ンな訳ないでしょう? 自主トレしてたら教官が来て、稽古付けてくれるって言うから……」


「え?! あの教官とヤり合ったの!?」


 リアナは驚いていたが、言葉尻がちょっとおかしかったのは気の所為だろうか?


「それでそれで? どうだったのよ?」


「どうもこうも、見ての通りよ」


「だよねー。でも、良いなぁ。あの教官に稽古付けて貰えるなんて、なかなか無いよー」


 リアナの話では、今期入隊をした新人の中でフィリアン教官が稽古を付けてくれたのは、私で三人目だという。私を含めて誰も彼もコテンパンにのされた様だけど。まぁ、それもそうだろう。教官の最後のあの動きは、新人がどうこう出来るレベルじゃない。玄人でもあれにはついていけないんじゃないだろうか?


「ひゃうっ!」


 思慮に耽っていると、軟体生物が蠢くような感触が胸に走り、思わず悲鳴を上げた。


「ぬー。……デカイ」


 リアナは手をニギニギとしながら、手の平をマジマジと見つめる。


「アンタの方が大きいでしょうがっ!」


 大概のエルフ族は華奢でスレンダーな身体つきをしているが、リアナはそれに加えてバストが大きい。身体測定の時、ミキ=アウレーちゃんのバストは八十三だったが、リアナの胸はどう見てもそれ以上だ。


「夜の稽古だったら勝てるんじゃない? ……いや、待てよ。アッチも英雄級だとしたら……」


 どうして話をソッチに持っていくんだ? この人は。


「ねぇ、リアナ。教官の強さの秘密って何だろうね」


「そりゃ、取っ替え引っ替え毎晩……」


 いや、ソッチじゃないから。教官が居なくなった後、拾いにいった木剣の腹にはヒビが入っていた。いくら私のレベルが低いとはいえ、硬い木を削って作られた剣にヒビを入れるには相当な力が要るはず。しかも、私には当てないよう剣だけを狙ってる。それって人に可能な動きなのだろうか……? ……今のは!? 


「ミキ!」


「分かってる!」


 静かだった浴室に、何処からともなく絹を裂いたような悲鳴が聞こえ、私達はその元へと駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ