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2014年/短編まとめ

夏休みとは

作者: 文崎 美生

「夏休みっても、特にすることないよね」


相変わらずゲーム画面を見ながら会話をするユズリ


この夏に溜まっていた恋愛シュミレーションゲームを、ひたすらクリア目指してやっている。


現在幼馴染み三人組は、楪の家に集まっているので楪の横には大量に積み上げられたゲームが存在した。


そして目の前のテーブルには課題の山が出来上がっている。


「なら、この課題を片付けなさい」


琉月リュウキが長い髪を後ろで結い上げ、黙々と課題を処理していた。


琉月は殆どの課題を初日に終わらせてしまったので、今日は最後の追い込みと紅羽クレハに解らない所を解説しているのだ。


楪はというと、数学のみを残して完璧に終えているのだ。


数学のみを残して。


「ボク、数学嫌いなんだよねぇ」


完全文系の楪は数学が大嫌いでテストも赤かギリギリ平均が殆どなのだ。


ゲーム画面を見て選択肢を直ぐに選んで行く。


その指の動きに迷いは見られない。


「琉月数学終わってるんでしょ?見せてよ」


選択肢を選びキャラの好感度を上げると、そこでセーブをした楪が身を乗り出す。


だが琉月は数学の課題を後ろに下げて「自分でやりなさい」と窘める。


そして横を指さして紅羽を見習えと言う。


紅羽は必死に課題向き合っていた。


「…いや、落書きしてっけど」


紅羽の手元には無駄にリアルな猫のイラスト。


課題のプリントに書く落書きにしては些かクオリティが高い。


頬を引きつらせた琉月が紅羽の頭を叩いてお説教をする。


それを見ながら楪は琉月の数学の課題を奪い写していく。


「そもそも小中高と上がるにつれて、皆課題なんてギリギリにやるかやらないかだって」


むしろ夏休みの前半に集まってやってるボク達が珍しいよ。なんて笑う楪。


確かにそうだがと頷く琉月だが、楪の手元の丸写し作業を見て怒鳴ったのは言うまでもない。


所詮夏休みは課題地獄。

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