吟遊詩人の村
先週は用事で更新ができませんでした。
すいませんでした。
月、火とあったのですが、新作を仕上げて終わってしまいました。。
では前書きはこの辺りで本編をどうぞ。
2012 11 17 表現修正
俺は先程、祖先である伝説の勇者の墓に立ち寄った。そこで俺は、祖先の旅を見た。
俺は彼のようにはなれない。
彼のような信念も、守るべきものもない。
そして俺は次の場所へと向かった。
俺の母国、最初に滅ぼした城。そこから北に歩いたところにその町はある。
海に面した小さな町だ。
俺の祖先の時代に活躍した吟遊詩人がつくったそうだ。
かつて旅をしていた頃に立ち寄ったときは、伝説の吟遊詩人が使っていた竪琴を借りた。
町の宝であった竪琴を使い、魔王を倒すための道具を手にいれた。
はたして町の宝を無理やり借りないと魔王が倒せないこの世界はどうなっているのだろうか。
俺は町の近くまで来た。
吟遊詩人の村というだけあって、様々な竪琴の音色が聞こえる。いくら綺麗な音を奏でても、俺の心には何も響かない。雑音だ。
そんな雑音の中に一つだけ美しい音色を見つけた。
言い様のない心地よい音だ。
俺はその音を奏でている竪琴を知りたくなった。
町の入り口まで来るとさらに雑音が大きくなった。
俺は早足で町の中へと進む。
だが町の入り口で、とても気分が悪くなって立ち止まった。
まるで俺を拒んでいるかのような雰囲気だ。
それも気にせず町へと入った。
町の中へ入ると、嘘だったかのように気分が良くなった。
予想通り町の中は吟遊詩人で溢れていた。
俺は雑草のような吟遊詩人は無視して、先程から聞こえる音の正体を探して町を歩いた。
すると、とある民家の影から声が聞こえたので覗いてみた。
民家の影には何人かの少年がいた。
「お前ホント下手くそだよなー」
「俺らより先に始めたくせになー、その竪琴が悪いんじゃねぇの?俺らが壊してやるよ」
「やめろよ!!この竪琴はじいちゃんが作ってくれたんだ!壊したら許さないぞ!!」
どうやら一人の少年をいじめているようだ。
無駄な争いなど無視し、あの音色を探して歩く。
その音は伝説の吟遊詩人の墓の辺りから聞こえていた。
弾いていたのは老人で、俺が近づくと顔を上げた。
「まぁ、旅人さんかえ?珍しいもんだねぇ、こんななにもない村に。」
「その竪琴は何だ?他の音とはどこか違う気がする。」
「この竪琴かえ?この竪琴はかつて伝説の吟遊詩人が使っていたものだよ。この前勇者様が返しに来てくれたあと、新しく色を塗ったのさ。」
確かに俺はこの村に竪琴を返した。村の宝を持ったままでいるのは気が引けたからだ。
「でもこの竪琴は魔物を呼び寄せる力があるのじゃ。だからこの村の入り口にも濃い聖水を振りまいているのじゃよ。」
・・・・・・。そこで俺はあの竪琴の能力を思いだし、唖然とした。
この竪琴の音が心地よく聞こえたこと、この村の入り口にまいていた濃い聖水で気分が悪くなったこと。
まさか俺は魔物に近づいているのか。
そして、魔物を呼び寄せる音で俺が寄せられてしまったのか。
その現実に俺は絶望した。
俺は何をしようと勇者のままだと、人間のままだと思っていた。
勇者の血を引いているから生まれてから死ぬまで勇者かと思っていた。
「俺が魔物・・・」
俺の目の前が真っ黒になった。
今まで幾人もの命を刈り取った剣を荒々しく抜いた。
鞘が老人の足元に音をたてて落ちる。
老人が叫ぶ。
だが俺は知らない。
俺は魔物だ。
魔物は人を殺すものだ。
殺して楽しむものだ。
剣を振り回し、老人の体を切り刻む。
しばらくはうめき声を上げていたが、十回に達する時には もう声は発していない。
傷だらけの老人の体と竪琴を見ていると、武装した町の男たちが襲いかかってきた。
俺は男たちの攻撃をスラリスラリと避け、左手に剣を持ち変えて、右手で一人の男の首根を掴み、地面に叩きつけた。
ズドォン!
音と共に男は白目を剥き、口から赤い血の泡を吹き出した。他の男たちが後ずさったところに俺は切りこんでいった。
両手で剣を持ち、男の腹を目指して思い切り突き出した。
一人、二人三人。俺の剣は三人を貫いた。
絶命した男たちを蹴り倒し、剣を構え直した。
もう男たちは少ない。女子供はどこかへ避難しているようだ。
恐れずに向かってくる男たちに俺は立ち向かった。
スパンという音と共に首を撥ね飛ばし、振り向き様に二人目の心臓に剣を突き立てる。
剣を抜く前にもう一人の男が襲いかかってきた。
俺は、剣を離し、男の顔面に右拳を叩き込んだ。
その後、のけぞっている男の首に裏拳を放った。
ゴキンという音と共に男はその場に倒れた。
剣を抜こうと死骸に寄ろうとしたとき、不意に後ろから鈍器で殴られた。
なんとか踏みとどまったが頭はクラクラする。
俺は剣を持つこともなく、魔力を解放した。
今までは黄色の稲妻が走ったが、今回は黒かった。
地面が剥がれ、空中に浮いた。
俺はそのまま魔力を増幅させ爆発させた。
凄まじい音と共に目の前が真っ黒に染まった。
目を開けるとそこはただの荒野になっていた。
勇者のみが使える雷撃の呪文は魔に染まった。
俺は俺を魔物にしたこの世界を恨む。
俺が悪いのか?そして、この世界が正しいのか?
俺は空に語りかける。
そんな世界なら俺は魔物でいい。そして、この世界を壊してやろう。こんな世界必要ない。
俺の祖先が信念を持っていたように、俺の信念も決まった。それはこの腐りきった世界を壊すことだ。
俺は空に言い残し、次の地と向かった。
どうでしたか?
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他にも作品を書いているのでそちらも読んでくだされば嬉しいです。
ではまた!




