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人生の説明を致しましょうか

何度も転生を繰り返す、それが私人生である。

転生して同じ運命を辿り死んでまた転生。



今回の人生で繰り返されるのは25回目だ。



転生での流れはこう

令嬢として私が生まれて3年がたった頃、3つ年上の婚約者であるイアルと出会い、恋に落ちる。


一年後には妹であるセルビアが産まれる。



あまり会えない日々を繰り返し14歳に再会を果たす。その瞬間、記憶が頭に流れ込んでくるかのように思い出される。


この2年後いつの間にかイアルとセルビアはとても仲良くなり、そのうちセルビアがイアルを好きになってしまうのだ。


私はお世辞でも積極的とは言えない方だった。


好きな彼から笑顔を向けられれば、恥ずかしくてただでさえ会う日が少ないのに、次の会える日程にわざと予定をいれてしまうのだ。



好きな彼から好きだと言われれば嬉しすぎて泣いてしまい、何も言えずその日はそれでさよならをする日もあった。



好きな彼から手を繋げられれば、緊張してしまいそそくさと切り上げ、部屋にこもってしまう。


好意を伝えると避けてしまう、そんな私を彼はすくはずもなかった。


イアルもセルビアを好いていたようだ。


24回目まではどうにか邪魔しようと必死だった。



けれど、わたしのような陰湿な奴は陰湿ないじめしか思いつかない。


その行為がバレた時の人生は当たり前だが蔑むような目でそして怒り狂ったように顔を赤くし、いつも私を見ていた記憶が残っている。



イアルはどちらかというと物静かである。

しかし、時折見せる笑顔はとてつもなく愛おしい。


セルビアが惹かれた理由はどうやらその笑顔だったらしい。


私に比べセルビアは積極的なので、なんどもアピールするうちにイアルはセルビアを選んだ。



私といる時よりも笑顔が多かった記憶があるから、私なんかといるのは苦しかったのに違いない。



何回かイアルをしっかりと捕まえ子供も産んだのだが、子供は体が弱く医者も少ない頃なので死んでしまった。


私はかなり落ち込んでしまい、イアルもどうすれば良いのか戸惑っていたようで喧嘩が幾度かあった。


一方的に私が怒鳴ってしまうだけだったのだが…


溝ができ、その隙にセルビアにイアルを取られてしまい、一人寂しく人生を終えるときもあった。


子供を殺してしまったからか、その次の人生は必ず不妊症であり子供は出来なかった。


イアルにはそれを打ち明けられず、不妊症である人生の時だけ存在する医学の知識を持つ護衛を雇い、面倒を見てもらっていた。


そんな悲しい人生に限って何故か子供を欲しがったのがイアルだ。


何を焦っているのか、子供が欲しい子供が欲しいとせがまれ、どう考えても無理な私には苦痛でしかなかった。



ある時にはセルビアがイアルの子を妊娠した。


セルビアが色々な所で言いふらしていたので確かなはずだ。



私は、ショックよりも怒りの方が強く、そんなに子が欲しければ最初からセルビアと結婚すればよかったじゃない、と面倒を見てくれた護衛を部屋へ呼び、一晩中泣きついた。



その次の日、私は自殺した。


護衛には、イアルへの想いを伝言してもらうため少しばかり語った後の話だ。


いつも一緒にいた彼とまたどこかでと、笑顔で別れ、ひっそりとした森の中で私は死んだ。


悲しくて死を選んだんじゃない、次の人生に期待したのだ。


まあ、"期待"という時点でそれは結局は悲しかったのではないかと、疑問に思うこともあるが今は そんなこと関係ないのだ。








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