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旅騎士の遥かな旅  作者: すらいむ N
4 出会いの洞窟
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洞窟からの脱出

こんにちは、夏玉 尚です。


ではどうぞ!

出会いの洞窟の奥で見たもの、それは地下世界で見たものと同じ、勇者の石板だった。


「これは何だろう・・・」


女騎士は不思議そうに石板を見つめる。


「これはかつての勇者が記した石板だ。」


「知ってるのか?」


「以前にも一度見たことがある。」


「へぇー、私にはこの文字は読めないなぁ。」


「読めないのか?」


「ば、バカにするなッ、一応言語学は一通り習ったのだ!」


「まぁ昔の文字だからな、仕方ない。」


「お前は読めるのか?」


「あぁ、古代語まで叩き込まれた。」


思い出したくもない過去のひとつであるが思いの外、役立っていることである。


「で、何て書いてあるんだ?」


「要約すると、勇者がこの場所に何かを隠したらしい。」


「なるほど、でも何もないぞ?」


その通りで松明で辺りを照らしても隠したと思われるものは何もなかった。


「この石板・・・不思議な感じがする。」


と言いながら女騎士はペタペタと石板を触っている。


ガコンッ


女騎士が何気無く触った一ヵ所が凹んだ。


ズズズズズッ


石板はゆっくりと後ろへと下がり、その下には更に地下へと続いていた。


「うわっ!」


「この下か・・・」


俺は何故か悔しかった。


「お前がこの道を開いたんだ、先に下りるといい。」


「何もないんだろうな?」


「勇者の墓だ、加護が働いているのならば魔物など寄せ付けない。あるとしたら隠されたモノだろう。」


そうして俺たちは階段を下りた。

そこには地面に刺された、細身の刺突剣があった。レイピアよりは少し長めで使いにくそうだ。


「剣か。」


「使いやすそうだな。」


「そうか?」


俺は剣を抜いてみようと柄に手をかけたが、抜けない。


「抜けないのか?そんなことはないだろう。」


女騎士が俺と代わって剣の柄に手をかける。


「んっ!」


女騎士が力を込めると細身のレイピアはするりと地面から抜けた。


「抜けた!」


「抜けたな。」


女騎士は振ってみたり、握ってみたりしている。


「すごく使いやすいな!」


「・・・そうか、じゃあ持ってくといい。」


「いいのか?」


「いいだろう。これも何かの縁だ。この場所を見つけたのもな。」



そうだ、これは偶然ではない。女騎士が穴に落ちたところから石板の秘密を解いたこと、そして俺に抜けなかった剣を抜いたこと。


彼女は確かに何かに惹き付けられたんだろう。


この刺突剣は彼女が持つものであり、彼女以外には使えないと直感でわかる。




「・・・で、ここからどうやったら出られるんだ?」


「どこかに道があるはずだ。あの石板とこの部屋を作った者がこの場所から出た時に使った道があるはすだ。」



松明を片手に俺たちは辺りを探した。

石板に秘密があったようにこの場所にも秘密があるのだろう。

もし、この場所へ邪な目的を持った者が訪れたときに脱出させないために。

その証拠として先程から幾つもの屍が転がっている。


その誰もが剣を抜けず、そして脱出できずに死んだんだろう。


俺は屍の一つに近づき、変わったところがないか調べた。


だが、返事はない。ただの屍のようだ。


別の屍を調べてみる。


だが、返事はない。ただの屍のようだ。


脱出のヒントがあるかと思い、他の屍も調べる。


だがどれも返事はない、ただの屍のようだ。


喋る屍がいるはずもないのに何故かこう思ってしまう。何でだろうか。



「あったぞ!」


少し離れたところから女騎士の声かした。

女騎士のところへ行くと、岩が外れていて、奥へと続いていた。


「かなり狭いな。私が先に行こう。」


俺は松明を女騎士に渡し、女騎士に続いた。



松明の明かりが微かに照らす中、しばらく進むと、水の流れる音が聞こえ始めた。


「川に続いているのか。」


「そのようだな。」


進むにつれ次第に水の音は大きくなっていく。


「そろそろだ、落ちないように気を付けろよ。」


「当たり前だ、そんな何度も落ちるはずがな・・・・うわっ!!」


「馬鹿ッ、俺の鎧をつかむなッ!!」



ドボンッ!!



流れが早い、ここは身を任せた方がいいな。


「流れに身を任せるぞ、捕まれ。」


「─────」


「だから女は・・・」



俺は女騎士の体をしっかりと抱え、水中で岩に当たらないように体勢を変えながら流れに身を任せる。

鎧の下着が水を吸っている。身を守るために厚くつくられている分重い。


洞窟を抜けると、鋭い光が目に入った。


太陽の光は暗闇で慣れていた目には刺激が強すぎた。


目を閉じて慣れるのを待つ。するとだんだんと水深が浅くなっていくのがわかる。



ザザー・・ン

ザザー・・ン


目をゆっくりと開けると、そこはどこかの浜辺だった。

抱えていた女騎士を横に下ろし、肩で息をする。


ガレッドはどこだ?


そう思いながら防具を外す。籠手、鎧、足甲、すべて合わせると体重の半分くらいにはなる。


そして胴衣を絞る。

水が抜けると更に体は軽くなる。


再び浜辺に横になる。

太陽光が心地良い。



俺は視界に映る青空を眺めながら、一時の開放感に身を委ねた。


いかがでしたか?



ではまた。

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