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旅騎士の遥かな旅  作者: すらいむ N
2 新たな世界と最寄りの村
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新世界にて

こんにちは、すらいむ[N]です。


今週から冬休みということもあって、余裕をもって書けそうです。


それでは新世界第一話をどうぞ。

ここはどこだろうか?

城・・・なのだろう。だがこの形の城は見たことがない。特徴のある城壁に高い見張り塔、城下には少ないものの人々が生活している。


この国は治安が良いんだな。

俺は思う。豊かではないが、貧しい人の姿が見えない。笑顔ばかりではないが、泣き顔がない。

俺の母国とは違う。羨ましいな。


俺の住んでいた世界とは大違いだ。

こんな世界に居たかった。



もやが晴れるように頭が冴えていく。これは夢か。

もう目が覚める・・・、まだ少し、もう少しこの国を見ていたい・・・

さ 鳥の声が聞こえる。

体が重い。俺は横になったまま目を開けた。空は青い。視界の端に木の枝の先端が映る。どうやら森の中のようだ。


ゆっくりと体を起こす。回りを見渡すと一面木で、森の開けた場所にポツンと俺だけがいる。


所持品は剣と盾、服と鎧のみだ。金はおろか、食べ物すらない。


『この上に世界にお前の故郷がある』

ふと精霊の言葉を思い出す。あの精霊は「精霊」と呼ぶには程遠い存在だった。

だが精霊の残した言葉が一番確かだろう。

俺はとりあえずこの森を抜けることにした。

10分も歩くと、森を抜けることができた。俺は小高い丘に登り、周りを見渡した。

どこまでも広がる大地、高く険しそうな山々。自然が溢れ、世界が元気そうだ。

そしてどうやらこの森は高所にあるようで、この森の麓に小さな村が見えた。


旅人たるもの村を見つければそこへ行くものだ。だがそれよりも、今は食料が目当てだ。俺は麓に見える村へと行くことに決めた。


村へと下る道は緩やかな山道だった。

山道は一本道で歩きやすく、迷うこともなく俺は旅なれた足で進んでいく。


人間はいるのか、魔物はいるのか、新天地には、なにもわからない不安という名の恐怖がある。


以前の世界は長年住んでいたからかそれはなかった。


俺の故郷・・・ここは俺の生まれた場所なのだろうか。

それなら何か感じるはずだ。少しばかりの緊張を張りながら歩く。


ふと分かれ道に出た。

村の道はわかる。左だ。村へ行くのなら左へいけば良い。だがわかるだろうか。冒険者なら未知の場所を探検したいという欲求が、この先に何があるのかという探求心がある。そして、俺の腰と背にあるのは最強と云われてきた剣と盾だ。

俺は自信と心に動かされ、明らかに怪しい雰囲気を漂わせている右の道へと歩みを進める。


進めば進むほど暗く、道も険しくなる。

分かれ道から歩いて数十分、第六感が危険だと告げたときには既に後ろに道はなかった。


「グルルルルル!ガァァアァア!!!」

地響きとも思えるような雄叫びが俺の耳を突き抜ける。

とっさに剣と盾を構え、周りを見渡す。


グオッ!

右から力強い風を感じ俺は左へと転がった。


ズドォン!

さっきまで俺の立っていた地面には、木の幹ほどもある拳の後が深々とついている。


姿は見えないが、かなり大きな怪物だ。

俺は再び剣と盾を構え直す。

左、右、右、左、見えない拳が襲ってくる。風圧の方が早いおかげで間一髪で避けることができた。


この怪物は大きいどころか動きが早い。

反撃どころか次の攻撃を避けられるかどうかもわからない。


どうすれば良いのか、ゆっくり考える暇すらない。


前!

一歩後退する。


ドッ!

木の幹に背中をぶつける。これでは避けることがっ・・・!


バキッ、ズザァァァ!


「ぐっ・・・!」

木が折れ、数メートル飛んで地面に転がる。

立ち上がれない、息をするのも難しい。


「ゴガァァァァアァァア!」

先程より大きい雄叫びが聞こえる。


そして、はるか上から来る風を感じたところで俺の意識は途絶えた。


剣も、盾も、使う暇すらなかった。

俺は最後に自分の不甲斐なさを、悔いた。

いかがでしたか?



それではまた!

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