森での修行
こんばんは、すらいむ[N]です。
今回で第九話です。
それではどうぞ。
俺はもっと強くなる。
俺は死の縁で心に誓った。
そして今、俺は教会を出て、道の向かいにある武器屋にいる。俺のこの剣がどれだけの力を持っているのか、見てもらうためだ。
「店主、どうだ?」
「これはすげぇ。どんな物質でできているのかはわからないが、とても軽くて硬い。ん? だがこの剣はまだ未完成だな。」
「未完成なのか?」
今まで完成品だと思っていた剣がまだ未完成だったとは・・・、俺は驚きを隠せなかった。
「当たり前よ、この剣はまだ芯の部分しかねぇ。今までこの剣が折れなかったのが不思議なくらいだ。」
「どこにいけば完成させてくれるのだろうか?」
「『俺に任せろ』。最近手に入った瑠璃鉱を使えばこの剣は世界一のものになる。この瑠璃鉱で刃を作る。」
「瑠璃鉱?」
「瑠璃鉱ってのは芯材の力をそのまま刃に現す効果があるんだ。その効果でこの剣の本当の力もわかるだろうよ。」
「頼む。」
「うし!それじゃぁこの剣はしばらく預けてもらおう。代わりにこの店の一番良い剣を腰に指しとけ。」
そう言って店主は鞘に入った一振りの剣を俺に投げた。
剣を抜くと洗練された刀身が現れた。
無駄のない形、無駄な装飾は一切ない。 ただ[斬る]という目的を達成するために作られたもののようだ。
「これは・・・」
一目でこの剣の切れ味を知った。
どうやって作られたのか、誰が作ったのか。気になることは多い。
「あー、その剣は俺が打ったんだ。俺が30の時に打った人生のなかで最高の出来の剣だよ。」
「そんなものを俺が使ってもいいのか?」
「当たり前だぁ、剣は使ってこそ意味がある。飾っとくなんてもったいねぇだろ、大切に使ってくれ」
「わかった、ありがたく使わせてもらおう。」
「しかし打ち終わるまでかなり時間がかかるだろう。その間その剣で旅に出てればいい、その剣で敵を倒すのが苦しくなったところで俺のところへ戻ってこその時には剣も完成しているだろう。俺はガレッドだ、覚えておいてくれ。」
「わかった。」
俺はガレッドの言葉を聞き終えた後、ガレッドの剣を腰にさして、旅に出る準備を整えに道具屋に寄ることにした。
村の北西、武器屋から道に沿って北へ歩いたところに道具屋があった。
俺はそこで薬草と食料を購入した。金は後払いということにしてもらった。俺はその金の支払いもかねて、近くで修行することにした。
以前いた世界と同じなら魔物は多少の金を持っているはずだ。それが旅人を襲って得たものなのか、働いて稼いだものなのかは知らないがその金を集めれば強くなるし、金を貯まるし、と一石二鳥だ。
俺は早速村を出て森へと向かった。
森と山は魔物が出やすい。村の近くの森は迷う心配がないのでいい修行場にできそうだった。
30分くらい歩いて森についた。
俺の予想通り、過ごしやすい場所だった。早速剣を抜き、振ってみた。確かに握りやすく軽かったが、聖剣の方が手にしっくり馴染んだ気がする。
ガサッ ガサッ
茂みの奥から音が聞こえた。
敵か、俺は剣と盾を構える。
深い青、いや黒に近い紺色をしている盾が初めてこんなにも頼もしく思える。
俺の背丈の半分ほどの大きさの長い盾は今まで俺の生命を幾度となく守ってきた。
「ガアッッ!」
大きな狼が茂みから勢いよく飛び出してきた。
その
勢いと共に大狼は俺の右肩に噛みつこうとした。
俺は噛みつこうとする大狼の頬を盾で思いきり殴った。
「ゴァッ!」
嗚咽と共に大狼は地面を転がった。
大狼が転がったときには俺は走り出していて、大狼が立ち上がろうとするところで剣を振り下ろした。
ブシュウッ!!
大狼の首筋から血が吹き出た。返り血を浴びながらも俺は二撃目を同じ首筋に振り下ろした。
大狼の痙攣させていた手足から血からが抜けたとき、戦いが終わった。
いい肩慣らしになった、だが金は持っていなかった。
俺は一息ついて水を一口飲んだ。
そしてまた、剣術の練習を始めた。
日が暮れる頃には金も貯まり、いい運動にもなった。剣術の腕も少しは上がったんじゃないかと自分の腕を見る。
その後、俺は帰る支度をして村へと戻る道を歩く。
この世界の夕焼けは以前の世界の何倍も綺麗なことに気付く。空には星も出始めていた。
俺は村の入り口で不穏な空気に感じた。
だが今まで何度も感じてきたものと思い、村へと一歩足を踏み入れた。
だが俺はすぐに森で一晩過ごせばよかったと後悔した。
いかがでしたか?
ではまた。




