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手紙



サリテルはあの後、リースに想いを告げた。



あまり、お互いを知らないから突然言われても困る。



そう言われたそうだ。しかし、もうこんな素敵な女性なんてリースしかいない!と直感を信じ押して押して押しまくったらしい。



「お嬢様、私はもう…」



告白を終えた後、すぐにユアンのところへ戻ってきた。



「まあ、仕方ないわね。他をあたり…」



他をあたれ、そうアドバイスをしようとした時被せてサリテルは言った。



「私はもう!!!幸せです!!!」



満面の笑顔だった。どうやら告白は成功したらしい。



「付き合ってから、お互いを知る恋も素晴らしいと思うのです。ですから、私はこれからリース様と共に愛を育んでまいります。」



片手でグーを作り、意気込んでいる。



「振られたかと思った。そうね、そのいきよ。応援してるわ。」



応援してる。彼には本当に幸せになって欲しいと願いを込めて言った。



さて、告白も終わったことだし早速リースとサリテルの距離を縮めるために一緒に作業をしよう。



と思った矢先、ティノおじさんがなにやら手紙を持って来た。



「ああ、いたいた。はい、ユアン宛の手紙だよ。」



手渡された手紙にはセルビアと暗号で書かれていた。



「ティノおじ様、これはどこで?」



なぜ、ティノおじさんがこれを持っているのかわからない。



「さっきそこで君に渡してくれと頼まれたんだ。布で姿を隠していたから顔はわからないけど、おそらく女性だよ。」



自分でここまできたのだろうか。いや、彼女がそんなことはしないだろう。



「身軽そうな格好で、それを渡したかと思ったらすぐに姿を消してしまった。」



きっと城の遣いだろう。緊急用に務めさせている者もいるし、セルビアが届けるよう頼んだのだろうか。



まだ旅行という名の社会見学のようなものはそんなに日はたってないと思うけれど…



ユアンは届いた手紙を読んだ。



「セルビアったら…」



そこにはびっしりと文字が書かれ、1部は狂気的な何かを感じた。



____お姉様。

お元気ですか、お体の調子はいかがでしょう。私はお姉様が心配で成りません。イアル様と再開される日が近くなったというのに、お姉様は婚約破棄をして、私にイアル様の妻になれとでもいうかのように出かました。ああ、お姉様…お姉様、お姉様お姉様。私はお姉様に今すぐにでも会いに行きとうございます。あんな者の妻なんぞになりとうございません。お姉様、お姉様今すぐお戻りになられて、お姉様の元気で綺麗なお顔を私にお見せください。ああ、恋しくてなりません。私の素敵なお姉様。早くお会い出来る日が待ち通しい。



一枚目が終わり、あまりの衝撃にユアンは一旦休憩することにした。


「な、なにこれ。すごい姉妹愛ね、嬉しいと言った方が良いのかしら。」



まるで、依存していた恋人に書かれる手紙のように感じた。



だが、ユアンはそれよりも あんな者の妻なんぞになりたくない という文章が気になった。



イアルとセルビアは上手くいっていないのか?



何かあったのだろうか。ここまで、はっきりと意思を主張するセルビアは初めてだ。



ましてや、ここまで私に依存しているなんて一体どうしたというのか。



二枚目に何かあるかもしれないと、再び手紙に目を向ける。




お姉様、出来ることならこの手紙をお読みになられたら、一刻も早くお戻りになることをお願いします。私は貴女に会って、触れて、話して、早く安心したいのです。早く癒されたいのです。どうかお願いです。こんな意見をお姉様にぶつけるのは始めてでは、ありますが、そのくらい私は貴女が必要なのです。貴女が恋しいのです。こんな私をお姉様はおかしいなどと、気味が悪いなどとおっしゃるのでしょうか、拒絶されてしまうのではないかと不安で仕方がありません。ですが、このようになっているのは私だけではないのです。城の皆も元気がないように見えます。それに、イアル様の様子もおかしいのです。といっても、私からは接触しないので今あの方の状態は全くわかりませんが。きっとあのお方も私と同じくらい飢えています。どうか、城に戻ってくださいますよう、日々願うばかりです。 セルビア______



セルビアは私のことを姉として尊敬してくれている、と受け取るのがただしいのかこれは。



イアルと上手くいっていないどころか会っていないとは…



セルビアの様子もいつもより過激だし、これは会いに行くべきなのか。



「お嬢様、どうかなさいましたか?」



サリテルは真剣な表情で手紙とにらめっこをしていたユアンに言う。



「これ、読んでみて。どう、思う?」



手紙をサリテルに渡す。サリテルの判断でどうするか決めよう。



「これは…セルビア様の触れてはいけない何かを感じますね。ですが、いつもと様子が違ったり、イアル様との交流がないと受け取れる文章からして、一旦旅行は諦めここは素直に城へ戻りましょうか。」



たんたんと述べる彼だが、帰るのは私でいいのでは?と考えた。



「戻りましょうかって、サリテル…あなたはここでリースとの愛を育んむのでしょ?私だけ城へ先に戻るわ。」



馬車を呼んでちょうだいと、告げたのだがサリテルはこちらを見ながら


「リース様には真実を言い、少しの間だけ待っていただくことになっています。それに私はリース様とはよい関係が築けると信じておりますし、そもそも私は貴女様の護衛なのです。ユアン様のことは必ずお守りします。」



言うようになったわね。告白する前はあんなに弱気だったのに。



内心、生意気になったものだと思いつつもユアンはそれを了承した。



「わかったわ、あなた達ならいい夫婦になれそうだものね。」



その後、馬車を呼び城へ戻る準備をした。



その時、リースがいろいろと持たせてくれた。主に粉薬や、飲み物になる粉末だ。飲み物の粉末にはあの、心が癒されるものも入っていた。



「ユアン様に良からぬことがないよう願っております。これをぜひ。」



固くなった呼び方に寂しくなった。



「リース、本当のことを隠していたことは謝るわ。でも、前のようにユアンと呼んで。寂しいわ。それにこれ、ありがとう。大切に使うわ。」



するとリースは嬉しそうな笑顔へと変わった。



「分かったわ、ユアン。気をつけて。サリテルも気をつけて、私はここで貴方を待っているわ。早く迎えに来てね。」



サリテルはそんなリースの言葉が嬉しくて赤面していた。リースもそれにつられ赤くなる。



「なんだ…結構いい夫婦になる日は近いわね。もしかしたら、子供が産まれるのまもすぐかしら。」



バカップル具合を見て安心したユアンは2人をからかう。



すると2人は同時に気が早いと叫んだ。



3人で笑い合うと、では参りましょうかと城の者が言った。



「ユアン、サリテル、何度もいうけど、気をつけてね。あとお身体も大切に。」



優しいリースに微笑み、馬車を出した。



「きっと馬車では安全だけど、城についたらちょっと…大変そうね。」



なんとなくそんな気がします、とサリテルも同感した。



城までは長いので少し仮眠をとることにした。



この胸騒ぎが変なことに繋がっていませんように。



ユアンは目を瞑りながらそう願っていた。





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