サリテルの変化
リースの魔法のような技術を見た後から、サリテルの様子がどうもおかしい。
「り、リース様。ここ…は、どのようにしたら…。」
リースを相手にするとしどろもどろしており、リースが離れればじっとその姿を見つめる。
時には暑い視線さえも送っているのだ。
まさかと思いユアンは問うた。
「サリテル…あなたもしかして、リースの事…。」
リースの名前を出した途端、表情が一変し真っ赤に染まった。
「お、おおお、お嬢様…な、なにをっ…!!」
声が裏返るほどの動揺を見せた。
これでユアンは確信したのだ。
____サリテルはリースに恋をしている。
「や、だあ!!まあ!!サリテルったら!素敵じゃない!!」
ユアンはつい興奮してしまう。
「リースの魔法にまんまとかかってしまったのね。」
にやにやとサリテルをからかうように見つめる。
「お嬢様!おやめください。私目が恋などと!そのような権利私には!」
悲しいことをいうものだ。
人が誰に恋をしようとそれはその人の自由なのに。
ユアンは恋は時に人を変えてしまうものだと知っている。
時にそれは牙をむくが、きっとサリテルなら大丈夫だろうとユアンは考えた。
「素直になりなさい。私からするとサリテルには幸せになって欲しい。好きな人には好きと伝えるべきよ。」
「で、ですが…成功するなどという保証はどこにも…」
私の身を守るこいつは、恋などというものに怯えているのか。
それもまだ好意すら店ていないのに最初から諦めるとぬかしているのか。
「しゃんとなさいな。あなたは私の自慢の騎士よ。恋などというものに怯えて私の騎士は務まらないわよ!」
ユアンの勢いに驚き、はっ!としたサリテルはつい背筋を伸ばす。
「まずはちゃんとリースの事を知りなさい。あと2日といったけど、もういいわ1ヶ月の時間を全て貴方とこの村に捧げるわ。」
他の街の偵察は他の日にまわせば良いのだ。
ユアンはサリテルとリースの恋をどうにか叶えてあげたいと思った。
自分以外の恋など初めて関わるもの。しかも、身近な人の恋。
これは私の使命の一つなのよっ!野次馬なんかじゃないわ、と誤魔化し恋を実らせるために努力することを決意した。




