まさかの事態
目を開けるとそこはとても広い広い部屋。
外は明るく、真っ青な空が見える。
皆様、26回目の人生のようです。
お決まりのように、3歳でイアルに恋をした
既に記憶を思い出している私はもう14歳。
毎度ながらこの11年間はとても時間が進むのが速い。
今回はどんな人生かしらね。
期待を胸にふくらませていると一人の女性が近づいてくる。
「ユアン、今日はイアルと会える日ね。」
優しげに笑う女性はおそらく母であろう。
不思議なことに各人生の両親の顔は覚えていないのだ。
きっとイアルに夢中だったのだろう。
「うん!お母様」
気のせいかな、お母様ったらこんなに大きかったかしら。
一つの違和感を覚えた。
お母様がとてつもなく大きく見える。
はて、今回の人生では私はチビ設定か何かなのかしら??
「もうイアルと出会って、5年ね。」
おほほ、と効果音がつくような笑顔でお母様が呟く。
「そうね!もうイアルと出会って5年。早いね!」
「あら、今日はとてつもなく元気なのね?いいことだわ」
何故かしら、今日はとても元気。
この人生では空元気なのが取り柄ね、きっと
イアルと出会って5年。
……ん?5年??
私は今、14だから11年では??
「お母様、出会って11年では?」
「え?…ああ、そうね!私は出会って11年くらいかしら!」
んんん?
「お母様、私何歳になった?」
あまりにも違和感しかないので、不自然ではあるが質問をした。
「あら!母親なんですから、子供の歳くらい覚えているわよ、ふふ。あなたは今日で8歳よ」
8?今の私は8歳なの?
イアルと出会ったのが、3歳で、今日で5年経つ。
8歳ね。
…どうして????!!!!!!
予定より6年も早いわ!!何が起きたの???!!!!!!
冒頭で14歳ドヤとやってしまったのに、まさかのオチね!!!!!!
たしかに、お母様がバカデカかったり、妙に空元気なのは8歳だからといえば分かるきがするわ。
驚き顔をしているとお母様は勘違いしたようで
「ちゃんと覚えているわ!大丈夫よ!!」
と必死に励ましてくれた。
待って待って待って待って、何故????
なぜ、何が???!
「お嬢様、大丈夫ですか?? 」
ふと声をした方へ顔を向ける
「サリテル!!!!!!???」
そこには不妊症の時にだけ現れる護衛、サリテルがいた
うそ…私また不妊症なの???
というかもう不妊症だとわかるの???
早いわね……………
「はい、お嬢様。サリテルでございます。
イアル様がもうしばらくでご到着なさるのでお着替えを」
混乱している頭を必死に落ち着かせた。
やっと深呼吸できるくらいに落ち着くとイアルが到着した。