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旅騎士の遥かな旅  作者: すらいむ N
5 古国シルマ
29/34

騎士は再び勇者に

こんばんは、夏玉 尚です。



ではどうぞ。

女騎士と別れて、程なくしてシルマに着いた。

シルマという国は小さく、城があるのだが、広さから国というよりは村に近かった。


シルマの国門は石造りの強固な壁で門番が二人、長槍を持ち、甲冑に身を包んでいる。


「ここはシルマの国だ。何の用だ?」


この国はどことなく俺の母国に似ていた。


「勇者の石碑に祈りを捧げるために来た。」


この言葉はガレッドに「言え」と言われた言葉だ。ガレッドによると、この国の人は勇者を崇拝しているらしい。


「そうか、そうか。では通るが良い。」


もう片方の門番が答えた。一人目の門番は口を固く結んでいる。

一人目の方に話しかけてみると、


「ここはシルマの国だ、何の用だ?」


くっ、やっぱりか。

決められた言葉しか喋るなと言われているようだ。このタイプの兵士や村人はどこの国にも少なからず存在する。


その理由は『余計な事を言わないように』というものがほとんどで、大抵の国には知られてはならない秘密があるからだ。



シルマという国は城の中に人の住宅地やら武器屋やら防具屋がある。


この造りも母国のものにそっくりで、どうせ王座への階段の裏に隠された階段があるのだろうとか、城のどこかに調べないとわからないような秘密の部屋があるのではないかと考えてしまう。


中に入ると当然のように俺の考えは次々と外れていくのだが、相変わらず城の中の様子は母国に似ていた。


俺とガレッドは中を見て回ったが、ほとんどの人間が警戒した目でこちらを見ている。


「この国では必ず最初に王に挨拶をし─────」


「知ってる。俺の母国と似てるからな。」


「そうか。」


ガレッドは俺の母国について詮索しなかった。こういうところもガレッドのいい所だと思う。



ということで王座へと続く正面階段を上がる。

階段を上がると国門と同じ装備の番兵が大きな扉を挟んで立っていた。

どこからどこまでも母国とそっくりである。


門番が鍵を使って扉を開け、俺たちは中へと入る。


予想通り正面に2つ玉座が並んでおり、王と王妃が座っていた。


「よく来た、旅の者よ。ここはシルマである!」


俺たちは跪き、王の言葉を聞く。


「今時こんなッ・・・」


ガレッドがそう呟く。


「ところでそこの者よ、どこから来た?」


王は俺を指差しそう言った。

俺は腰の聖剣を鞘ごと抜き、王へと差し出す。


「これが俺の生まれた国の証だ。」


王は剣を抜き刀身の中心部に刻まれた紋様を見て息を飲んだ。


「こ、これをどこで?」


「先祖代々伝わっているものだ。」


「な、なんと!」


王は驚きの声をあげた。

なんとなく理由はわかったのだが口には出さない。


王は側近にコソコソと何か言い、剣を渡した。

側近はすぐに王座を出ていった。


「剣をどこに?」


「あの剣を持つ資格があるか試させてもらう!」


「は?」


俺は王の発言に驚く。


「あの剣は軽々しく振るっていいものではないのだ!!お前がその資格がないのであれば我が国が預かる!」


意味がわからない。

とりあえず一方的なこの言葉で大切な剣を渡すわけにはいかない。


「じゃあ、その資格を試してもらおうか。」


向こうの言う資格とやらを見せつけるしか方法はない。


「そうか。アベルを呼べ!!」


王の命で二人目の側近が一階に降りる。

程なくして一人の少年が俺の剣を携えて王座へと上がってきた。


「アベル、その剣を使いこの者を倒すのだ!」


アベルはどこか緊張と不安を浮かべた顔で立っている。


「さぁさぁアベルよ!打ち負かすのだ!!」


王が一人で盛り上がってしまっている。


「でも・・・」


「どうした?お前は国一番の剣士なのだ、何も臆することはないのだぞ。」


「・・・」


「どうした?何かあるのか・・・・・」


すると突然アベルの目が変わる。覚悟した目だ。


「行きますッ!!!」


王座で剣を握りしめ襲ってくる、という様子は中々見ることができないだろう。


俺は雷撃の呪文をできるだけ力を抑えて剣へと放つ。


バチンッ!!


「うわっ!」


アベルは尻餅をつき、王と王妃は口を開ききっている。


俺は転がっている剣を拾い、アベルの腰に差されてある鞘を抜き取ってそれに差した。


「雷撃の呪文・・・史実でのみ伝わっている勇者のみ使える呪文、やはり貴公は・・。」


「先程この剣の紋様を見て驚いていたな。俺の母国を知っているんだろう?」


俺は自分の生まれた国の名を知らない。

だからシルマの王にカマをかけてみた。


「その紋様は勇者の生まれし国、『アルイス』のモノ。そしてこの紋様を刻むことが許されたのは後にも先にも勇者の装備のみ。そして勇者の装備は子孫に受け継がれている。貴公がこの剣を持っているということは生まれた国はアルイスということになる。」


「それだけでアルイスという国で俺が生まれたと断言できるのか?」


「だからなのだ!勇者の一族が旅をしているはずがない。ということはその剣を勇者の一族から奪った他考えられなかったのだ。」


シルマの国王は俺に平伏してそう言った。


「だがその雷撃の呪文を貴公が扱えるということがわかった今、正当な勇者の一族であることがわかった。先程の無礼の詫びとして贈り物を用意した。持っていってくれい。」


後ろを見ると、二人の側近がひとりひとつ宝箱を床に置いた。


「このことは他言無用で頼む。」


俺はシルマの王に頼む。


「わかった。勇者様の子孫の頼みを断るわけにはいかぬ。安心してくれ、シルマの民は口が固い。」


「感謝する。」



俺はアベルを見る。

アベルは目を輝かせてこちらを見ている。


「腕を磨け。この国の将来を担えるほどにな。その時にまた相手をしてやる。」


「はい!!」


元気よく返事をするアベルを見て俺は軽く頷き、宝箱へと向かう。


「ありがたく受け取ろう。」


俺とガレッドが一つずつ開ける。

中には金が1000と不思議な鍵が一つ入っていた。


「じゃあ、石碑に立ち寄らせてもらう。」


「勇者の子孫に幸あれ。」


扉に向かう。

だが扉には鍵がかかっていた。

もしやと思い宝箱の鍵を差し込むと扉は開いた。

だが鍵を抜こうとしても鍵が抜けない。


まさか使い捨てか?と思って力を込めると、鍵は音と共に静かに砕け散った。


「なっ!」


何か悪い気がしたが気にせずに階段を降りることにした。





一階の階段から北側にある庭園に勇者の石碑はあった。何が書かれてあるか知るために俺たちは石碑へと向かった。

いかがでしたか?


内容に合わせタイトルを変えました。


ではまた。

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