終章
あれから、二週間が過ぎた。
その日、鬼無里椛は八王子の《ＳＣＴ》官舎にいた。
相も変わらず、黒地に紅葉柄の振り袖姿。主の居なくなった部屋で、椛は板張りの床にぺたん、と座り込んでいる。
そして用意した空のダンボールへ、畳んだ衣服を詰め込んでいた。
衣服は、水無瀬飛鳥のもの。
今日は、飛鳥が《研究病院》から退院する日だった。
二週間前の深夜に国立競技場で行われた姉妹の対決は、姉の千隼の勝利で幕を閉じた。
その時点で飛鳥の《鬼肢》は不活性化したはずだったが、それを客観的に判断する方法はない。なにしろ前例は椛しかいないのだ。故に、《研究病院》へ移送し二週間の検査入院の後に退院ということになった。安全を確認できない以上、仕方のない措置だと言える。
また、既に護衛対象でなくなった千隼を、官舎に入れるわけにもいかない。そうして官舎へ放置されてしまった水無瀬姉妹の私物を、椛が回収しに来ることになったのだ。
また措置と言えば、飛鳥は陸上競技から引退することになった。
それも《鬼肢》の活性化を防ぐためである。
《鬼肢》は大した知能を持っていない。その代わりに宿主である《鬼憑き》の感情の機微や思考には敏感だ。だから『願い』が叶わなくなったと宿主が絶望することで、《鬼肢》は不活性化する。
だが逆に、宿主が『願い』が叶うという希望を持てばどうなるか。
《鬼肢》は再び活性化し、宿主の『願い』を叶える為に動き出してしまう。
故に、『人を喰わない《鬼憑き》』は『願い』に繋がるような行為は避けなくてはならないのだ。
飛鳥であれば『陸上競技』であるし、
椛であれば『他人と一緒に食事をしない』ということ。
「む、」
衣服をたたもうとしていた椛の手が止まる。
手に取った灰色のタンクトップは、着用済みのものだった。飛鳥が脱ぎ捨てたもの。しわくちゃで、何となく湿っているような気もする。洗濯もされず二週間以上放置されたこれを他の服と一緒にしてしまっては、臭いが移ってしまうだろう。
洗って、乾燥機にかけるか。
椛はため息をついて、そのタンクトップを脇に置き、
――と、
何となく魔が差した。
椛はタンクトップを手に取り、自身の鼻の前に持ってくる。
匂いを、嗅ぐ。
「――お、」
思ったより臭くない。
恐らく『風呂上がりに少しだけ着て脱いだ』とか、そんなところだろう。飛鳥は普段、寝るときは下着姿になって寝る。習慣で脱いでしまったのかもしれない。
「…………」
もう一度、匂いを嗅ぐ。
何となく、飛鳥の匂いがするような気がした。汗臭さのようなものはあまり感じず、どちらかと言うと、知らない家に遊びに行った時に感じる生活臭に近い。
とにかく、嫌いな匂いではなかった。
せっかくだし、もうちょっとしっかり嗅いでおきたい。
この際、顔をうずめて嗅いでしまっても――
「……なんだか変態チックですね」
「どゅわっちゅええええええええええええええいっ!!」
背後からかけられた声に、椛は飛び上がって驚いた。
慌てて振り返ると、そこには文学青年風の優男が立っている。
やたらと綺麗な髪に、切れ長の瞳。今日は珍しくスーツを着込んでおり、就活生のようにも見えた。しかし、これで年齢はもう四十近い。
年齢不詳の外見を持つ男。
伊賀瀬貴浩だった。
「お、お前――幸の捜査に駆り出されてたんじゃ、」
「外されちゃいました」
ニコリと笑って、伊賀瀬は部屋へと入る。
「今は二係の馬場班が引き継いでます」
「その様子だと、進展は……」
「ありません。――流石ですね深山さんは。いつ頃から計画してたのやら」
椛の問いに、伊賀瀬は肩をすくめてみせた。
現在、《ＳＣＴ》は逃亡した深山幸の捜索に追われていた。
二週間前に椛がバラバラにした幸は、千隼と飛鳥をめぐる騒動の際に逃亡したのだ。
それが発覚したのは、国立競技場の一件の翌朝。
《研究病院》へ移送された幸の身体が一向に治癒しないことに疑問を抱いた女医が調べてみると、そこにはあるはずのものが無かった。
幸の死体の中に《左腕の鬼肢》がなかったのだ。
慌てて、幸を捕縛した山中を調べると、腐葉土の下から動物の巣のような穴が見つかった。その穴は２キロほど離れた川岸まで延びており、その穴の出口のそばには人間の足跡が残されていた。
つまり、深山幸は《左腕の鬼肢》のみで逃亡した後、遠く離れた場所で《鬼肢》から肉体を再生させたのだ。あの時、飛鳥を煽るようなことを言ったのも、《左腕の鬼肢》がその場から消えたことに気づかせない為だったのだろう。
加えて、幸は《ＳＣＴ》の捜査方法を熟知している。はっきり言って半日の遅れは致命的だった。《ＳＣＴ》は二週間経っても幸の足取りを掴めずにいる。せいぜい分かったのは、幸が《鬼肢》の食い残しを、飼い犬のシェパード二頭に食べさせていた事くらいだ。恐らく奧山も、これ以上はどれだけ人員を費やしても意味がないと判断し、伊賀瀬を外したのだろう。
ふと、伊賀瀬が椛の隣にしゃがみ込んだ。
そして、過去に思いを馳せるように呟く。
「こうして二人きりになるのは、五年ぶりですね――紅羽さん」
そう呼ばれ、鬼無里椛――――水無瀬紅羽は答えなかった。
ふと、椛の脳内に五年前のことが思い起こされる。
五年前の八月二十二日。
水無瀬紅羽は《鬼憑き》となった。
あの日、国立競技場で《８２２事件》に巻き込まれた紅羽は、赤坂のとある病院へ運び込まれた。奇跡的に無傷だったものの、元々の虚弱体質故に入院することになったのだ。母親も二人の姉も、どこへ運び込まれたのか杳として知れず、不安だったことを憶えている。眠る度に見る、瓦礫に頭を押し潰される夢。そして夢の中で聞こえてくる『願いを言え』という声。妙に現実感のある夢が恐ろしく、紅羽は寝つけずにいた。
そして、その晩。
紅羽の病室に《鬼憑き》がやって来た。
病室の引き戸が開かれる音を聞いて、紅羽は目を開けた。六人部屋の病室へ入って来たのは、白いツノを生やした何者か。当時はまだ《鬼憑き》という言葉が無かったが、それでもそれが《鬼》であることは一目瞭然だった。
足下まで伸びた髪を引きずって、その《鬼》はまず一番近いベッドに寝ていたものに近づく。途端、《鬼》の胸元から飛び出した巨大な鎌が、患者を切り裂いた。
そして鎌の先端が、獲物の体液を吸うように蜘蛛のように、患者を喰らう。
あまりに自然で、あまりに手慣れた作業に、紅羽以外の患者は喰われるその瞬間まで《鬼》の存在を知覚することはなかった。
そして、紅羽の番が回ってきた。
恐ろしくて動けない。
紅羽はただ、自身のベッドの脇に立って紅羽を見下ろす《鬼》を見つめ返すことしか出来なかった。ああ、このまま自分は死ぬのだろう。そう思った。別に死ぬのは構わない。自分の寿命が短いことはよく知っていたし、死ぬ覚悟もとうに済ませている。というより生きていても病院で寝ているか、家で寝ているかのどちらかなのだ。別に執着するほどのことでもない。だけど、せめて痛くないよう、一瞬で殺して欲しい。
そして《鬼》の胸元から、二対の鎌が現れた。
鎌が、紅羽の額に添えられる。
紅羽は目を閉じた。
ああ、でも最後に一度だけ。
――家族みんなで一緒に、食事がしたかった。
鎌が、紅羽の額を貫いた。
不思議と痛みは無かった。
それどころか、今まで感じた事がないほどの活力が沸いてきた。
不思議に思って、瞳を開ける。
二つの大鎌によって、紅羽の額の両端に空いた穴。そこから大量の子蜘蛛が溢れ出していた。それが《鬼》の鎌を押しとどめていたのだ。
さらに子蜘蛛たちは鎌を伝って《鬼》へと襲いかかり、その全身を覆ってしまう。
そして子蜘蛛たちは「キチキチ」と、歯軋りのような鳴き声をあげながら《鬼》の身体を喰らいはじめた。《鬼》が振り払おうとするも、子蜘蛛は数で《鬼》を圧倒する。《鬼》の皮膚を食い破り、肉を喰いちぎり、骨を噛み砕いて、溢れた血を啜る。口から体内へと忍び込み内側からも食い破る。何億、何兆もの子蜘蛛に全身をついばまれて、ついに《鬼》は倒れ伏した。痛みに身を捩って暴れていたが、やがて全身の筋繊維が千切られてしまったのか、《鬼》は床に横たわったまま動かなくなる。
紅羽は、何が起こったのか理解できずにいた。
助かったのだろうか。
紅羽は恐る恐る、ベッドの横に倒れた《鬼》を覗きこむ。
息を呑んだ。
《鬼》の長い前髪が子蜘蛛に喰われて、《鬼》の素顔が露わになっていた。
そこにいたのは、母の菊夜だった。
紅羽の混乱が加速する。
だが、ともかく母を助けなくてはと思い、慌てて子蜘蛛を払いのけようとした。だが子蜘蛛は紅羽のことなど意にも介さず、ひたすら外敵である《鬼》を喰らい続ける。やめて。紅羽は子蜘蛛たちに頼む。わたしのお母さんを食べないで。お母さんが死んじゃう。やめて。やめてやめて。やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて――
子蜘蛛が菊夜を食い尽くすまで、五分とかからなかった。
床には、母親の衣服だけが残される。
そして子蜘蛛たちは役目は終えたとばかりに、紅羽の身体を這い上がって額の穴へと戻っていく。呆然とする紅羽は、それに抵抗することもできなかった。
ふと、顔を上げる。
病室の窓に、紅羽の姿が映っていた。
平安貴族のように長い髪と、金色の双眸。
そして額の両端を割って生える白いツノ。
まぎれもない《鬼》の姿が映っている。
そこでようやく紅羽は自覚した。
わたしが、お母さんを食べたんだ――。
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああ――!!」
医師も、看護師も、患者も喰らい尽くされた病院。
そこに、紅羽の絶叫に応える者はいなかった。
日が明けるまで続いた紅羽の嘆きは、彼女の喉を潰し、若く嗄れた声に変えた。
母親を食い殺したというストレスが、飛鳥の髪から色素を奪った。
紅羽の心に共鳴した《鬼肢》が、その声と髪の色を固定化してしまった。
そして、水無瀬紅羽は――
「紅羽さん？」
気づくと、伊賀瀬が心配そうに椛の顔を覗きこんでいた。
どうやら考え込んでしまっていたらしい。
「――その名で呼ぶな」
椛は、伊賀瀬から視線を外す。
わたしはもう水無瀬紅羽ではない。
その後あちこちの病院を転々とし、最終的に《研究病院》に収容された。
やがて《鬼肢》と《鬼憑き》の関係を知り、自分の《鬼肢》は不活性化していることに気づいた。その理由が、母親を喰らったことで『家族みんなでご飯が食べたい』という願いが叶わなくなったからだということも。
そして『他の《鬼肢》を喰らうことで、その《鬼肢》を自分のものにできる』という《脳髄の鬼肢》の能力を知った時、水無瀬紅羽は決めたのだ。
わたしが全ての《鬼肢》を喰らってやる。
そうして全ての《鬼肢》をわたしの身体の中に封印する。
最後は《研究病院》の地下深くに、わたし自身を幽閉するのだ。
《鬼》の存在しない、世界を取り戻す。
もう二度と、わたしのような思いをする人間が生まれないように。
だから、
「妾のことは鬼無里椛と呼べ」
――わたしは鬼無里椛になったのだ。
宣言するような椛の言葉に、伊賀瀬は何かを諭すような曖昧な笑みを浮かべた。
「菊夜さんは、そんなこと望んでないと思いますよ」
「……黙れ、ただの遺伝子提供者のくせに」
椛の言葉に、伊賀瀬は「そりゃそうなんですけど」と肩をすくめる。
伊賀瀬は――千隼と飛鳥、そして紅羽の父親だった。
とは言っても、籍は入れておらず認知もしていない。戸籍上はまったくの他人。菊夜も姉妹に父親の話をすることはなかった。だからこの事を知っているのは椛だけ。
母である菊夜と、同性愛者である伊賀瀬との間に何があったのかは分からない。
五年前。伊賀瀬は、椛が菊夜を喰らった翌日にひょっこり現われ、椛を引き取った。その際に、自分が生物学的には父親であると明かしたのだ。
正直言って、椛はあまり伊賀瀬が好きではなかった。
むしろ会話をしないよう避けてきた。
「ともかく――」
それを分かっているだろうに、伊賀瀬はニコニコしながら椛の顔を覗きこむ。
「あの時、僕が椛さんを迎えに行けたのは、菊夜さんから呼び出されたからなんです」
「……は？」
初耳だ。
思わず椛は伊賀瀬の顔を見つめる。
それを、やはりニコリと笑って受け止め、伊賀瀬は続けた。
「菊夜さんが『私は娘に喰われるから、後を頼む』って。――そう電話してきたんですよ。こりゃ何かやらかすな、って思いましたけど、その時の警察もてんやわんやでして。自分だけ『隠し子が心配なんで休みます』とは言えなくて……結局、着いた時にはあんな事になってました」
伊賀瀬は、少しだけ真剣な顔つきになって「つまりですよ」と続ける。
「少なくとも、菊夜さんは娘を喰おうとしたわけじゃない。……きっと、椛さんの幸せを考えて出来る限りのことをしたんだと思います」
「――――そうか」
椛の中にある淀みが、少しだけ晴れる。
結局、母のことはよく分からないけれど、きっとわたしのことは愛してくれていたのだろう。そう椛は信じることにした。
「礼を言う。ありがとう、教えてくれて」
「どういたしまして」
「でも、やっぱり考えは変わらんよ。《鬼肢》を全て喰らって、妾は《研究病院》の地下で眠ることにする。――ま、病院で暮らすのは馴れてるしな」
椛は自嘲気味に笑ってみせる。
伊賀瀬は少しだけ悲しそうに「そうですか」と呟くだけだった。
「ところで、」
ふと伊賀瀬が視線を落とす。
つられて、椛もその視線を追った。
視線の先は椛の手元。その両手はいまだに、飛鳥のタンクトップを大切そうに握り締めている。
「ソレ、いつまで握り締めてるんですか？」
「う……こ、これは、お前が変な話をするから」
椛が慌ててタンクトップを投げ捨てる様子を見て、伊賀瀬は優しい笑みを浮かべる。
「椛さんは、本当に『飛鳥お姉ちゃん』のことが大好きなんですね」
「ばっ――違う!!」
「え？ だって、僕に狙撃手を辞退しろって言ってきた時も、子蜘蛛で五年間ずっとお姉ちゃん二人をストーキングしてたから、どっちが勝つかは分かるって――」
「うるさい黙れ」
「でも、残念ですね。飛鳥お姉ちゃんには、千隼お姉ちゃんを狙う恋敵だと思われてるんでしょう？ 飛鳥さん、椛さんに当たりがキツイですもんね」
「……ぶっ飛ばすぞ」
そう椛が額の六角ボルトに手を伸ばすと、伊賀瀬は「怖い怖い」と言って立ち上がり、さっさとドアから外へと出て行ってしまう。
が、伊賀瀬は何かを思い出したようにドアから顔だけを覗かせる。
「そうそう、一茂さんから伝言です」
「なんだ」
「深山さんの報復も考えられるから、また暫く水無瀬姉妹の護衛をするように、と。詳細は《研究病院》の方で、だそうです」
そう言い残し、今度こそ伊賀瀬は官舎を後にした。
伊賀瀬の足音が完全に聞こえなくなったことを確認し、椛は作業を再開する。
正体を隠しての護衛。
複雑な気分だった。
しかも奧山の命令というのが気に食わない。
奧山は、椛が千隼と飛鳥の妹であることを知っているのだ。
だからこそ奧山は二週間前の護衛メンバーに椛を入れた。千隼から『《鬼肢》の不活性化について知りたい』と訊かれれば、椛も口が軽くなることを期待したのだろう。恐らく今回も、何か思惑があるに違いない。
奧山が何を企んでいるのかは分からないが、命じられれば従うしかない。
だが少なくとも、奧山は本気で《鬼憑き》を根絶したいと考えている。『その為ならどんなことでもする』と。かつて奧山はそう椛に語った。故に、椛も《ＳＣＴ》に協力し《脳髄の鬼肢》によって《順風耳》というシステムを作り上げたのだ。
しかし『どんなことでもする』という事は、椛の身体に全ての《鬼肢》を封印する以外に効率の良い方法が見つかれば、そちらを選ぶということでもある。
それは困る。
母を殺しておいて、罰を受けずに生きるなど、地獄以外のなにものでもない。
それを恐れるからこそ、《鬼肢》の不活性化の方法について隠していた。
だが、もうその手は使えない。
こうなれば、もう奧山との約束を信じるしかない。
全ての《鬼肢》と《鬼憑き》を喰らい、わたしの中に封印する。そして地下深くに幽閉するという約束を。
気づくと、いつの間にか飛鳥の衣服の梱包を終えていた。
色々と考えながら作業していたせいだろう。あとはこのタンクトップを洗濯するだけ。どうせだから、自分の服も洗ってしまおうか。そう椛は考える。荒事の多い仕事の為、振り袖は質よりも利便性で選んでいる。今着ているのも、洗濯機で洗えるナイロン製のものだった。
洗濯している間にシャワーでも浴びよう。
スルスルと帯をほどいて、振り袖から肩を抜き、
「……？」
椛はようやく、ソレに気づいた。
振り袖の襟の部分に、何か虫のようなものがひっついている。
だが虫ではない。黒いプラスチックと金属で出来ており、どことなく無線機のマイクにも似ていた。側面に空いた小さな穴などそっくりだ。
黒く小さなソレをつまみ上げ、椛は呟く。
「――盗聴器？」
椛は知る由もないことだが。
それは――機械仕掛けの、姉の耳だった。
【了】
このたびは
「姉たる千隼と鬼憑きの姉妹」
を、最後までお読み頂きありがとうございます。
どうでしょうか？
楽しんで頂けましたでしょうか？
少しでも、楽しんで頂けたのなら嬉しい限りです。
この物語は、新人賞への投稿作品として作成していたものです。
していた――というよりは、投稿はするのですが、枚数がかさんだので投稿場所が限られてしまい、一番締め切りが近い新人賞でも、何ヶ月も先という事態になってしまったのです。
しかし、
「このまま何ヶ月も寝かせておくのは勿体ない」
と考えて「小説家になろう」に掲載させて頂きました。
とまあ、自分本位な理由ではありますが、
面白い小説を書けるようになる為には、出来る限りのことがしたかったのです。
どうしても、面白い小説が書きたいんです。
どうかご容赦ください。
ご容赦ついでに（日本語が変ですが）、
今後の作品へ活かすために、感想や意見、技術的なアドバイスを貰えると助かります。
「この本がオススメ」でも嬉しいです。
ああ、いつか。
この千隼と飛鳥と椛の物語を、もっと書きたいなあ…………。
幸も、このままじゃ終われないですし。
奧山の事情や、伊賀瀬の事情も描きたい。
卜部たちと《鬼憑き》との死闘も描きたい。
けど、色々な作品を書いた方が、技術は向上するのでしょう。
ああ、時間が。時間が足りない……。
作家になれば、小説だけを書いて生活し、小説を書くためだけに生きられるのに……。
すみません。愚痴になってしまいました。
また機会があれば、続きを書こうとは思ってます。
書くとすれば――弱い《鬼憑き》たちが作り上げた相互扶助協会の話でしょうか。
それでは、また次の物語でお会いしましょう。
