サリテル、ファイトよ!
1週間が経った。
サリテルは、物静かだなんて印象が消え失せるほどにリースにベタ惚れであると判明した。
ティノおじさんや、スーヤおばさんはこんなサリテルの変化には全く気付かなかったのだが1人だけ気付いたものがいた。
リースの弟、ハーカである。
私からしたら、ティノおじさんや、スーヤおばさんが気付かないのがおかしいくらいサリテルの変化は明らかだった。
しかし、サリテルはそれに気付かずハーカに言われたのが相当ショックだったらしい。
「私としたことが…お嬢様のお側にいる身であるのに。感情が外へ漏れ出してしまうとは。」
床に手をつき、彼のまわりのオーラは明らかに負のオーラだ。
「確かに、あなたはそんな人ではなかったわね。」
彼の方に手をつきユアンは言った。
「…!お嬢様まで!…もう、私はお嬢様の護衛など…!!」
護衛などやめてやる、と言い兼ねる勢いだったのでユアンは慌てて付け加えた。
「恋ってそういうものよ!!人の性格までも変えてしまうのよ。大丈夫、あなた前より人間らしく素敵な人になったわ。自信をもって!」
お嬢様!!と泣きつこうとするサリテルをかわしたユアンはこれでなんとかなるわ、これで2人の恋は実る!、と思っていた。
「サリテル、姉ちゃんを落とすつもり?」
すると突然声をかけてきたものがいた。
ハーカーだ。5歳ながらにして、落とすなどとませた言葉をつかう。
「お、落とすなどと…わ、私はリース様と良い関係を築いていきたいです…」
おおお!結構なことを言ったぞ!と内心興奮しているユアンだがここは見守る。
「俺は…サリテルなら、姉ちゃんをくれてやらなけもない」
5歳まさかのツンデレ!!っと荒ぶるがやはり見守るユアン。
「!!!…ハーカ様…ありがとうございます!!!私頑張ります!!未来の弟のためにも!」
物静かだなんて誰が言ったんだ…
なんなんだこの目の前の生き物は。本当にサリテルか?
と疑うユアンだが、サリテルはサリテルだ。
彼の本性はどちらなのだろうか…と考えながらも、目の前で行われる、家族(弟)に公認されたことにより、より有利になったサリテルに心の中でガッツポーズを決めた。
ハーカは恥ずかしそうにどこかへ行ってしまった。
「ま、弟にあれだけ言われたのなら大丈夫よ。あとはあなたと、リース次第ね。頑張りなさい。あなたなら、きっとイケるわ。私は何も手助けしないから、どうにか愛の力でリースの心をゲットしてきなさい!」
リースは今草の採取の最中であるだろうから、今攻めなさいとユアンはサリテルの背中を押した、
「いっ、今ですか??!」
声を荒らげることのないサリテルがこの時初めて声を荒げ、裏返り、とても残念な人に見える。
「今よ!!!あなたはヘタレなのですか!!!私の護衛でしょ!!!今、すぐ、行きなさい!!!!」
負けじと声をあげ、もはや命令ではないかと疑えるような指示をだしサリテルをリースの元へとやった。
きっと上手くいく。
今までこんな私に尽くしてくれた彼だもの、幸せになれないはずがない、むしろ幸せになってくれないと困る。
そう考えているユアンはこの人生について感じたことがあった。
原因は分からない。けど、確かにどの人生よりも素敵で幸せな日々を送っている。この人生によって、この充実した日々があり、ましてや、ずっと大変だったであろうあのサリテルが恋をしている。
なんて素晴らしいことなのだろう。
そんなことを考えていると、ユアンは突然思い出した。
イアルとセルビアは上手くいっているかしら。
すっかり忘れていた。2人は元気だろうか、約1週間ほどだから大丈夫だろう。
ユアンは呑気に考えていたが、この時思い出したのは何かの予兆だったかもしれない。
それに気付くのには3日後の手紙が届いたことだった。




